【医師監修】HPVワクチン3種類の違い|シルガード9が標準の理由
この記事でわかること
- 2価・4価・9価の違いと、9価(シルガード9)が定期接種の標準になった理由
- 各ワクチンがカバーするHPV型と、子宮頸がんの予防範囲の違い
Q.HPVワクチンにはどんな種類がありますか?シルガード9と他のワクチンは何が違いますか?
HPVワクチンにはかつて2価・4価・9価の3種類がありましたが、2026年4月から日本の定期接種(公費)で受けられるのは9価ワクチン(シルガード9)のみです。
3つのワクチンのおもな違いは「予防できるウイルスの型の数」です。9価ワクチンは、2価・4価でカバーしていた型に加え、HPV31・33・45・52・58型にも対応しており、子宮頸がん全体の約72%に関わる型をカバーします。
日本人の子宮頸がん患者のうちHPVが見つかった方に限ると、9価ワクチンの対象となる型が90%以上を占めていたと報告されています。臨床試験では、追加の5つの型による子宮の入り口の異常を約97%防いだことが確認されています。
Q.3種類のHPVワクチンはそれぞれ何が違いますか?
それぞれ、次のような違いがあります。
| 比較項目 | 2価(サーバリックス) | 4価(ガーダシル) | 9価(シルガード9) |
|---|---|---|---|
| 対応するHPV型 | 16・18型 | 6・11・16・18型 | 6・11・16・18・31・33・45・52・58型 |
| 対応する型の数 | 2種類 | 4種類 | 9種類 |
| 子宮頸がんのカバー率 | 約59% | 約59% | 約72% |
| 尖圭コンジローマ予防 | なし | あり(6・11型) | あり(6・11型) |
| 2026年4月以降の公費接種 | 終了 | 終了 | 対象 |
Q.なぜ9価ワクチンが定期接種の標準になったのですか?
9価ワクチンは、2価・4価よりも多くのHPV型をカバーし、子宮頸がんの予防範囲が広がります。
- 子宮頸がんに関わる型のカバー率:59%→72%に向上
- 日本人患者でのカバー率:90%以上
- 追加5型による前がん病変の予防効果:約97%
より多くの子宮頸がんを防げる可能性があるため、定期接種の標準ワクチンとなりました。
出典
・Palmer M, Katanoda K, Saito E, et al. "Genotype prevalence and age distribution of human papillomavirus from infection to cervical cancer in Japanese women: A systematic review and meta-analysis." Vaccine. 2022;40(41):5971-5996.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36085257/
・Joura EA, Giuliano AR, Iversen OE, et al. "A 9-valent HPV vaccine against infection and intraepithelial neoplasia in women." N Engl J Med. 2015;372(8):711-723.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25693011/
・厚生労働省「HPVワクチンに関する情報提供資材」(令和8年版リーフレット)
本記事は 2026年6月5日 の情報に基づいて作成されています。最新の情報は各出典元でご確認ください