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疲れが取れない日は、どんな入浴法がいいですか?温浴で自律神経を整えるやり方を教えてください。
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疲れが取れない日は、どんな入浴法がいいですか?温浴で自律神経を整えるやり方を教えてください。

栗原 信吾監修者

北水会記念病院 整形外科

栗原 信吾

40℃程度のお湯にしっかりつかる習慣を続けることで、自律神経のバランスが整いやすくなる可能性があります。また、就寝1〜2時間前に入浴すると、入眠がスムーズになることも報告されています。

入浴の温度と自律神経の関係

お湯の温度によって、自律神経(体を活発にする交感神経と、休ませる副交感神経のバランスをとる仕組み)への影響が変わることが報告されています。10名を対象に、ぬるめ(36〜38℃)・中間(38〜40℃)・熱め(40〜42℃)の3つの温度で入浴したときの心拍の変動パターンを比較した研究では、お湯の温度が上がるにつれて、心拍変動の指標に変化が見られたことが示されています[Life (Basel). 2021;11(5):378.]。この結果は、入浴時のお湯の温度が、自律神経の働き方に影響を与えることを示唆しています。

入浴習慣による自律神経への影響

一時的な入浴だけでなく、繰り返し入浴する習慣も自律神経に影響を与える可能性があります。健常な高齢者9名を対象に、40℃・30分の入浴を週5日・4週間続けてもらったところ、安静にしているときの交感神経の活動と心拍数が、入浴習慣を続ける前と比べてはっきりと(統計的にも意味のある差として)低下したことが報告されています[J Appl Physiol. 2022;133(1):234-245.]。ただし、この研究は9名という小規模なもので、対象も高齢者に限られており、効果も1週間後にはやや戻る傾向が見られています。この数値がそのまま誰にでも当てはまるわけではありませんが、入浴を習慣として続けることが、自律神経のバランスを整えるうえで意味を持ちうることを示す知見といえます。

入浴のタイミングと睡眠の質の関係

入浴するタイミングも、疲労回復に関わる要素のひとつです。13件の研究を統合した分析では、40〜42.5℃のお湯での入浴やシャワーを就寝の1〜2時間前に行うと、自己申告による睡眠の質や睡眠効率(寝床にいた時間のうち、実際に眠れていた時間の割合)が改善し、入眠までの時間もはっきりと短縮したことが報告されています[Sleep Med Rev. 2019;46:124-135.]。就寝直前ではなく、少し時間をおいて入浴することが、スムーズな入眠につながる可能性があります。

疲れが取れない日の入浴で日常生活の工夫として検討が推奨される点

疲れが取れない日の入浴法について3つのコツと理由をまとめた表です。1つ目は「40℃前後のお湯にしっかりつかる」で、ぬるすぎず熱すぎない温度を目安にすることです。理由はお湯の温度によって自律神経の働き方が変わることが報告されているためです。2つ目は「入浴を毎日の習慣にする」で、週5日程度、無理のない範囲で継続することです。理由は入浴を繰り返すことで、安静時の自律神経のバランスが整いやすくなる可能性が示されているためです。3つ目は「就寝1〜2時間前に入浴する」で、寝る直前ではなく少し時間をおいて入浴することです。理由は入眠までの時間が短縮したという報告があるためです。

お湯の温度と入浴のタイミングを日々意識することが、特に重要と考えられます。

ここだけは伝えたいメッセージ

疲れが取れないと感じる日は、入浴の温度とタイミングを見直してみることから始めてみてください。40℃前後のお湯にゆっくりつかり、就寝の1〜2時間前に済ませることが、自律神経を整え、スムーズな入眠につながる可能性があります。疲れが長く続く、入浴しても改善しない、といった場合は、生活習慣以外の原因が隠れていることもあります。気になる症状が続く場合は、医療機関への相談をご検討ください。

まとめ:疲れが取れない日の入浴法のポイント

  • 温度と自律神経の関係:お湯の温度によって心拍変動の動き方が変化することが報告されています
  • 習慣化の効果:40℃・30分の入浴を4週間続けると、安静時の交感神経活動と心拍数が低下したとする小規模な研究がありますが、対象は高齢者9名に限られます
  • タイミングの重要性:就寝1〜2時間前の入浴・シャワーは、睡眠の質・効率の改善や入眠までの時間の短縮につながる可能性が、13件の研究を統合した分析で報告されています
  • 実践のポイント:40℃前後のお湯に、就寝1〜2時間前に入る習慣を意識してみましょう

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(参考文献)

Cui J, Gao Z, Leuenberger UA, Blaha C, Luck JC, Herr MD, Sinoway LI. Repeated warm water baths decrease sympathetic activity in humans. J Appl Physiol. 2022;133(1):234-245.
Xu J, Chen W. Impact of Water Temperature on Heart Rate Variability during Bathing. Life (Basel). 2021;11(5):378.
Haghayegh S, Khoshnevis S, Smolensky MH, Diller KR, Castriotta RJ. Before-bedtime passive body heating by warm shower or bath to improve sleep: A systematic review and meta-analysis. Sleep Med Rev. 2019;46:124-135.

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