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無理なく減塩を続けるコツを教えてください。
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無理なく減塩を続けるコツを教えてください。

小鷹 悠二監修者

おだかクリニック 循環器内科 副院長

小鷹 悠二

食卓の塩を控えめにし、だしやうま味、香りを活かすと、味を我慢せずに減塩を続けやすくなると考えられています。

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「血圧が高めなので塩分を控えてください」と言われても、毎日の食事を急に薄味に変えるのは難しいものです。「減塩すると料理がおいしくなくなる」「何をどのくらい減らせばよいかわからない」という方も多いでしょう。

しかし、減塩は高血圧を予防・改善するための基本となる生活習慣です。塩分をとりすぎると血圧が上がりやすくなり、その状態が長く続けば、脳卒中心筋梗塞心不全、腎臓病などのリスクにもつながります。

大切なのは、すべての料理を一気に薄味にすることではありません。「塩分の多いところから少しずつ減らす」ことが、無理なく長く続けるコツです。

1日にとる食塩の目安はどのくらい?

まず知っておきたいのが、1日にとる食塩量の目安です。

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、18歳以上の目標量として、男性は1日7.5g未満、女性は6.5g未満とされています。

一方、高血圧の方では、男女とも1日6g未満が目標です。世界保健機関(WHO)は、一般の成人に対して1日5g未満を推奨しています。

ただし、現在塩分を多くとっている方が、最初から完璧に6g未満を目指すと続かないこともあります。

まずは「今より少し減らす」ことから始めて構いません。例えば、毎日飲んでいる汁物を1日おきにする、麺類のスープを残す、しょうゆを料理に直接かけないなど、ひとつずつ習慣を変えてみましょう。

減塩は「少しずつ」が長続きのコツ

濃い味に慣れていると、最初は減塩した料理を「味が薄い」と感じるかもしれません。

しかし、味覚はずっと同じではありません。塩分を控えた食生活を続けることで、徐々に薄い味付けにも慣れていくことが報告されています。

そのため、「明日からすべて薄味」と極端に変えるよりも、調味料を少し減らす、汁物の回数を減らすといった方法で、段階的に減塩するほうが取り組みやすいでしょう。

減塩は数日だけ頑張るものではなく、その後も続けていく生活習慣です。「完璧に減らす」より「無理なく続ける」ことを意識しましょう。

だし・うま味・酸味・香りを上手に使う

減塩というと、「味をなくすこと」と考えがちですが、そうではありません。

昆布、かつお節、きのこなどの「だし」や「うま味」を利用すると、塩分を減らしても料理のおいしさを保ちやすくなります。

また、レモンや酢などの酸味、しょうが、ねぎ、しそ、にんにくなどの香味野菜、こしょう、カレー粉などの香辛料を利用する方法もあります。

焼いたり炒めたりして香ばしさを出すことも、薄味の物足りなさを補う工夫になります。

つまり、減塩では「塩味を減らした分を、塩分を含まない別のおいしさで補う」ことがポイントです。

ただし、市販の「だしの素」やスープの素、合わせ調味料などには食塩が多く含まれる製品もあります。「だしだから減塩」と思い込まず、食品表示を確認しましょう。

しょうゆやソースは「かける」より「つける」

食卓で使う調味料にも工夫ができます。

しょうゆやソース、ドレッシングなどを料理全体にかけると、知らないうちに多く使ってしまいます。小皿に少量を出して、必要なところだけにつけて食べると、使用量を減らしやすくなります。

また、料理そのものにしっかり味がついている場合には、食卓でしょうゆや塩を追加する必要がないこともあります。

まず一口食べてから、「本当に調味料を足す必要があるか」を考えてみましょう。

食卓に塩やしょうゆを常に置かないことも、「なんとなく追加する」習慣を減らす方法のひとつです。

汁物や麺類の「汁」に注意する

日本人の食生活で特に注意したいのが、みそ汁、スープ、ラーメン、うどん、そばなどの汁です。

汁には多くの塩分が含まれているため、全部飲むと食塩摂取量が増えやすくなります。

みそ汁やスープは具を多めにして汁を少なくする、1日に何杯も飲まない、麺類ではスープを残す、といった工夫が有効です。

「減塩のためにラーメンを2度と食べない」という極端な方法ではなく、食べる回数を減らしたり、汁を残したりするほうが長く続けやすいでしょう。

加工食品や総菜の「見えない塩分」に注意する

塩分は、料理に自分で入れる塩やしょうゆだけに含まれているわけではありません。

ハム、ソーセージ、ベーコン、練り製品、漬物、インスタント食品、冷凍食品、総菜などにも食塩が含まれています。

このような食品を頻繁に食べていると、「自分では塩をほとんど使っていないのに、実際には塩分を多くとっている」ということがあります。

すべて禁止する必要はありません。食べる回数を減らしたり、塩分の少ない商品を選んだりすることから始めましょう。

食品表示の「食塩相当量」を見る習慣をつける

減塩を続けるうえで、とても役立つのが食品の栄養成分表示です。

加工食品や総菜を購入するときは、パッケージに書かれている「食塩相当量」を確認してみましょう。

例えば、似たような商品が2つあれば、食塩相当量が少ないほうを選びます。この習慣をつけるだけでも、塩分の少ない食品を自然に選びやすくなります。

注意したいのは、「100gあたり」と「1食あたり」の違いです。100gあたりの数字が小さくても、実際に200g食べれば食塩量は2倍になります。

「実際に自分が食べる量では、食塩何gになるのか」を確認することがポイントです。

外食では「全部食べる」必要はありません

外食は、自宅で作る料理より塩分が多くなりやすいため、ちょっとした工夫が役立ちます。

麺類の汁を残す、丼物や定食の漬物を残す、ソースやドレッシングを別添えにしてもらうなど、できることから始めましょう。

外食したからといって、「減塩に失敗した」と考える必要はありません。

塩分の多い食事をしたら、その後の食事を薄味にするなど、1食だけでなく数日単位で調整するという考え方も、長く続けるためには大切です。

ここだけは伝えたいメッセージ

減塩は、「おいしいものを我慢する食事」ではありません。

塩味だけに頼らず、だし・うま味・酸味・香りなどを上手に利用し、塩分の多い食品や調味料を少しずつ減らしていくことが、無理なく続けるポイントです。

「しょうゆをかけずにつける」「麺の汁を残す」「食品を買うときに食塩相当量を見る」など、まずはひとつだけでも構いません。

小さな工夫でも、毎日の積み重ねには大きな意味があります。

高血圧の方では食塩1日6g未満が目標ですが、最初から完璧を目指す必要はありません。現在の食生活を振り返り、「どこなら塩分を減らせそうか」を探すところから始めてみましょう。

まとめ:無理なく減塩を続けるために

  • 目標を知る: 成人男性7.5g未満、女性6.5g未満、高血圧の方は男女とも1日6g未満が目標です
  • 少しずつ減らす: 一気に薄味にせず、長く続けられる方法で取り組みましょう
  • 味に工夫する: だし・うま味・酸味・香辛料・香味野菜などを利用しましょう
  • 調味料を工夫する: しょうゆやソースは「かける」より「つける」を意識しましょう
  • 汁を残す: 麺類のスープや汁物からとる塩分を減らしましょう
  • 加工食品を見直す: ハム、練り製品、漬物、インスタント食品などの「見えない塩分」に注意しましょう
  • 表示を見る: 買い物では「食塩相当量」を確認する習慣をつけましょう

減塩で大切なのは、「完璧な6g」を一時的に達成することではなく、少し塩分の少ない食生活を毎日続けることです。

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(参考文献)

高血圧管理・治療ガイドライン2025.東京:ライフサイエンス出版;2025.
2024 ESC Guidelines for the management of elevated blood pressure and hypertension. Eur Heart J. 2024;45:3912-4018.
World Health Organization. Sodium reduction. 2026.
厚生労働省. 日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書. 2024.
Tanaka S, et al. Modelling of salt intake reduction by incorporation of umami substances into Japanese foods: a cross-sectional study. BMC Public Health. 2023;23(1):516.
Segura-Borrego MP, et al. Could the aroma of spices produce a cross-modal enhancement of food saltiness and contribute to reducing salt intake? J Sci Food Agric. 2024;104(7):3894-3901.

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