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血圧が気になるとき、食事・生活習慣でできることを教えてください。
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血圧が気になるとき、食事・生活習慣でできることを教えてください。

小鷹 悠二監修者

おだかクリニック 循環器内科 副院長

小鷹 悠二

塩分を控え、野菜や果物を取り入れ、ウォーキングなどの運動を続けることが、血圧のケアにつながると報告されています。

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血圧が気になるとき、食事・生活習慣でできることを教えてください

血圧が高めと言われると、「薬を飲まないと下がらないのでは?」と心配になる方もいるかもしれません。しかし、血圧は毎日の食事や運動、体重、飲酒などの生活習慣とも深く関係しています。

高血圧は、長い間続くと血管に負担をかけ、脳卒中心筋梗塞心不全、腎臓病などの原因になります。一方、生活習慣を改善することで血圧を下げられることは、多くの研究で確かめられています。

大切なのは、特別な健康食品に頼ることではありません。「塩分を減らす」「適度に体を動かす」といった基本的な習慣を、無理のない範囲で続けることです。

塩分を控えることが、まず大切です

血圧が気になる方に、まず見直してほしいのが「塩分」です。

塩分を多くとると、体は水分をため込みやすくなります。血管の中を流れる血液の量が増えるため、血圧が上がりやすくなります。また、塩分のとりすぎに対する血圧の反応には個人差がありますが、特に高血圧の方や高齢の方などでは影響が大きくなることがあります。

日本高血圧学会では、高血圧の方の目標として食塩1日6g未満をすすめています。

日本人は、しょうゆ、みそ、漬物だけでなく、麺類の汁、加工食品、インスタント食品、総菜などからも多くの塩分をとっています。

「料理に塩をかけない」だけではなく、麺類の汁を残す、しょうゆやドレッシングを「かける」のではなく少量「つける」、加工食品を食べる回数を減らす、食品表示の「食塩相当量」を確認するといった工夫が効果的です。

急に完璧な減塩を目指す必要はありません。まずは、毎日の食事の中で塩分の多いものをひとつ減らすことから始めてみましょう。

野菜や果物を上手に取り入れましょう

野菜や果物には「カリウム」というミネラルが多く含まれています。カリウムには、体内の余分なナトリウムを尿として排出しやすくする働きがあり、適切にとることで血圧を下げる方向に働くことがわかっています。

そのため、野菜、果物、豆類などを日々の食事に取り入れることは、血圧管理の面からもおすすめできます。

ただし、「カリウムをとればとるほど血圧によい」というわけではありません。特に腎臓の働きが低下している方では、カリウムが体にたまり、血液中のカリウム濃度が危険なほど高くなることがあります。

腎臓病がある方や、医師からカリウムを控えるように言われている方は、野菜や果物を増やす前に主治医へ相談してください。

また、カリウムをサプリメントなどで大量にとるのではなく、基本的には普段の食事からバランスよくとることが大切です。

「何を食べるか」だけでなく、食事全体を整えましょう

血圧対策では、特定の食品をひとつ食べ続けるよりも、食事全体を整えることが重要です。

血圧を下げる効果が確かめられている食事方法のひとつに「DASH食」があります。これは、野菜、果物、豆類、全粒穀物、脂肪の少ない乳製品などを取り入れ、塩分や飽和脂肪酸の多い食品を控える食事パターンです。

難しく考える必要はありません。

「野菜のおかずを一品増やす」「肉ばかりではなく魚も食べる」「加工食品やファストフードを減らす」「塩分の多い料理を毎日続けない」といった工夫を組み合わせるだけでも、食生活は改善できます。

「血圧を下げる○○食品」を探すより、毎日の食事全体を少しずつ整えることをおすすめします。

体重が多めなら、少しの減量でも意味があります

体重が増えると、心臓はより多くの血液を全身へ送り出さなければならず、血圧も上がりやすくなります。そのため、体重が多めの方では、減量も重要な血圧対策です。

ただし、いきなり大幅な減量を目指す必要はありません。体重を少し減らすだけでも、血圧の改善が期待できます。

食事を極端に減らすのではなく、間食や夜食を見直す、甘い飲み物を減らす、食べすぎない、運動を増やすといった方法を組み合わせることが大切です。

短期間で急激に体重を落とすよりも、無理なく続けられる方法で適正体重に近づけていきましょう。

ウォーキングなどの運動を習慣にしましょう

運動も血圧を下げる効果が確立している方法です。

特におすすめなのが、ウォーキング、軽いジョギング、自転車、水泳などの「有酸素運動」です。

運動というと、「毎日ジムに行かなければならない」と考える必要はありません。早歩きで散歩する、通勤や買い物で歩く距離を増やす、エレベーターではなく階段を使うなど、日常生活の中で体を動かすことも大切です。

目安としては、1日30分程度の有酸素運動をできるだけ定期的に行うことを考えてみましょう。30分続けて行うのが難しければ、自分の体力や生活に合わせて少しずつ運動時間を増やして構いません。

ただし、血圧が非常に高い方や、心臓病などの持病がある方は、強い運動を自己判断で始めないようにしてください。

お酒を飲みすぎないことも大切です

「少量のお酒なら血圧によい」と聞いたことがある方もいるかもしれません。しかし、血圧管理のために飲酒を始めることはすすめられません。

特に飲酒量が多くなるほど、高血圧になりやすくなります。普段からお酒を飲む方は、「毎日飲むのが当たり前」になっていないか、一度飲酒量を見直してみましょう。

休肝日を設ける、飲む量をあらかじめ決める、食事と一緒にゆっくり飲むなどの工夫も役立ちます。

もともとお酒を飲まない方が、血圧や健康のために飲み始める必要はありません。

喫煙している方は、禁煙を考えましょう

たばこを吸うと、ニコチンなどの作用によって一時的に血圧や脈拍が上昇します。

さらに重要なのは、喫煙そのものが血管を傷つけ、心筋梗塞や脳卒中などの危険性を高めることです。

禁煙によって血圧が必ず大きく下がるわけではありませんが、心臓や血管の病気を予防するという意味では非常に重要です。受動喫煙もできるだけ避けましょう。

家庭で血圧を測る習慣をつけましょう

生活習慣を改善すると同時に、ぜひ行ってほしいのが「家庭血圧」の測定です。

血圧は一日の中でも変化し、緊張や運動、睡眠不足などによっても上下します。そのため、病院で一度測った血圧だけでは、普段の血圧を正確に判断できないことがあります。

家庭では、できるだけ同じ条件で血圧を測り、記録しておくことが大切です。特に朝の血圧は高血圧の診断や治療を考えるうえで重要な情報になります。

生活習慣を変えたあとに家庭血圧を記録しておけば、「減塩や運動を始めてから血圧がどう変化したか」を自分自身でも確認できます。

血圧対策は「ひとつ」より「組み合わせ」が大切です

血圧を下げるために、何かひとつ特別なことをする必要はありません。

減塩、バランスのよい食事、適正体重、運動、節酒、禁煙など、それぞれの取り組みには意味があります。そして、複数の生活習慣を組み合わせることで、より大きな効果が期待できます。

一方で、健康食品やサプリメントだけで高血圧を治そうとすることはおすすめできません。高血圧の治療では、効果と安全性が十分に確かめられた方法を選ぶことが大切です。

ここだけは伝えたいメッセージ

血圧が気になったら、まずは「塩分を少し減らす」「10~30分歩いてみる」「体重を測る」「家庭血圧を記録する」など、今日からできることをひとつ始めてみましょう。

生活習慣は、一時的に頑張るよりも、無理なく長く続けることが大切です。

ただし、生活習慣を改善すれば、すべての高血圧が薬なしで治るわけではありません。高血圧は自覚症状がないまま、脳や心臓、腎臓の病気につながることがあります。家庭でも高い血圧が続く場合は、「もう少し様子を見よう」と自己判断せず、医療機関へ相談してください。

まとめ:血圧が気になるときに取り組みたいこと

  • 減塩: 高血圧の方は食塩1日6g未満を目標にする
  • 食事: 野菜・果物などを取り入れ、食事全体のバランスを整える
  • 体重: 体重が多めの方は、無理のない範囲で減量する
  • 運動: ウォーキングなどの有酸素運動を習慣にする
  • 飲酒: 飲みすぎを避け、飲酒量を見直す
  • 喫煙: 心臓や血管を守るため禁煙する
  • 家庭血圧: 自宅で血圧を測り、日々の変化を記録する

血圧対策の基本は、特別な食品ではなく毎日の生活の積み重ねです。できることをひとつずつ増やしながら、長く続けられる習慣を作っていきましょう。

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(参考文献)

高血圧管理・治療ガイドライン2025.東京:ライフサイエンス出版;2025.
2024 ESC Guidelines for the management of elevated blood pressure and hypertension. Eur Heart J. 2024;45:3912-4018.

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最終更新日:

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