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カフェイン飲料は水分補給になる?コーヒー・緑茶の利尿作用

カフェイン飲料は水分補給になる?コーヒー・緑茶の利尿作用

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本間 雄貴監修者

富士在宅診療所 一般内科

本間 雄貴

カフェインの利尿作用は通常の飲用量では限定的とされ、適度な量のコーヒーや緑茶であれば同量の水分補給とそこまで大きな差はないと考えられます。

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コーヒーは水分補給になるのか

「コーヒーにはカフェインが含まれるから、水分補給にはならない」と思っている方もいるかもしれません。しかし、日頃からコーヒーを飲む習慣のある成人男性50名を対象にした研究があります。この研究では、1日4杯のコーヒーを飲んでも、体内の水分量や尿量に水と比べて有意な差は見られませんでした[PLoS One. 2014;9(1):e84154.]。

カフェインの利尿作用と脱水の関係

カフェインには利尿作用(尿の量を増やす働き)があるとされています。しかし、その影響は飲む量によって大きく異なります。

複数の研究を統合した分析では、カフェインを約300 mg摂取した場合、安静時に尿量が約109 mL(16%増)増加することが報告されています。一方で、体を動かしている場面ではこの利尿作用が打ち消されることもわかっています[J Sci Med Sport. 2015;18(5):569-74.]。つまり、日常生活で体を動かす場面が多い方にとっては、カフェインによる水分喪失の影響はさらに小さいと考えられます。

また、カフェインの利尿作用には閾値(いきち=影響が出始める量)があることが示唆されています。通常の飲用量に相当する低用量のカフェインでは水分バランスに影響がありませんでした。一方で、その約2倍にあたる高用量では急性の利尿作用が確認されています[Front Nutr. 2017;4:40.]。

さらに、日常的にカフェインを摂取している方には耐性が生じ、利尿作用が弱まることも報告されています。通常のカフェイン飲料の摂取では、飲んだ量を超える水分喪失を招くというエビデンスはないとされています[J Hum Nutr Diet. 2003;16(6):411-20.]。こうした知見をふまえると、コーヒーや緑茶を水分補給に活用しつつ、水もあわせて飲むことで、カフェインの摂りすぎを避けながら十分な水分を確保しやすくなると考えられます。

緑茶は水分補給に使えるか

緑茶にもカフェインが含まれていますが、水分補給としての効果はどうでしょうか。運動で軽度の脱水状態(体重の約1%減少)になったあとに緑茶を飲んだ研究があります。この研究では、水と比較して体内での水分保持率に有意な差はありませんでした(水52.2%、緑茶51.0%)[Eur J Nutr. 2023;62(8):3339-3347.]。

カフェイン飲料を水分補給として取り入れるうえで日常生活の工夫として検討が推奨される点

カフェイン飲料を水分補給として取り入れるうえでの3つのコツと理由をまとめた表です。1つ目は「適度な量を心がける」で、コーヒーや緑茶は飲みすぎに注意し適量にとどめることです。理由は通常の飲用量であれば利尿作用は限定的で、水分バランスへの影響は少ないと報告されているためです。2つ目は「水と組み合わせる」で、カフェイン飲料だけに頼らず水もあわせて飲むことです。理由は水分補給の手段を分散させることで、カフェインの摂りすぎを避けながら十分な水分を確保しやすくなると考えられているためです。3つ目は「大量の一気飲みを避ける」で、短時間に何杯も続けて飲まないようにすることです。理由は高用量のカフェイン摂取では急性の利尿作用が確認されており、一度に大量に飲むと水分バランスに影響する可能性があるためです。

ここだけは伝えたいメッセージ

日常的にコーヒーや緑茶を楽しんでいる方にとって、適度な量であれば過度な利尿効果はもたらさないことは安心材料のひとつです。ただし、カフェインへの反応には個人差があり、大量に摂取すると利尿作用が強まる可能性があります。水とあわせてバランスよく水分を摂ることを心がけてみてください。体調に不安を感じた場合は、医療機関への相談をご検討ください。

まとめ:コーヒー・緑茶の効果と利尿作用のポイント

  • カフェインの利尿作用: 通常の飲用量では利尿作用は限定的であり、飲んだ量を超える水分喪失は起こらないとされている
  • 用量による違い: カフェインの利尿作用には閾値があり、高用量では急性の利尿作用が確認されている
  • 常飲者への耐性: 日常的にカフェインを摂取している方には耐性が生じ、利尿作用はさらに弱まると報告されている

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(参考文献)

Killer SC, Blannin AK, Jeukendrup AE. No evidence of dehydration with moderate daily coffee intake: a counterbalanced cross-over study in a free-living population. PLoS One. 2014;9(1):e84154.
Zhang Y, Coca A, Casa DJ, Antonio J, Green JM, Bishop PA. Caffeine and diuresis during rest and exercise: A meta-analysis. J Sci Med Sport. 2015;18(5):569-74.
Seal AD, Bardis CN, Gavrieli A, et al. Coffee with High but Not Low Caffeine Content Augments Fluid and Electrolyte Excretion at Rest. Front Nutr. 2017;4:40.
Maughan RJ, Griffin J. Caffeine ingestion and fluid balance: a review. J Hum Nutr Diet. 2003;16(6):411-20.
Takamata A, Oka A, Nagata M, et al. Effect of fluid replacement with green tea on body fluid balance and renal responses under mild thermal hypohydration: a randomized crossover study. Eur J Nutr. 2023;62(8):3339-3347.

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