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海水浴で気をつけるべき健康リスクと安全対策を教えてください。
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海水浴で気をつけるべき健康リスクと安全対策を教えてください。

本間 雄貴監修者

富士在宅診療所 一般内科

本間 雄貴

海水浴では日焼け・脱水・水難事故が主なリスクとされており、事前の知識と複数の対策の組み合わせでリスクを減らせる可能性があります。

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海水浴での日焼けリスク|約半数が経験する紫外線による肌ダメージ

海水浴場は直射日光だけでなく、水面や砂浜からの照り返しもあるため、紫外線の影響を受けやすい環境です。海水浴客を対象にした調査では、約47%が前年の夏に少なくとも1回の日焼けを経験していたと報告されています[Photodermatol Photoimmunol Photomed. 2018;34(2):122-129.]。この調査では、若い年代の方や男性、色白の肌タイプの方が特に日焼けしやすい傾向にあることも示唆されました。こうした方はより意識的に紫外線対策を行うことが大切です。

日焼けを防ぐうえでは、複数の紫外線対策を組み合わせることがポイントです。大規模な調査では、5時間以上日光に当たった場合でも、日焼け止め・帽子・日陰の利用など複数の対策を併用した人は、何も対策をしなかった人と比べて日焼けのリスクが約55%低かったと報告されています[Prev Med. 2020;134:106047.]。この結果は、ひとつの対策だけに頼るのではなく、さまざまな方法を組み合わせることの重要性を示唆しています。

海水浴中の脱水と体温調節|水の中でも水分補給が大切な理由

海水浴中は水に浸かっているため、のどの渇きを感じにくく、知らないうちに脱水が進むことがあります。脱水状態になると、汗の量や皮膚への血液の流れが減少し、体内に熱がこもりやすくなることが確認されています[Comp Biochem Physiol A Mol Integr Physiol. 2001;128(4):679-90.]。つまり、脱水は体温調節の機能を低下させ、暑さへの耐性を弱めてしまうおそれがあるのです。

海辺では気温・湿度が高く、直射日光にさらされることも多いため、脱水のリスクは一層高まります。こまめに休憩を取り、のどが渇いていなくても意識的に水分を補給することが大切です。ただし、同じ研究では水分を必要以上に多く取っても、体温調節への追加の利点はみられなかったとされており、適度な量をこまめに飲むことがポイントといえます。

海水浴での水難事故予防|飲酒と離岸流への備え

海水浴中の水難事故を防ぐうえで、飲酒の影響は見過ごせません。水辺でのレクリエーション中の水難事故に関する研究では、溺死した人の30〜70%から血中アルコールが検出されたと報告されています[Inj Prev. 2004;10(2):107-13.]。さらに、一定量以上の飲酒をした場合、飲酒していない人と比べて死亡リスクが約10倍に上昇することも示唆されています。こうしたデータは、海水浴前や遊泳中の飲酒を控えることの重要性を裏付けるものといえます。

もうひとつ知っておきたいのが、離岸流(りがんりゅう=岸から沖に向かって流れる強い海流)の危険性です。離岸流に関する啓発活動の効果を調べた研究では、事前に対処法を学んだ人は離岸流の認識力や回避行動が向上し、その効果が6カ月後にも維持されていたと報告されています[Accid Anal Prev. 2012;46:45-51.]。この結果から、万一のときの対処法を事前に知っておくことが安全につながると考えられます。離岸流に巻き込まれた場合は、岸に向かって泳がず、岸と平行に泳いで流れから抜け出すことが推奨されています。

海水浴の安全対策を考えるうえで日常生活の工夫として検討が推奨される点

海水浴の安全対策として日常生活で検討したい3つのコツと理由をまとめた表です。 1つ目は「紫外線対策は複数を組み合わせる」で、日焼け止め・帽子・ラッシュガード・日陰の利用を併用することです。理由は、複数の対策の併用により日焼けリスクが大幅に低下する可能性があるためです。 2つ目は「こまめな水分補給を心がける」で、のどが渇く前に少量ずつ水分を取り、休憩のたびに飲むことを習慣にすることです。理由は、脱水は体温調節の機能を低下させ、熱がこもりやすくなると考えられているためです。 3つ目は「海水浴前・遊泳中の飲酒を控える」で、アルコールは判断力や身体機能に影響を及ぼすため、遊泳後まで控えることです。理由は、飲酒による水難事故のリスク上昇が報告されているためです。

ここだけは伝えたいメッセージ

海水浴は夏の楽しみのひとつですが、日焼け・脱水・水難事故のリスクを知り、事前に備えることで、より安心して楽しめると考えられます。特に重要とされるのは、紫外線対策を複数組み合わせること、こまめに水分を補給すること、そして飲酒後の遊泳を避けることです。

体調に異変を感じたり、海で危険な状況に遭遇した場合は、無理をせず早めに海から上がることが大切です。症状が改善しない場合や不安がある場合は、医療機関への相談をご検討ください。

まとめ:海水浴を安全に楽しむために知っておきたいこと

  • 日焼けリスク: 海水浴客の約47%が日焼けを経験しており、日焼け止め・帽子・日陰の利用など複数の対策を組み合わせることでリスクの低減が期待されます
  • 脱水への注意: 水中でも脱水は進み、体温調節の機能低下につながる可能性があるため、のどが渇く前にこまめな水分補給が推奨されます
  • 水難事故予防: 飲酒は水難事故のリスクを大幅に高めることが報告されており、遊泳前・遊泳中の飲酒を控えることが重要です
  • 離岸流への対処: 離岸流に巻き込まれた場合は、岸に向かって泳がず、岸と平行に泳いで流れから抜け出すことが推奨されています

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(参考文献)

de Troya-Martín M, de Gálvez-Aranda MV, Rivas-Ruiz F, et al. Prevalence and predictors of sunburn among beachgoers. Photodermatol Photoimmunol Photomed. 2018;34(2):122-129.
DeFlorio-Barker S, Holman D, Landolfi R, et al. Incidence and public health burden of sunburn among beachgoers in the United States. Prev Med. 2020;134:106047.
Sawka MN, Montain SJ, Latzka WA. Hydration effects on thermoregulation and performance in the heat. Comp Biochem Physiol A Mol Integr Physiol. 2001;128(4):679-90.
Driscoll TR, Harrison JA, Steenkamp M. Review of the role of alcohol in drowning associated with recreational aquatic activity. Inj Prev. 2004;10(2):107-13.
Hatfield J, Williamson A, Sherker S, et al. Development and evaluation of an intervention to reduce rip current related beach drowning. Accid Anal Prev. 2012;46:45-51.

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