記憶力の低下が気になり始めました。脳の健康に腸内環境は関係しますか?食事や乳酸菌で予防できますか?
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記憶力の低下が気になり始めました。脳の健康に腸内環境は関係しますか?食事や乳酸菌で予防できますか?

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武井 悠香子監修者

新百合ヶ丘総合病院 脳神経内科

武井 悠香子

脳と腸は脳腸相関を通じて関連しており、高齢者の認知機能と腸内環境の関連が評価されつつあります。食事とプロバイオティクスは脳の健康を裏で支える補助として取り入れる価値があります。

この記事でわかること

  • 脳腸相関と認知機能の関係
  • 脳の健康をサポートする生活習慣・食事の考え方
  • プロバイオティクスを補助として取り入れる根拠

脳と腸の思わぬつながり

脳と腸は迷走神経・ホルモン・免疫を介して互いに信号を送り合っています。高齢者における認知機能の低下や認知フレイルと腸内フローラの関連について、動物モデルや人における観察研究から示唆が蓄積しており、腸内細菌が慢性炎症や脳の代謝に関与しうることが議論されています[Clin Interv Aging. 2018, 13, 1497-511.]。ただし、人での介入試験データはまだ限定的で、認知機能の低下予防を謳う明確な臨床推奨には至っていないとされます。

まず取り組む:脳の健康を支える生活習慣

認知機能の維持に関しては、適度な有酸素運動、質のよい睡眠、社会的交流、生活習慣病高血圧糖尿病・脂質異常等)の管理が重要とされています。食事面では、野菜・魚・豆類・全粒穀物を中心としたバランスのよい食事(地中海食・和食など)が、認知機能の維持につながる可能性が示されています。

食生活の補助として:プロバイオティクスと脳の健康

高齢者を対象としたプロバイオティクス介入試験や認知機能に関するレビューでは、一部の菌株による認知機能スコアへの好影響が示唆されており、他の生活習慣要因と並んで補助的に検討される位置づけにあるとされています[Nutrients. 2021, 13, 2514.]。ただし、菌株・量・期間による効果の差が大きく、効果の大きさにも個人差があります。プロバイオティクスは認知症予防薬ではなく、あくまで食生活をサポートする補助として位置づけることが大切です。

脳の健康のために腸内環境を整えるうえで検討が推奨される点

特に重要とされるのは、「運動・睡眠・生活習慣病管理を基本としたうえで、バランスのよい食事とプロバイオティクスを補助として加える」ことが認知機能維持へのアプローチとして考えられています。

脳の健康と腸内環境を整える生活習慣について、3つのコツと理由をまとめた表です。1つ目は「運動・睡眠・社会的活動」で、適度な有酸素運動と質の良い睡眠を保つことです。理由は「認知機能維持の基盤として脳の健康を支えるとされている」ためです。2つ目は「バランスのよい食事」で、野菜・魚・豆類・全粒穀物を中心に摂ることです。理由は「認知機能の維持に関連しうる食パターンとして評価されている」からです。3つ目は「プロバイオティクスを加える」で、ヨーグルト・乳酸菌飲料を毎日の食事に加えることです。理由は「脳腸相関を通じて認知機能に関与しうる可能性が議論されている」ためです。

ここだけは伝えたいメッセージ

記憶力の低下が気になり始めた段階では、脳の健康を支える生活習慣を見直すことが今後の認知機能維持につながる可能性があります。腸内環境と認知機能の関連は評価途中ですが、食物繊維とプロバイオティクスは補助として取り入れやすい選択肢です。記憶力の低下が生活に支障をきたしている、もの忘れが急に進んでいる場合は、神経内科への受診をご検討ください。

まとめ:脳の健康にも腸内環境の視点を

  • 脳と腸は脳腸相関を通じて関連する
  • 高齢者の認知機能と腸内フローラの関係が評価されつつある
  • 脳の健康保持には運動・睡眠・生活習慣病管理が基本
  • 食物繊維とプロバイオティクスは補助として認知機能サポートに関連しうる
  • 記憶力低下が急速・生活に支障がある場合は神経内科への受診をご検討を

FAQ

Q. 認知症予防に効くサプリや食品はありますか?

現時点で、認知症を確実に予防できると証明されたサプリや食品はありません。プロバイオティクスと認知機能の関連はレビューで示唆されていますが[Nutrients. 2021, 13, 2514.]、効果には個人差があり、生活習慣全体の見直しと並行して補助として取り入れることが推奨されています。

Q. 記憶力低下と「もの忘れ」はどう違いますか?

加齢による軽微な「もの忘れ」と、生活に支障をきたす「認知機能低下」は区別される必要があります。脳腸相関と認知機能の関連を論じたレビューでも、認知フレイル・認知症の診断・管理は医療機関が担当するものとされています[Clin Interv Aging. 2018, 13, 1497-511.]。気になる場合は神経内科への受診をご検討ください。

編集・監修基準について

本記事は情報の正確性を担保するため、以下のフローを経て作成・公開されています。

  1. 企画・執筆
  2. 医師監修
  3. 編集レビュー
  4. 公開
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