

監修者平塚市民病院 皮膚科
飲む日焼け止めには紫外線防御を補助する成分が含まれますが、塗る日焼け止めの代わりにはなりません。
食事や市販のケアで届かないと感じたときは、医師に相談して処方を受けるという選択肢もあります。
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飲む日焼け止めとは|主な成分と期待される作用
飲む日焼け止めは、経口摂取によって体の内側から紫外線による肌のダメージを軽減することを目指したサプリメントです。代表的な成分として、アスタキサンチン、ニュートロックスサン(ローズマリーとグレープフルーツの抽出物)、ファーンブロック(シダ植物由来の抽出物)が知られています。
これらの成分は主に抗酸化作用を通じて、紫外線が肌に与える酸化ストレスを軽減する働きが期待されています。ただし、塗る日焼け止めのように紫外線を物理的に遮断するものではありません。あくまで体の内部から肌の防御力を補助するものと位置づけられています[Front Med. 2018;5:188.]。
飲む日焼け止めの成分別エビデンス|アスタキサンチン・ニュートロックスサン・ファーンブロック
アスタキサンチンについては、1日4mgを10週間摂取した研究が行われています。この研究では、MED(最小紅斑量=肌が赤くなり始める紫外線の量)が上昇しました。また、紫外線を浴びた部分の水分喪失が抑えられたことも報告されています[Nutrients. 2018;10(7):817.]。この結果は、アスタキサンチンの経口摂取が紫外線に対する肌の耐性を高める可能性を示しています。
ニュートロックスサンについては、1日250mgを約2ヶ月間摂取した研究があります。この研究では、MEDが26.9%上昇しました。さらに、紫外線による肌の脂質の酸化が減少したことも確認されています[Food Nutr Res. 2016;60:31871.]。こうした知見から、ニュートロックスサンの継続摂取は紫外線防御の補助的な手段となる可能性が考えられます。
ファーンブロック(ポリポディウム・ロイコトモス抽出物)については、光に対して皮膚に症状が出やすい方57名を対象にした研究が行われています。1日480mgの摂取により、約74%の方に皮膚反応や自覚症状の軽減が認められました[G Ital Dermatol Venereol. 2011;146(2):85-7.]。ファーンブロックは飲む日焼け止め成分の中でも比較的多くの研究が蓄積されている成分です[Front Med. 2018;5:188.]。
飲む日焼け止めの限界|塗る日焼け止めとの違い
飲む日焼け止めには一定のエビデンスがある一方で、重要な限界も指摘されています。多数の研究を体系的にまとめた報告では、ポリフェノールやカロテノイド、ファーンブロックに比較的強いエビデンスがあるとされています。一方、ビタミン単独やコエンザイムQ10のエビデンスは弱いと評価されています。また、全体的に研究の参加人数が少なく、研究期間が短いという課題も挙げられています[J Med Food. 2025;28(6):519-541.]。
さらに、経口摂取による光防御効果を検証した複数の成分をまとめた報告では、飲む日焼け止めは塗る日焼け止めの代わりにはならないと結論づけられています[Front Med. 2018;5:188.]。塗る日焼け止めは紫外線を肌の表面で物理的に遮断します。一方、飲む日焼け止めは体の内側から酸化ストレスを軽減するものであり、両者の役割は異なります。
飲む日焼け止めの選び方|成分量と継続摂取の目安
飲む日焼け止めの成分ごとに、研究で用いられた摂取量や期間は異なります。アスタキサンチンは4mg/日で10週間、ニュートロックスサンは250mg/日で約2ヶ月間、ファーンブロックは480mg/日での摂取が研究で用いられています。製品を選ぶ際は、研究で効果が報告された量を含んでいるかを確認することが大切です。
なお、飲む日焼け止めサプリメントの効果には個人差があります。また、飲む日焼け止めサプリメントは医薬品ではないため、効果を保証するものではありません。紫外線対策の基本は塗る日焼け止めや日傘、帽子などの物理的な遮光です。飲む日焼け止めはあくまでそれらを補助する位置づけとして活用することが推奨されます。
紫外線対策を行ううえで日常生活の工夫として検討が推奨される点

特に重要とされるのは、塗る日焼け止めとの併用と考えられています。飲む日焼け止めはあくまで紫外線対策の補助的な手段であり、塗る日焼け止めや物理的な遮光と組み合わせることが推奨されます。
ここだけは伝えたいメッセージ
飲む日焼け止めの成分には紫外線防御を補助するエビデンスが蓄積されつつあります。日常の紫外線対策に取り入れることで、肌へのダメージを軽減できる可能性があります。
一方で、飲む日焼け止めだけで十分な紫外線防御はできません。塗る日焼け止めや帽子・日傘・長袖の衣類などの物理的な遮光と組み合わせることが大切です。肌の異常や日焼けによる強い症状が続く場合は、医療機関への受診をご検討ください。
まとめ:飲む日焼け止めの効果と使い方のポイント
- 飲む日焼け止めの役割: 体の内側から紫外線による肌のダメージを軽減する補助的なサプリメントであり、塗る日焼け止めの代わりにはならない
- 代表的な成分: アスタキサンチン、ニュートロックスサン、ファーンブロックにはそれぞれ紫外線防御効果のエビデンスが報告されている
- エビデンスの限界: 全体的に研究の参加人数が少なく、研究期間が短いという課題が指摘されている
- 紫外線対策の基本: 塗る日焼け止め・帽子・日傘などの物理的な遮光が基本であり、飲む日焼け止めはそれらを補助する位置づけで活用する
- 製品選びのポイント: 研究で効果が報告された成分量を含む製品を選び、数週間以上の継続摂取が推奨される
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(参考文献)
Ito N, Seki S, Ueda F. The Protective Role of Astaxanthin for UV-Induced Skin Deterioration in Healthy People-A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Trial. Nutrients. 2018;10(7):817.
Nobile V, Michelotti A, Cestone E, et al. Skin photoprotective and antiageing effects of a combination of rosemary (Rosmarinus officinalis) and grapefruit (Citrus paradisi) polyphenols. Food Nutr Res. 2016;60:31871.
Caccialanza M, Recalcati S, Piccinno R. Oral polypodium leucotomos extract photoprotective activity in 57 patients with idiopathic photodermatoses. G Ital Dermatol Venereol. 2011;146(2):85-7.
Parrado C, Philips N, Gilaberte Y, Juarranz A, González S. Oral Photoprotection: Effective Agents and Potential Candidates. Front Med. 2018;5:188.
Natarelli N, Aflatooni S, Stankiewicz K, Correa-Selm L, Sivamani RK. Oral Supplements and Photoprotection: A Systematic Review. J Med Food. 2025;28(6):519-541.
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