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妊活は何から始めればよいですか?食事・生活習慣のポイントを教えてください。
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妊活は何から始めればよいですか?食事・生活習慣のポイントを教えてください。

金沢 誠司監修者

Ubie株式会社 産婦人科

金沢 誠司

妊活は、葉酸の摂取やバランスのよい食事、適正体重・運動、禁煙・節酒といった生活習慣を整えることから始めるとよいと考えられています。

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妊活を始めたら葉酸を意識してとりましょう

妊活で最初に意識したいのが葉酸です。妊娠を希望したら、少なくとも妊娠1か月前から妊娠12週ごろまで、普段の食事に加えて、サプリメントなどから葉酸を1日400 µg(マイクログラム。1 µg は 1 mg の1000分の1)とることがすすめられています。

これは、赤ちゃんの神経管閉鎖障害(しんけいかんへいさしょうがい=脳や脊髄のもとになる部分がうまく作られない状態)が起こるリスクを下げるためです。

大切なのは、始めるタイミングです。脳や脊髄のもとになる神経管は、妊娠のとても早い時期にできあがるため、妊娠がわかってから飲み始めたのでは間に合わないことがあります。「妊活を始めたら」ではなく、妊娠を希望した時点、または妊娠する可能性がある時点からとり始めましょう。

なお、葉酸入りのマルチビタミンでもかまいませんが、効果が期待できるのは、あくまでその中に含まれる葉酸によるものです。マルチビタミンそのものに神経管閉鎖障害を防ぐ力があるわけではありません。

妊娠前からバランスのよい食事を心がけましょう

残念ながら、「これを食べれば妊娠しやすくなる」という確実な食事法は、まだ見つかっていません。

野菜・果物・豆類・全粒穀物(精製していない穀物)・魚などを中心とした地中海食(イタリアやギリシャなどでよく食べられている食事)をしている人で、妊娠しやすい傾向がみられた、という研究はあります。

ただし、これらの多くは、食べたものを本人に思い出して答えてもらう形の調査です。体格や運動、喫煙などほかの条件の影響が混ざってしまうため、「その食事にしたから妊娠した」とまでは言い切れません。

とはいえ、バランスのよい食事は、妊娠前の体づくりとしてすすめられます。

体重と運動は「健康づくり」として整えましょう

体重について

やせすぎでも太りすぎでも、排卵(卵巣から卵子が出ること)や妊娠のしやすさに影響することがあります。太っている人だけの問題ではなく、やせすぎも月経が乱れる原因になります。

ただし、ちょうどよい体重はBMI(身長と体重から計算する体格の目安)の数字だけで決まるものではありません。月経不順、多囊胞性卵巣症候群(卵巣に小さな袋がたくさんでき、排卵が起こりにくくなる病気)、糖尿病高血圧、甲状腺の病気などがある場合は、自分の判断で急に体重を変えようとせず、妊娠前に医師に相談しましょう。

運動について

体を動かすことは、妊娠を希望する時期の健康づくりとして大切です。ただし、どんな種類・どれくらいの量の運動をすれば妊娠しやすくなるのか、はっきりした答えは出ていません。

普段あまり体を動かさない方は、ウォーキングなど無理のない運動から始めましょう。逆に、激しい運動を長時間続けていると、エネルギー不足から月経が止まり、排卵に影響することもあります。月経不順や低体重がある方、ハードな運動を続けている方は、個別に相談してください。

たばこはやめ、お酒は避けましょう

禁煙

喫煙や受動喫煙(周りの人のたばこの煙を吸うこと)は、妊娠しやすさや妊娠の経過に悪い影響を与える可能性があります。妊娠のころの喫煙と、赤ちゃんの先天性心疾患(生まれつきの心臓の病気)との関連を示した報告もあります[Reprod Health. 2014;11(Suppl 3):S6.]。

「控える」ではなく、妊娠を希望した時点で禁煙することをおすすめします。自分だけでやめるのが難しい場合は、パートナーも一緒に禁煙外来などの支援を利用しましょう。

飲酒

妊娠中のお酒に「ここまでなら安全」という量はわかっていません。妊娠を希望している方、妊娠の可能性がある方は、飲酒を避けることをおすすめします。自分の力で減らすのが難しい場合は、早めに医療機関や相談窓口へ相談してください[Reprod Health. 2014;11(Suppl 3):S6.]。

カフェイン

カフェインと妊娠しやすさ・流産との関連を示した観察研究はありますが[Reprod Health. 2014;11(Suppl 3):S6.]、因果関係や「ここから危ない」という明確な境目は確立していません。

妊娠する可能性がある時期からは、コーヒー・お茶・エナジードリンクなどに含まれるカフェインの合計量を確認し、とりすぎないようにしておくと安心です。目安としては、妊娠中に広くすすめられている1日200 mg未満(コーヒーなら1〜2杯程度)が参考になります。

妊活は男女ふたりで取り組みましょう

妊娠前の健康づくりは、女性だけでなくパートナーにとっても大切です。

  • 禁煙する
  • 違法薬物を使わない
  • 持病や飲んでいる薬を確認する
  • 極端な飲酒を避ける
  • 十分な睡眠をとり、健康的な体重を保つ

これらは、これからの妊娠と家族の健康を考えるうえで重要です。ただし、特定の食事やサプリメント、カフェインを減らすことだけで男性の妊娠させる力が改善する、ということは確立していません。基本的な生活習慣を、ふたりで一緒に見直していきましょう。

ここだけは伝えたいメッセージ

妊活は、特別なことばかりではなく、毎日の生活習慣を少しずつ整えていくことから始められます。

なかでも、葉酸を1日400 µgとること・禁煙すること・お酒を避けること・持病や薬を確認することは、根拠がはっきりしていて、今日から始められることです。

一方で、食事や運動は健康づくりとしてとても大切ですが、「この食事にすれば」「この運動をすれば」妊娠しやすくなる、と確実に言えるものではありません。うまくいかないときに自分を責めすぎないでください。

一定期間妊活を続けても妊娠に至らない場合や、月経不順・持病がある場合は、早めに医療機関へ相談することをご検討ください。

まとめ:妊活は妊娠前の健康づくりから

  • 葉酸: 妊娠を希望した時点から妊娠12週まで、1日400 µgをとる
  • 禁煙: 「控える」ではなく、パートナーも一緒にやめる
  • 飲酒: 妊娠の可能性がある時期は避ける
  • 食事: 確実な食事法はないが、バランスのよい食事を心がける
  • 体重・運動: 自己判断で急に変えず、無理のない範囲で。気になることは医療機関へ
  • ふたりで: 持病・薬の確認を含めて、パートナーと一緒に見直す

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(参考文献)

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Nicola Tempest et al. Habitual physical activity levels in women attending the one-stop infertility clinic: a prospective cross-sectional observational study. Reprod Fertil. 2022, 26, 231–237.

Zohra S Lassi et al. Preconception care: caffeine, smoking, alcohol, drugs and other environmental chemical/radiation exposure. Reprod Health. 2014, 11, S6.

L Abadia et al. The association between pre-treatment maternal alcohol and caffeine intake and outcomes of assisted reproduction in a prospectively followed cohort. Hum Reprod. 2017, 32, 1846–1854.

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