

監修者Ubie株式会社 産婦人科
基礎体温は、朝目が覚めたらできるだけすぐ、起き上がる前に婦人体温計で測って、毎日記録します。排卵のあとは体温が少し上がり、グラフが低温期と高温期の2つに分かれて見えることがあります。ただし、基礎体温だけで「排卵した日」や「排卵があったかどうか」を正しく言い当てることはできません。
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基礎体温とは、体がいちばん安静な状態のときの体温のことです。朝、目が覚めて体を動かす前に測ります。
ふだん脇の下(腋窩:えきか)で測る体温では、細かな変化がわかりにくいため、基礎体温では専用の婦人体温計を舌の下(舌の裏側のつけ根)に入れて測ります。
女性の場合、基礎体温は月経の周期に合わせて少しずつ上下します。
排卵(卵巣から卵子が出ること)のあとには、体温がそれまでより少し高い状態に移ることがあります。この小さな変化を読み取るために、毎日続けて記録していくことが役立ちます。
基礎体温の測り方の手順
基礎体温は、朝目が覚めたらできるだけすぐ、体を動かしたり、飲んだり食べたりする前に測ります。起き上がる前に、横になったまま測るのが基本です。
毎日きっちり同じ時刻でなくてもかまいません。「できるだけ同じような条件で測る」ことを心がけると、あとから変化を見返しやすくなります。時間や条件が揃っていないと、体温が上がったり下がったりした理由がわかりにくくなるからです。
婦人体温計は舌の裏側の奥に当て、口を閉じて測定します。口を開けたり口呼吸をしたりすると測定値が安定しにくいため、できるだけ鼻で呼吸しましょう。
測った値は、基礎体温表やアプリに記録します。あわせて、月経のあった日、体調、気になったことも書き留めておきましょう。特に、熱が出た日、寝不足だった日、お酒を飲んだ日、夜勤や旅行があった日はメモしておくと役立ちます。体温はこうしたことでも変わるので、あとで「この日はいつもと違ったんだな」と判断できるからです。
基礎体温グラフの見方(低温期と高温期)
記録を続けると、基礎体温のグラフが低い時期(低温期)と高い時期(高温期)の2つに分かれて見えることがあります。これを二相性(にそうせい)と呼びます。
排卵の後は、プロゲステロン(黄体ホルモン)というホルモンのはたらきで、体温が少し高い状態に移ります。上がり幅には個人差があり、だいたい0.3〜0.7℃くらいのことがあります。
大切なのは、1日ごとの数字を気にしすぎないことです。1日だけ高かった、低かったということには、あまり意味はありません。「数日以上続いて高い状態になっているか」という、大きな流れとして見ていきます。
高温期の長さにも個人差があり、同じ人でも周期によって変わります。
妊娠しなかった場合は、そのあと月経が始まり、体温は低い状態に戻ることが多いです。ただし、月経が始まる前に下がる人も、始まってから下がる人もいます。
なぜ体温が上がるの?(黄体ホルモンのはたらき)
基礎体温が2つに分かれるのは、女性ホルモンのはたらきによるものです。
排卵のあと、卵子が入っていた卵胞(らんぽう)が黄体(おうたい)というものに変わり、黄体ホルモン(プロゲステロン)を出します。この黄体ホルモンには体温を上げるはたらきがあり、これによって高温期がつくられます。
詳しくいうと、黄体ホルモンは脳の視床下部(ししょうかぶ=体温などを調節している場所)にはたらきかけて、体温の設定を少し高めにします。
ただし、基礎体温はホルモンの量を直接測る検査ではありません。体温の数字やグラフの形から、ホルモンがどれくらい出ているか、黄体のはたらきがよいかどうかを判断することはできません。
グラフを見るときの注意点
基礎体温のグラフは、あくまであとから体のリズムを振り返るための目安です。次の3つを覚えておいてください。
① 二相性がはっきりしない周期もある
ホルモンの検査では排卵していても、基礎体温では二相性がはっきり出ないことがあります。グラフが2つに分かれていないからといって、それだけで「排卵していない」とは言えません。
② 排卵日を事前に予測することはできない
体温が上がるのは、多くの場合排卵が起きたあとです。つまりグラフを見て気づいたときには、すでに排卵が終わっていることが多いのです。妊娠を希望していて排卵の時期を知りたい場合は、基礎体温だけに頼らず、月経周期の記録、おりもの(頸管粘液)の変化、尿で調べる排卵検査薬、必要に応じて婦人科の超音波検査などを組み合わせて判断します。
③ グラフだけで自己診断しない
「高温期が短いから体に問題がある」「高温期が長いから妊娠した」といったことを、基礎体温表だけで決めることはできません。
ここだけは伝えたいメッセージ
基礎体温は、特別な準備がなくても毎朝の習慣として続けられる、自分の体のリズムを知る手がかりです。数日だけでは傾向が見えにくいので、あせらず記録を重ねていくと、少しずつ自分のパターンが見えてきます。
一方で、基礎体温はあくまで目安です。グラフの形だけで体の状態を判断することはできません。次のような場合は、自分で判断せず婦人科に相談しましょう。
- 月経が3か月以上来ない
- 月経の周期がとても不規則
- 月経痛が強い、月経以外のときに出血がある
- 妊娠を希望しているのに、なかなか妊娠しない
- 基礎体温を測ること自体がつらい、不安のもとになっている
基礎体温表を持っていくと、これまでの経過を伝える参考になります。ただし、診断が基礎体温だけで行われることはありません。
まとめ:基礎体温の測り方と見方のポイント
- 測るタイミング: 朝目が覚めてすぐ、起き上がる前、飲食の前に測る
- 測り方: 婦人体温計を舌の裏側の奥に当て、口を閉じて測定する
- 記録の仕方: 表やアプリに残し、月経日・体調・いつもと違ったこともメモする
- グラフの見方: 1日ごとの数字ではなく、数日以上続く変化として見る(上がり幅はだいたい0.3〜0.7℃)
- 体温が上がる理由: 排卵後に出る黄体ホルモンが、体温の設定を少し高くするため
- 注意点: 二相性がはっきりしない周期もある。基礎体温だけで排卵日や排卵の有無は決められない
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(参考文献)
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