
監修者精神科・心療内科
寝る1〜2時間前に、40℃前後のぬるめのお湯につかるのが目安です。安全のため、つかる時間は10分までにし、熱いお湯での長湯は控えましょう。
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お風呂は寝る1〜2時間前に入るのが目安
寝る前にお湯で体を温めると、自分で感じる睡眠の質や睡眠効率(布団にいる時間のうち、実際に眠っていた時間の割合)がよくなるという報告があります。寝る1〜2時間前に入れば、10分ほどの入浴でも寝つくまでの時間が短くなったとされています[Sleep Med Rev. 2019;46:124-35.]。複数の研究を統合した分析の結果で、寝る時刻から逆算して入浴する目安になります。
日本の高齢者約1,100人を調べた観察研究もあります。寝る1〜3時間前に入浴した日は、しなかった日より寝つくまでの時間が短い傾向が見られました[J Clin Sleep Med. 2021;17(6):1257-66.]。ただし、入浴が寝つきを早めたとまでは言えません。なお、寝る1時間以内に入浴した日は、入浴しなかった日と寝つくまでの時間にはっきりした差は見られませんでした[同上]。
お湯の温度は40℃前後のぬるめが目安
睡眠への効果が報告された湯温は40〜42.5℃でした[Sleep Med Rev. 2019;46:124-35.]。一方で、高齢者の入浴中の事故を防ぐ目安として、湯温は41℃以下、つかる時間は10分までが呼びかけられています[消費者庁「年末年始に増加する高齢者の事故に注意しましょう!」2022年]。40℃前後のぬるめなら、研究で効果が報告された湯温の下限に近く、安全の目安にも収まると考えられます。
健康な男女23人の小さな実験もあります。寝る1.5〜2時間前に約40℃のお湯に約16分つかった日は、舌の下で測る体温が約0.9℃上がり、シャワーだけの日より寝つくまでの時間が短かったと報告されています[J Physiol Anthropol. 2023;42(1):20.]。一方、約5分の入浴では、寝つくまでの時間にシャワーとの差はみられませんでした[同上]。効果が見られた入浴は安全の目安の10分より長かった点に注意が必要です。入浴設備メーカーの研究者も著者に加わっており、その点も踏まえて読む必要があります。
熱いお湯での長湯がよいとは限らない
日本の高齢者約2,250人を調べた観察研究です。寝る前に湯船につかった人は、睡眠効率が1.3%高く、夜中に目が覚めている時間が3.3分短い傾向がありました[Sleep Health. 2025;11(6):908-15.]。臨床的に意義のある差があるとは言い切れず、入浴が睡眠をよくしたとまでは言えません。
同じ研究では、入浴した人の中で、つかる時間とお湯の温度の組み合わせによって、睡眠効率との関連の大きさが変わる可能性も示されました[同上]。どの組み合わせがよいかまでは、今回確認した範囲ではわかりません。お湯の温度はおなかの皮膚の温度から推しはかったものです。また、この研究は住宅設備などの企業やガス会社系の財団からも助成を受けており、その点も踏まえて読む必要があります。
入浴で眠りがよくなる効果には限界もある
健康な成人を対象に、厳密に計画された研究10本を統合した分析もあります。お湯につかると眠っている時間と睡眠効率はやや増えた一方、寝つくまでの時間や自分で感じる睡眠の質には、はっきりした差が見られませんでした[Int J Biometeorol. 2026;70:227.]。最初に紹介した分析とは結果が一致しておらず、入浴だけでぐっすり眠れるとは言い切れません。
入浴でよく眠るうえで日常生活の工夫として検討が推奨される点

ここだけは伝えたいメッセージ
寝る1〜2時間前に40℃前後のお湯につかることは、今夜からでも試せる習慣のひとつです。ただし、入浴だけで眠りが大きく変わるとは限りません。寝つけない日が長く続き、日中の生活に支障がある場合は、医療機関の受診をご検討ください。
まとめ:寝る1〜2時間前・40℃前後・10分までが目安
- タイミング: 寝る1〜2時間前の入浴で、寝つくまでの時間が短くなったという報告がある
- お湯の温度: 40℃前後のぬるめにし、41℃以下を目安にする
- つかる時間: 安全のため10分までを目安にし、熱いお湯での長湯は控える
- 効果の限界: 研究によって結果が一致しておらず、入浴だけでぐっすり眠れるとは言い切れない
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(参考文献)
Haghayegh S, Khoshnevis S, Smolensky MH, Diller KR, Castriotta RJ. Before-bedtime passive body heating by warm shower or bath to improve sleep: A systematic review and meta-analysis. Sleep Med Rev. 2019;46:124-135.
Chen H, Gao S, Chen W, Gao B. The effect of water immersion thermotherapy on sleep quality: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Int J Biometeorol. 2026;70:227.
Tai Y, Obayashi K, Yamagami Y, Yoshimoto K, Kurumatani N, Nishio K, Saeki K. Hot-water bathing before bedtime and shorter sleep onset latency are accompanied by a higher distal-proximal skin temperature gradient in older adults. J Clin Sleep Med. 2021;17(6):1257-1266.
Tai Y, Obayashi K, Yamagami Y, Saeki K. Association between before-bedtime hot-tub bathing and sleep quality in real-life settings among community-dwelling older adults. Sleep Health. 2025;11(6):908-915.
Maeda T, Koga H, Nonaka T, Higuchi S. Effects of bathing-induced changes in body temperature on sleep. J Physiol Anthropol. 2023;42(1):20.
消費者庁「年末年始に増加する高齢者の事故に注意しましょう!-浴室での溺水事故、餅による窒息事故、掃除中・除雪中の転倒・転落事故等に注意-」https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_067/index.html.(参照 2026-10-22).







