お腹まわりだけ脂肪が落ちないのはなぜですか?部分痩せの真実と実践的な対処法を教えてください。
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お腹まわりだけ脂肪が落ちないのはなぜですか?部分痩せの真実と実践的な対処法を教えてください。

濵﨑 秀崇監修者

はまさき医院 糖尿病・内分泌科

濵﨑 秀崇

部分痩せ(特定の部位だけ脂肪を落とすこと)は従来「不可能」とされてきましたが、最近の研究では限定的な可能性も示唆されています。基本は全身の有酸素運動と食事改善の組み合わせが推奨されます。

部分痩せの真実|「腹筋だけでお腹が凹む」は本当か

「お腹の脂肪を落としたい」と思って腹筋運動を頑張っている方は多いかもしれません。しかし、脂肪の減少は基本的に全身で起こる現象であり、特定の部位の筋トレだけでその部位の脂肪が落ちるという「部分痩せ」は、長年にわたり科学的には難しいとされてきました。

一方で、最近のRCTでは興味深い報告もあります。腹部の有酸素持久運動を行った群はトレッドミル(ランニングマシン)で走った群と比較して、体幹部の脂肪量の減少が大きかった(-697g、-3%)と報告されています[Physiol Rep. 2023;11(22):e15853.]。これは、局所の持久運動がその周辺の脂肪をより多く利用する可能性を示唆していますが、あくまでひとつの研究であり、「腹筋運動だけでお腹が凹む」ということではありません。全身の有酸素運動を基本としたうえで、腹部の運動を追加することで相乗的な効果が期待できるかもしれない、という段階です。

お腹まわりに脂肪がつきやすい理由

お腹まわりに脂肪がつきやすいのには、いくつかの理由があります。まず、お腹の中の臓器まわりにつく内臓脂肪は、過食や運動不足に対して比較的早く蓄積する傾向があります。内臓脂肪はBMIとは独立した代謝リスク因子であり、体重が同じでも内臓脂肪の多い人のほうが代謝症候群のリスクが高いことが報告されています[JACC Cardiovasc Imaging. 2014;7(12):1221-1235.]。

また、ストレスホルモン(コルチゾール)は内臓脂肪の蓄積を促進する方向にはたらくとされています。慢性的なストレスや睡眠不足があると、お腹まわりに脂肪がつきやすくなる可能性があります[Curr Obes Rep. 2018;7(2):193-203.][J Am Coll Cardiol. 2022;79(13):1254-1265.]。また、加齢に伴って筋肉量や身体活動量が低下するとエネルギー消費量が減少し、脂肪が蓄積しやすくなることがあります。加齢に伴うホルモン変化も内臓脂肪増加に関与すると考えられています[J Nutr. 2003;133(7):2356-2362.]。

お腹まわりの脂肪を効果的に減らす方法

お腹まわりの脂肪、とくに内臓脂肪を効果的に減らすには、全身の有酸素運動(ウォーキング・ジョギング・水泳・サイクリングなど)を基本にすることが推奨されます。内臓脂肪は全身運動で優先的にエネルギー源として利用される傾向があるとされているためです。運動強度はややきつい程度(心拍数が最大心拍数の60〜70%程度)を目安に、週150分以上行うことが一般的に推奨されています。

これに加えて、腹筋運動や体幹トレーニングを取り入れることで、姿勢の改善や腹部の引き締め効果が期待できます。見た目の変化は脂肪の減少だけでなく、姿勢の改善によっても実感しやすくなる場合があります。

お腹まわりの脂肪を減らすうえで日常生活の工夫として検討が推奨される点

特に重要とされるのは、腹筋運動だけに頼らず、全身の有酸素運動と食事改善を組み合わせることと考えられています。

ここだけは伝えたいメッセージ

「腹筋をしてもお腹が凹まない」と感じている方は、まず全身の有酸素運動から始めてみてはいかがでしょうか。ウォーキングなど手軽な運動から始めて、そこに腹部のトレーニングを加えるのが効果的なアプローチです。

ウエスト周囲径が男性85cm・女性90cm以上で、血圧・血糖・脂質に異常がある場合は、内臓脂肪型肥満に伴う代謝症候群の可能性があります。このような場合は、医療機関への受診をご検討ください。

まとめ:お腹まわりの脂肪の対処法

  • 部分痩せは従来難しいとされてきた:ただし、最近の研究では、腹部の持久運動が局所の脂肪利用を促す可能性が報告されています
  • 全身運動が基本:有酸素運動を週150分以上行うことで、内臓脂肪が優先的にエネルギーとして使われやすくなるとされています
  • 腹部トレーニングの追加:全身運動に加えて、プランクやクランチなどを行うことで、姿勢改善と腹部の引き締め効果が期待できます
  • ストレスと睡眠の管理:コルチゾールの過剰分泌は内臓脂肪の蓄積を促す可能性があります
  • 受診の目安:ウエスト基準値超+血圧・血糖・脂質の異常がある場合は、医療機関への受診をご検討ください

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