体脂肪率とBMIの違いはなんですか?隠れ肥満を見抜けるのはどちらか教えてください。
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体脂肪率とBMIの違いはなんですか?隠れ肥満を見抜けるのはどちらか教えてください。

井林 雄太監修者

福岡ハートネット病院、井林眼科・内科クリニック 糖尿病・内分泌科 福岡ハートネット病院 糖尿病内科部長

井林 雄太

BMIは身長と体重から計算する指標で、体の脂肪量は反映されません。体脂肪率は体に占める脂肪の割合を示すため、BMIが正常でも脂肪が多い「隠れ肥満」を見つけやすいとされています。

BMIとは|身長と体重だけで算出する体格指数

BMI(Body Mass Index=体格指数)は、体重(kg)を身長(m)の2乗で割って算出する指標です。日本では18.5kg/m²未満が「低体重(やせ)」、18.5〜24.9kg/m²が「普通体重」、25kg/m²以上が「肥満」とされています。BMIは計算が簡単で、健康診断や疫学調査で広く使われています。

しかし、BMIはあくまで身長と体重の関係だけを見る指標であり、その体重が筋肉によるものか脂肪によるものかは区別できません。たとえば、筋肉量が多いアスリートはBMIが高くても体脂肪率は低いことがあります。逆に、運動習慣がなく筋肉量が少ない人はBMIが正常範囲でも体脂肪率が高い場合があります。

体脂肪率とは|体の中の脂肪の割合を示す指標

体脂肪率は、体重に占める脂肪の重さの割合(%)を示す指標です。一般的な目安として、男性では10〜19%、女性では20〜29%が標準的な範囲とされています。男性で25%以上、女性で35%以上の場合は「肥満」に分類されることが多いです。

体脂肪率は市販の体組成計(体重計に乗るだけで測れるタイプ)で手軽に測定できます。ただし、体内の水分量によって測定値が変動するため、毎回同じ条件(時間帯・食事前後・運動前後)で測定することが推奨されます。

隠れ肥満(正常体重肥満)とは|BMIでは見過ごされるリスク

「隠れ肥満」とは、BMIは正常範囲(18.5〜24.9kg/m²)にもかかわらず、体脂肪率が基準値を超えている状態を指します。BMIが正常な967名を対象とした研究では、男性の26%、女性の38%が体脂肪率の基準では「過剰脂肪」に該当したと報告されています。さらに、隠れ肥満に該当する人はLDLコレステロールや総コレステロールが有意に高い傾向がみられました[Front Nutr. 2023;10:1173488.]。

つまり、BMIだけを見て「自分は大丈夫」と安心していると、体脂肪の蓄積による健康リスクを見過ごしてしまう可能性があるということです。特に運動習慣がなく、筋肉量が少ない人はこのリスクが高いと考えられています。

BMIと体脂肪率の関係|両方を把握することが大切

内臓脂肪量とBMIの相関は中程度(R=0.63)であり、BMIだけでは内臓脂肪のリスクを十分に反映できないことが大規模研究で示されています[JACC Cardiovasc Imaging. 2014;7(12):1221-1235.]。健康管理には、BMIと体脂肪率の両方を定期的に把握し、変化の傾向をみることが推奨されます。

体脂肪率・BMIの活用のうえで日常生活の工夫として検討が推奨される点

体脂肪率・BMIを活用する上での日常生活の工夫について、3つのコツとその内容、理由をまとめた表です。1つ目は「体組成計で定期的に体脂肪率を測る」で、週1〜2回、同じ条件(起床後・排尿後・朝食前)で測定することです。理由は「BMIだけでは把握できない体脂肪の変化を追跡できる可能性がある」ためです。2つ目は「BMIと体脂肪率をセットで記録する」で、体重・BMI・体脂肪率の3つを一緒に記録することです。理由は「筋肉量と脂肪量の変化を総合的に把握しやすくなると考えられている」からです。3つ目は「筋力トレーニングを取り入れる」で、週2〜3回、自重トレーニングやジムでの筋トレを行うことです。理由は「筋肉量を増やすことで同じ体重でも体脂肪率が下がり、隠れ肥満の改善につながる可能性がある」ためです。

特に重要とされるのは、BMIだけに頼らず体脂肪率も定期的に確認することと考えられています。

ここだけは伝えたいメッセージ

「BMIが正常だから安心」と思っている方こそ、一度体脂肪率を測ってみることをおすすめします。自分の体の状態を正しく知ることが、健康管理の第一歩です。

健康診断でBMIが正常範囲でも、血圧・血糖値・脂質のいずれかで指摘を受けた場合や、運動不足を自覚している場合は、隠れ肥満の可能性があります。気になる場合は、医療機関への受診をご検討ください。

まとめ:体脂肪率とBMIの違いと活用のポイント

  • BMI: 身長と体重から算出。簡便だが筋肉と脂肪を区別できず、隠れ肥満を見過ごす可能性があります
  • 体脂肪率: 体に占める脂肪の割合。男性25%以上・女性35%以上で肥満とされることが多いです
  • 隠れ肥満の割合: BMI正常者の中でも男性約26%・女性約38%が体脂肪率では過剰脂肪に該当するという報告があります
  • 両方の活用が大切: BMIと体脂肪率をセットで定期的に確認することで、健康リスクをより正確に把握できる可能性があります
  • 受診の目安: BMI正常でも血圧・血糖・脂質の異常がある場合は、医療機関への受診をご検討ください

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(参考文献)

Lahav Y, Kfir A, Gepner Y. The paradox of obesity with normal weight; a cross-sectional study. Front Nutr. 2023;10:1173488.
Shah RV, Murthy VL, Abbasi SA, et al. Visceral Adiposity and the Risk of Metabolic Syndrome Across Body Mass Index: The MESA Study. JACC Cardiovasc Imaging. 2014;7(12):1221-1235.

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