
監修者精神科・心療内科
朝型・夜型は遺伝や年齢で変わる体質差で、優劣はありません。自分の型に合った生活リズムが大切です。
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朝型・夜型(クロノタイプ)ってなに?
私たちの体には、約24時間の周期でリズムを刻む「体内時計」が備わっています。1日のどの時間帯に活動しやすいかという傾向は「クロノタイプ」と呼ばれ、朝型・夜型・中間型の3タイプに分けられます。体内時計は、睡眠や目覚めのタイミングだけでなく、体温やホルモンの分泌、集中力や体の動かしやすさにも関わると報告されています[Biomolecules. 2021;11(4):487.]。
朝型・夜型の違いには遺伝も関係している
朝型か夜型かは、本人の心がけだけで決まりません。約69万8000人を対象にした遺伝子の大規模な研究では、朝型に関連する遺伝子が多数見つかりました。朝型の遺伝的な特徴を特に多く持つ上位5%の人は、特に少ない下位5%の人より睡眠のタイミングが早く、その差は平均約25分でした。また、朝型は心の健康のよさにつながる可能性が示された一方、朝型・夜型そのものが体重や2型糖尿病のリスクを左右するとまでは言えないとも報告されています[Nat Commun. 2019;10:343.]。
クロノタイプは年齢や性別によっても変わる
クロノタイプは一生同じではなく、年齢とともに移り変わります。アメリカの大規模な調査では、最も夜型に傾くのは思春期で、ピークは女性で18歳前後、男性で19歳前後でした。その後は加齢とともに朝型へ近づきます。また、40歳より前は男性のほうが夜型の傾向が強く、40歳を過ぎると男性のほうが朝型に転じることも示されています[PLoS One. 2017;12(6):e0178782.]。今が夜型でも、ずっと続くとは限りません。
朝型が全員に合うわけではない理由「ソーシャルジェットラグ」
では、なぜ「早起きがよい」と言われる一方で早起きが負担になる人がいるのでしょうか。原因は夜型であることだけではなく、自分の体内時計と学校や仕事などの社会生活の時間帯がずれることだと考えられています。このズレを「ソーシャルジェットラグ」と呼びます。平日に睡眠不足をため込み、休日に取り戻すパターンは、特に夜型の人に強く見られます。シフト勤務や夜間のスマートフォンなどのデバイス利用が助長してしまうこともあります。クロノタイプと心身の調子との関連は25歳までで特に強く、仕事や学校の予定は自分の型に合わせることが望ましいとされています[Chronobiol Int. 2006;23(1-2):497-509.]。
生活リズムのズレは体の状態にも関わる
30〜54歳の日勤で働く健康な人の研究では、睡眠の質などの影響を差し引いても、ソーシャルジェットラグが大きい人ほど善玉コレステロール(HDL)が低く、中性脂肪や空腹時インスリンの値、肥満度が高い傾向にあることが示されました。また、夜型であること自体も善玉コレステロールの低さと関連していました[J Clin Endocrinol Metab. 2015;100(12):4612-20.]。体内時計と社会生活の時間のズレを減らすことは、体調管理の面でも意味を持つ可能性があります。
生活リズムを整えるための工夫

ここだけは伝えたいメッセージ
朝型か夜型かは体質や年齢による自然な違いで、どちらかが優れているものではありません。大切なのは、朝型を目指すことよりも自分のクロノタイプに気づき、社会生活の時間帯とのズレを小さくしていくことです。ただし、生活に支障が出るほど朝起きられない、夜眠れないといった状態が長く続く場合は、体内時計の乱れ以外の要因が関わっている可能性もあります。自己判断で対処せず、医療機関への相談をご検討ください。
まとめ:自分に合う生活リズムを見つけるために
- クロノタイプとは: 体内時計による朝型・夜型・中間型の傾向で、遺伝も関わります。朝型が優れているわけではありません
- 年齢による変化: 思春期に夜型のピークを迎え、その後は朝型へ近づきます
- 本当の問題はズレ: 夜型そのものより、体内時計と社会生活とのズレが負担になります
- 見つけ方の工夫: 平日と休日の起床時間の差を減らし、予定を自分の型に近づけます
- 効果には個人差: 感じ方には個人差があります
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(参考文献)
Montaruli A, Castelli L, Mulè A, et al. Biological Rhythm and Chronotype: New Perspectives in Health. Biomolecules. 2021;11(4):487.
Jones SE, Lane JM, Wood AR, et al. Genome-wide association analyses of chronotype in 697,828 individuals provides insights into circadian rhythms. Nat Commun. 2019;10:343.
Fischer D, Lombardi DA, Marucci-Wellman H, Roenneberg T. Chronotypes in the US - Influence of age and sex. PLoS One. 2017;12(6):e0178782.
Wittmann M, Dinich J, Merrow M, Roenneberg T. Social jetlag: misalignment of biological and social time. Chronobiol Int. 2006;23(1-2):497-509.
Wong PM, Hasler BP, Kamarck TW, Muldoon MF, Manuck SB. Social Jetlag, Chronotype, and Cardiometabolic Risk. J Clin Endocrinol Metab. 2015;100(12):4612-20.







