
監修者精神科・心療内科
小規模な研究では、犬がベッドの上にいると寝室の別の場所より眠りの効率が低い結果でした。ペットの寝床を人のベッドと分け、寝室を暗く静かにするのもひとつの方法です。
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猫や犬と一緒に寝ると、眠りはどう変わる?
パートナーや子ども、ペットと同じベッドで寝ることが睡眠を改善するのか妨げるのかについて、複数の研究をまとめた報告があります(系統的に集めたものではありません)。全体では、本人の主観的な睡眠の質は悪くないことが多い一方、機械で測ると睡眠の指標が悪化しているとされています。ただし、ペットの睡眠を機械を使って測った研究は、犬を対象にした5〜40人の小規模なものだけで、猫を測った研究はありませんでした。主観的な感じ方でも、寝つきが悪いと答えた調査があり、一様ではありません[Sleep Health. 2021;7(3):314-323.]。
犬と同じベッドで寝る女性12人の体の動きを、腕に着ける機械(活動量計)で記録した研究もあります。人と犬の動きが関連しているという結果が出ていますが、その関連が人の睡眠の質や健康にどの程度影響するかは、明らかではありません[Animals (Basel). 2020;10(2):278.]。
アメリカの成人1,591人へのインターネット調査もあります。ここでの「一緒に寝る」は同じ部屋で寝ることで、同じベッドとは限りません。ペットと同じ部屋で寝る人は、そうでない人に比べ、本人が答えた睡眠の質が低く、不眠の程度が強い関連がありました。ただし差は小さく、4つの指標のうち2つで見られただけです。犬と寝る人では関連が見られた一方、猫と寝る人では睡眠の質や不眠との関連は見られず、本人が答えた睡眠効率はむしろよい方向でした[Sci Rep. 2024;14(1):5577.]。あくまで1回の調査で関連を見た観察研究で、睡眠は本人の回答だけで測っています。ペットと同じ部屋で寝ることが睡眠の質と関連する可能性はありますが、ペットと一緒に寝ないようにすすめる根拠にはなりません。
ペットとぐっすり眠るなら、ベッドの上より寝室の中に寝床を
健康な大人40人と飼い犬1匹を7晩測った小規模な調査では、犬がベッドの上にいると、寝室の別の場所にいるときより睡眠効率が低い結果でした。睡眠効率とは、寝床にいた時間のうち眠っていた割合です。犬のいない人とは比べていません[Mayo Clin Proc. 2017;92(9):1368-1372.]。
このことから、人のベッドとは分けて、寝室の中にペット用の寝床を用意するのもひとつの方法と考えられますが、因果関係や猫に当てはまるかはわかっていません。
衛生面も判断材料になります。健康なペットならまれですが、同じ寝床で寝る、なめられるといった近い接触で、動物から人に感染症がうつった報告があります。なめられたところ、特に傷口はすぐに洗うことがすすめられています[Emerg Infect Dis. 2011;17(2):167-172.]。一般的な衛生の心がけとして、寝具も清潔に保つとよいでしょう。
ぐっすり眠るための寝室の工夫(明かり・温度・音)
国の睡眠ガイドでは、就寝前や寝室ではスマートフォンなどの強い光を避け、できるだけ暗くすることがすすめられています。暑すぎず寒すぎない温度で、できるだけ静かにすることも挙げられています[厚生労働省. 健康づくりのための睡眠ガイド2023.]。
専門家がまとめた解説では、寝具を使う普段に近い条件で、暑さは夜中に目が覚めることを増やし、深い眠りを減らすとされています。湿度が高いと、暑さの負担はさらに強まると考えられています[J Physiol Anthropol. 2012;31:14.]。どちらもペットのいる寝室を調べたものではありませんが、一般的な寝室の工夫から取り入れてみるとよいでしょう。
ペットと眠るうえで日常生活の工夫として検討が推奨される点
犬を対象にした小規模な報告や国の睡眠ガイドなどから、次のような工夫が考えられます。

ここだけは伝えたいメッセージ
ペットと一緒に眠る時間を大切にしている方も多いと思います。まずは寝床の場所や寝室の環境を見直すことから始めてみてはいかがでしょうか。工夫しても眠れない日が続くときは、医療機関への受診をご検討ください。
まとめ:ペットとぐっすり眠るための工夫
- 研究はまだ少ない: 機械で眠りを測った研究は犬の小規模なものだけ。猫と寝る人では、ひとつの調査で睡眠の質との関連は見られなかった
- 寝床の場所: 人のベッドとは分けて寝室の中に寝床を用意するのもひとつの方法(犬の小規模な調査が根拠)
- 衛生面: なめられたところ、特に傷口はすぐに洗う。寝具を清潔に保つのは一般的な衛生の心がけ
- 寝室の環境: 暗く静かにし、暑すぎず寒すぎない温度に保つ
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(参考文献)
Andre CJ, Lovallo V, Spencer RMC. The effects of bed sharing on sleep: From partners to pets. Sleep Health. 2021;7(3):314-323.
Hoffman CL, Browne M, Smith BP. Human-Animal Co-Sleeping: An Actigraphy-Based Assessment of Dogs' Impacts on Women's Nighttime Movements. Animals (Basel). 2020;10(2):278.
Chin BN, Singh T, Carothers AS. Co-sleeping with pets, stress, and sleep in a nationally-representative sample of United States adults. Sci Rep. 2024;14(1):5577.
Patel SI, Miller BW, Kosiorek HE, Parish JM, Lyng PJ, Krahn LE. The Effect of Dogs on Human Sleep in the Home Sleep Environment. Mayo Clin Proc. 2017;92(9):1368-1372.
Chomel BB, Sun B. Zoonoses in the bedroom. Emerg Infect Dis. 2011;17(2):167-172.
厚生労働省 健康づくりのための睡眠指針の改訂に関する検討会. 健康づくりのための睡眠ガイド2023. 令和6年2月. 「良質な睡眠のための環境づくりについて」(PDF p.25-27). https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf.(参照 2026-10-26).
Okamoto-Mizuno K, Mizuno K. Effects of thermal environment on sleep and circadian rhythm. J Physiol Anthropol. 2012;31:14.







