

監修者福岡ハートネット病院、井林眼科・内科クリニック 糖尿病・内分泌科 福岡ハートネット病院 糖尿病内科部長
糖質制限は、ごはんやパンに多い糖質をゆるやかに普段より抑える食べ方です。短期の体重減少が報告される一方、極端な制限は避け、無理なく続けることが大切と考えられています。
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糖質制限とは?糖質を抑える食べ方の基本
糖質制限とは、ごはんやパン、麺類などに多く含まれる糖質を、ふだんより抑える食べ方のことです。糖質は、炭水化物のうち体内で消化されてエネルギー源になる部分で、主食に多いでんぷんもその一つです(厚生労働省 健康日本21アクション支援システム「炭水化物 / 糖質」)。
炭水化物は、健康な成人では1日の総エネルギー量の50〜65%を目安にとることがすすめられています[厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書. 2024.]。研究で体重への効果が調べられた糖質制限は、糖質をエネルギーの45%以下にした食事で、この目安を下回ります。糖質をとりすぎると、エネルギーとして使われなかった分が中性脂肪として蓄えられ、肥満の原因になることが知られています(厚生労働省 健康日本21アクション支援システム「炭水化物 / 糖質」)。
糖質制限のやり方|主食の量の見直しと食事メニューの工夫
糖質制限の基本は、糖質が多く含まれる主食の量を見直すことです。ごはん・パン・麺類にはでんぷん(糖質)が多く含まれるため、これらの量を調整することが、糖質を抑える食事メニューの中心になります。砂糖入り飲料やお菓子を多くとっている場合は、それらの量を見直すことも大切です。
一方で、糖質をゼロに近づけるような極端なやり方には注意が必要です。主食は極端に抜かず量をゆるやかに抑え、減らした分は野菜やたんぱく質を含むおかずでおぎなうと、食事全体のバランスを保ちやすくなります。
糖質制限で期待できる効果|体重への影響
糖質を抑える食べ方には、体重を減らす効果が報告されています。肥満(BMI30kg/m²超)の方を対象に複数の研究を統合した分析では、糖質をエネルギーの45%以下に抑えた食事は、始めてから3〜4か月および6〜8か月の時点で、比較した食事よりも体重の減少が大きかったことが示されています[Diabetes Obes Metab. 2022;24(8):1458-1468.]。
糖質制限の注意点|極端な制限を避ける
まず、体重を減らす効果は長く続くとは限りません。先ほどの分析では、糖質を抑えた食事による体重減少は、始めてから10か月以降になると比較した食事との差がみられなくなったと報告されています[Diabetes Obes Metab. 2022;24(8):1458-1468.]。この結果は、短期間で結果を求めるよりも、無理なく続けられる方法を選ぶことの大切さを示していると考えられます。
また、糖質は体の大切なエネルギー源です。糖質が不足すると、エネルギー不足による疲労感や集中力の低下がみられることがあります(厚生労働省 健康日本21アクション支援システム「炭水化物 / 糖質」)。こうしたことから、糖質制限は糖質を完全に断つのではなく、体調をみながらゆるやかに進めることが大切と考えられます。
糖質制限を進めるうえで日常生活の工夫として検討が推奨される点
【コツ/内容/理由】
・主食の量を見直す/ごはん・パン・麺類などの量を調整する/これらにでんぷん(糖質)が多く含まれるため
・極端にゼロにしない/炭水化物は総エネルギーの50〜65%が目安とされる点をふまえ、ゆるやかに抑える/糖質が不足すると疲労感や集中力の低下がみられることがあるため
・無理なく続ける/短期間で結果を求めず、続けられる範囲にする/長期では体重減少の差がみられなくなると報告されているため
ここだけは伝えたいメッセージ
糖質制限は、主食の量をゆるやかに見直すことから始められる食べ方です。糖質を完全に断たず、体調に合わせて続けられる範囲で取り入れることが大切です。
一方で、糖質制限による体重減少の効果は、長期ではほかの食事療法との差がみられにくくなることも報告されています。目安を下回るほど糖質を減らす場合や、持病がある方、体調に不安がある場合は、自己判断で始める前に、医師や管理栄養士など専門家への相談をご検討ください。
まとめ:糖質制限を無理なく取り入れるために
- 糖質制限とは: ごはん・パン・麺類などに多い糖質を、ふだんより抑える食べ方です。
- やり方: 主食の量を見直すのが基本で、極端に抜かずゆるやかに抑えます。
- 期待できる効果: 肥満の方を対象にした研究で、糖質をエネルギーの45%以下に抑えた食事は、始めてから数か月の時点での体重減少が報告されています。
- 注意点: 体重減少の効果は長期では差がみられにくく、糖質の不足は疲労感や集中力の低下につながることがあります。極端な制限は避けましょう
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(参考文献)
厚生労働省 健康日本21アクション支援システム「炭水化物 / 糖質」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/food/ye-018.html 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書. 2024. Silverii GA, Cosentino C, Santagiuliana F, Rotella F, Benvenuti F, Mannucci E, Cresci B. Effectiveness of low-carbohydrate diets for long-term weight loss in obese individuals: A meta-analysis of randomized controlled trials. Diabetes Obes Metab. 2022;24(8):1458-1468.







