

監修者福岡ハートネット病院、井林眼科・内科クリニック 糖尿病・内分泌科 福岡ハートネット病院 糖尿病内科部長
健康な成人では、1日の総エネルギー量に占める割合として、たんぱく質13〜20%(50〜64歳は14〜20%、65歳以上は15〜20%)、脂質20〜30%、炭水化物50〜65%が目安とされています[厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書. 2024.]。
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PFCバランスの目安は?(成人のたんぱく質・脂質・炭水化物の割合)
PFCバランスとは、食事から得るエネルギーのうち、たんぱく質(P)・脂質(F)・炭水化物(C)がそれぞれどのくらいの割合を占めるかを示す考え方です。
健康な成人では、1日の総エネルギー量に占める割合として、たんぱく質13〜20%(50〜64歳は14〜20%、65歳以上は15〜20%)、脂質20〜30%、炭水化物50〜65%が目安とされています[厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書. 2024.]。
飽和脂肪酸(動物性の脂などに多く含まれる脂肪)は、1日の総エネルギー量の7%以下が目安とされています[厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書. 2024.]。この目安は、生活習慣病の予防を目的として、複数の栄養素を組み合わせた指標として示されています。
PFCバランスの計算方法は?(割合からグラムへの換算)
割合の目安がわかったら、実際に何グラムとればよいかを計算できます。エネルギー量は、たんぱく質と炭水化物が1グラムあたり約4kcal、脂質が1グラムあたり約9kcalとして計算されます[厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書. 2024.]。
例えば1日2000kcalの場合、たんぱく質を15%にすると2000×0.15÷4で約75グラムになります。同じように脂質を25%にすると約56グラム、炭水化物を60%にすると約300グラムが目安です。まず1日の総エネルギー量を決め、そこに割合をかけてグラムに直すと計算しやすくなります。
たんぱく質は「幅」で考える
たんぱく質の目安が幅(範囲)で示されているのには理由があります。健康な成人に最低限必要な量は体重1kgあたり1日0.8グラムとされますが、これはあくまで最低ラインです。米国では、健康な成人のほとんどが必要量を満たすための「推奨量」として、体重1kgあたり1日0.8グラムが示されています。ただし、これは一人ひとりの必要量の下限を示す数値ではありません。
実際の目標としては、米国の基準にある総エネルギーの10〜35%という幅を使う考え方が提案されています[Adv Nutr. 2017;8(2):266-275.]。この考え方は、たんぱく質をひとつの決まった量ではなく一定の幅の中でとらえるものです。日本の13〜20%という目安も、この幅の中に収まっています。
炭水化物は極端を避けて中庸の範囲に
炭水化物は、減らしすぎても増やしすぎても健康によくない可能性があります。米国の大規模な追跡調査と、複数の研究を統合した分析では、炭水化物のエネルギー割合と死亡リスクがU字型の関係を示したと報告されています。40%未満の低摂取と70%を超える高摂取の両方でリスクが高まり、50〜55%あたりでリスクが最も低かったとされています[Lancet Public Health. 2018;3(9):e419-e428.]。観察研究のため因果関係までは示せませんが、炭水化物を極端に減らしたり増やしたりしないという考え方と合う結果です。
PFCバランスを整えるうえで日常生活の工夫として検討が推奨される点

ここだけは伝えたいメッセージ
PFCバランスは、割合の目安を知り、1日の総エネルギー量から計算していくことで、無理なく食事を見直す手がかりになります。まずは、おおよその割合を意識するだけでも、栄養の偏りに気づきやすくなります。なお、必要なエネルギー量や栄養の配分には、年齢・体格・活動量などによる個人差があります。持病があって食事の管理が必要な場合や、体調に不安がある場合は、自己判断で極端な食事に切り替えず、医師や管理栄養士への相談をご検討ください。
まとめ:PFCバランスの目安と計算のポイント
- 目安の割合: 健康な成人では、総エネルギー量に占める割合としてたんぱく質13〜20%(50〜64歳は14〜20%、65歳以上は15〜20%)、脂質20〜30%、炭水化物50〜65%が目安とされています
- 飽和脂肪酸: 飽和脂肪酸は総エネルギー量の7%以下が目安とされています
- 計算の手順: まず1日の総エネルギー量を決め、割合をかけてグラムに換算します(たんぱく質・炭水化物は1グラムあたり約4kcal、脂質は約9kcalで計算)
- たんぱく質:ひとつの決まった量ではなく、一定の幅の中でとらえる考え方が示されています
- 炭水化物: 減らしすぎ・増やしすぎの両方でリスクが上がる可能性があり、中庸の範囲が目安とされています。健康な成人では50〜65%が目安です
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(参考文献)
厚生労働省.“「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書”.https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html.(参照 2026-10-22).
Wolfe RR, et al. Optimizing Protein Intake in Adults: Interpretation and Application of the Recommended Dietary Allowance Compared with the Acceptable Macronutrient Distribution Range. Adv Nutr. 2017;8(2):266-275.
Seidelmann SB, et al. Dietary carbohydrate intake and mortality: a prospective cohort study and meta-analysis. Lancet Public Health. 2018;3(9):e419-e428.







