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夏が近づいても疲れが抜けません。慢性疲労と栄養不足の関係を教えてください。
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夏が近づいても疲れが抜けません。慢性疲労と栄養不足の関係を教えてください。

田中 幸介監修者

京都大学大学院医学研究科 総合内科

田中 幸介

夏の疲れが抜けない場合、暑さや水分不足による体の消耗・睡眠不足・腸内環境の乱れなどが始まりの一因と考えられています。ビタミン・ミネラルと慢性疲労の関係については研究が続いていますが、現時点ではサプリの有効性を支持するエビデンスは限定的とされています。

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ビタミン・ミネラル不足と慢性疲労の関係|サプリの有効性は限定的

慢性疲労症候群(慢性的な疲労が続く状態)および線維筋痛症の患者さんを対象にした系統的レビュー・メタ分析では、ビタミン・ミネラルの不足が症状に関与するという仮説を支持するエビデンスは限定的であり、サプリメントを支持する証拠も不十分とされています[PLoS One. 2017;12(4):e0176631.]。

ビタミンB1の役割|夏は消耗が増えやすい

ビタミンB1(チアミン)は糖質をエネルギーに変換する不可欠な補酵素であり、神経系・心臓・筋肉の適切な機能に不可欠とされています[Heliyon. 2023;9(11):e21839.]。夏は汗やストレスでB1が消費されやすく、食欲不振で米やパンなどの糖質を十分に摂取できない場合に不足しやすいとされています。

夏の慢性疲労に対処するうえで日常生活の工夫として検討が推奨される点

▶特に重要とされるのは「慢性疲労の診断を自分で下さず、持続する場合は専門家に相談する」ことが大切と考えられています。「栄養不足かも」と思ってサプリをとりあえず摂取する前に、まず生活習慣一般を見直すことが大切です。

夏の慢性疲労対処について3つのコツと理由をまとめた表です。1つ目は「糖質と一緒にビタミンB1を摂取する」で、米・麺・豆・豚肉を使った料理や納豆などを意識することです。理由はB1は糖質をエネルギーに変換する不可欠な補酵素であり、エネルギー不足に関係する可能性があるためです。2つ目は「十分な睡眠を確保する」で、熱帯夜はエアコンの温度管理をできるだけ工夫することです。理由は睡眠不足は疲労回復を妨げる主な要因の一つだからです。3つ目は「腸内環境を整える」で、発酵食品・食物繊維を日常的に取り入れることです。理由は腸内環境の安定が免疫・体調全般の回復をサポートする可能性があるためです。

ここだけは伝えたいメッセージ

「疲れているのに無理をしている」ことに気づくこと自体が大切です。疲れは「休んで」という体のサインであり、栄養と睡眠を後回しにせず、少しずつ整えていくことが回復の近道です。

1か月以上疲労感が続く場合や、日常生活に支障がある場合は内科への受診をご検討ください。

まとめ:夏の疲れが抜けない理由

  • 夏の疲れ: 猛暑・睡眠不足・食欲不振・腸内環境の乱れといった要因が積み重なりやすい
  • 栄養と疲労: ビタミン・ミネラル不足と慢性疲労の関係は研究中で、サプリの有効性は現時点で限定的
  • B1の役割: ビタミンB1は糖質エネルギー変換に必須。夏は汗やストレスで消費されやすい
  • 最優先すること: 睡眠・安静・消化のよい腸に優しい食事を基本に、サプリは補助的に活用

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(参考文献)

Joustra ML, Minovic I, Janssens KA, et al. Vitamin and mineral status in chronic fatigue syndrome and fibromyalgia syndrome: A systematic review and meta-analysis. PLoS One. 2017;12(4):e0176631.
Bozic I, Lavrnja I. Thiamine and benfotiamine: Focus on their therapeutic potential. Heliyon. 2023;9(11):e21839.

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