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ビニール肌になるのはなぜですか?
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ビニール肌になるのはなぜですか?

髙岡 真梨子監修者

平塚市民病院 皮膚科

髙岡 真梨子

ゴシゴシ洗顔の摩擦や角質ケアのしすぎで肌のバリア機能が乱れることが、ビニール肌の一因と考えられています。

食事や市販のケアで届かないと感じたときは、医師に相談して処方を受けるという選択肢もあります。

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そもそも「ビニール肌」とは?角質層のバリア機能から考える

肌の表面には角質層と呼ばれる薄い層があります。この角質層は体の外と内を隔てるバリアとして働き、水分の蒸発を防いだり、外部からの刺激を防いだりする役割を担っています[J Drugs Dermatol. 2016;15(9):1047-1051.]。ビニール肌とは、この角質層のバリア機能がうまく働かなくなり、肌の表面がつっぱったように光って見える状態を指す俗称です。市販の保湿剤には、こうした角質層の乱れを補い、バリア機能の回復を助ける役割が期待されると、専門家による総説で説明されています。

ゴシゴシ洗顔・強い摩擦を伴う洗浄がビニール肌を招く仕組み

6人を対象にした小規模な試験があります。片方の腕をナイロンタオルと石けんで1日2回・2週間洗い続け、石けんだけで洗った反対側の腕と比べたところ、肌からの水分蒸発量が目立って増えました。あわせて、天然保湿因子(てんねんほしついんし=肌の水分を抱え込む成分)やセリン、乳酸の減少も報告されています[Int J Dermatol. 2018;57(3):299-305.]。腕での試験ではありますが、強い摩擦を伴う洗浄が肌のバリア機能を乱す一因になり得ることを示す結果です。摩擦で保湿成分が失われると表面が乾燥してつっぱりやすくなり、ビニール肌特有のかたい質感につながる可能性があります。

ピーリング・スクラブ洗顔など「角質ケアのしすぎ」も原因のひとつ

9人を対象に、テープを繰り返し貼ってはがして角質層を少しずつ取り除く実験が行われました。取り除いた角質の量に応じて、肌のキメを示す指標(肌表面の細かい線の長さやきめの粗さ)が比例して変化することが確認されています[Arch Dermatol Res. 2008;300(5):243-251.]。角質層の厚みと肌表面の状態が連動していることを示す結果です。なお、この実験で調べられたのはテープによる除去であり、ピーリングやスクラブ洗顔そのものを試したわけではありません。角質ケアには古い角質を取り除き、肌を整える働きが期待されますが、やりすぎると角質層が必要以上に薄くなる可能性があるため、頻度や強さは控えめにするのが目安です。

保湿によるバリア機能のサポートがセルフケアの基本

肌のバリアは、刺激を物理的に防ぐはたらき、pHなどの環境を保つはたらき、常在菌のバランスを保つはたらき、免疫に関わるはたらきという4つの側面から成り立っています。保湿剤はそれぞれに働きかけることで、肌本来のバランスや回復を助けるとされています[Skin Pharmacol Physiol. 2023;36(4):174-185.]。同じ総説では、アルカリ性の洗浄料による洗いすぎが肌のpHや保湿成分に影響し、バリア機能を下げうることも指摘されています。洗ったあとに必要な潤いを補うことは、基本的な対策のひとつといえます。

ビニール肌のケアで日常生活の工夫として検討が推奨される点

ビニール肌のケアのうえで日常生活の工夫として検討したい3つのコツと理由をまとめた表です。 1つ目は「洗顔は摩擦を抑えて優しく行う」で、ゴシゴシこすらず、泡や指の腹で包み込むように洗うことです。理由は、強い摩擦は肌の水分蒸発を増やし、保湿成分を減らす可能性があると考えられているためです。 2つ目は「角質ケアの頻度・強さを見直す」で、ピーリングやスクラブ洗顔は毎日ではなく頻度を控えめにすることです。理由は、角質を取り除きすぎると角質層が薄くなる可能性があると考えられているためです。 3つ目は「洗浄後の保湿を欠かさない」で、洗顔や角質ケアの後は保湿剤で潤いを補うことです。理由は、保湿剤はバリア機能の回復を助ける役割を担うと考えられているためです。

ここだけは伝えたいメッセージ

洗顔や角質ケアのやり方を少し見直すだけでも、肌のバリア機能を労わるセルフケアにつながります。ただし、肌の状態が長く続く場合や、市販の保湿剤を使っても改善が感じられない場合は、自己判断でケアを続けないことが大切です。皮膚科などの医療機関への相談をご検討ください。

まとめ:ビニール肌になる理由とセルフケアのポイント

  • 主な原因: 強い摩擦を伴う洗顔や、ピーリング・スクラブによる角質ケアのしすぎが、肌のバリア機能を乱す一因と考えられています
  • 摩擦の影響: 強い摩擦を伴う洗浄は肌の水分蒸発を増やし、天然保湿因子などの保湿成分を減らす可能性があります
  • 角質ケアの影響: 角質を取り除きすぎると、角質層が薄くなり、肌表面の状態が乱れやすくなる可能性があります
  • セルフケアの基本: 洗顔や角質ケアの後に保湿剤で潤いを補い、バリア機能の回復をサポートすることが大切です
  • 注意点: 保湿剤は医薬品ではないため効果を保証するものではなく、効果には個人差があります

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(参考文献)

Wong LS, Otsuka A, Tanizaki H, Nonomura Y, Nakashima C, Yamamoto Y, Yen YT, Rerknimitr P, Honda T, Kabashima K. Decrease of superficial serine and lactate in the stratum corneum due to repetitive frictional trauma. Int J Dermatol. 2018;57(3):299-305.
Atrux-Tallau N, Huynh NT, Gardette L, Pailler-Mattéi C, Zahouani H, Viviant E, Hirsch H, Haftek M, Falson F, Pirot F. Effects of physical and chemical treatments upon biophysical properties and micro-relief of human skin. Arch Dermatol Res. 2008;300(5):243-251.
Lee T, Friedman A. Skin Barrier Health: Regulation and Repair of the Stratum Corneum and the Role of Over-the-Counter Skin Care. J Drugs Dermatol. 2016;15(9):1047-1051.
Rajkumar J, Chandan N, Lio P, Shi V. The Skin Barrier and Moisturization: Function, Disruption, and Mechanisms of Repair. Skin Pharmacol Physiol. 2023;36(4):174-185.

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