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ナイトランのメリットと安全対策|暑い夏の新習慣
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ナイトランのメリットと安全対策|暑い夏の新習慣

濵﨑 秀崇監修者

はまさき医院 糖尿病・内分泌科

濵﨑 秀崇

夜間のランニングは暑さを避けつつ健康効果が期待でき、安全対策を講じれば夏の運動習慣として取り入れやすい方法です。

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ナイトランとは|暑い夏に夜走るメリット

夏の日中は気温が高く、屋外で運動すると体温が過度に上昇し、発汗による水分の喪失が大きくなることが報告されています[Physiol Rev. 2021;101(4):1873-1979.]。気温が下がる夜間にランニングを行うことで、こうした暑熱ストレスを軽減できると考えられています。

夜間のランニングを習慣的に行うことで、血圧の低下、睡眠の質の向上、不安感の軽減といった健康上の効果が報告されています[Front Public Health. 2025;13:1559048.]。日中の暑さで運動を控えがちな夏でも、夜間であればこうした健康効果を得やすいと考えられます。

ナイトランと睡眠の関係|夜の運動は眠りを妨げない

「夜に運動すると眠れなくなるのでは?」と心配する方もいるかもしれません。しかし、複数の研究を統合した分析では、夜の運動は睡眠に悪影響を与えず、むしろ深い睡眠(徐波睡眠=脳と体をしっかり休める段階の眠り)が増加することが示されています。特にランニングは、自転車こぎなどと比較して夜中に目が覚める回数が少なかったという結果も得られています。ただし、就寝の1時間前に終わるような激しい運動は、寝つきや総睡眠時間に一時的な影響を及ぼす可能性があるため、余裕をもって走り終えることが望ましいとされています[Sports Med. 2019;49(2):269-287.]。

また、持久系のランナーを対象とした研究では、就寝の約3.5時間前にインターバルランニング(速いペースとゆっくりのペースを交互に繰り返す走り方)を高い強度で行っても、睡眠の質は維持されたと報告されています。むしろ総睡眠時間が増加し、夜中に目が覚める時間が減少したという結果が得られています[Eur J Appl Physiol. 2020;120(2):359-368.]。この知見は、ナイトランではしっかり走っても睡眠への悪影響は少ないことを裏付けるものと考えられます。

ナイトランの安全対策|反射材と視認性の工夫

夜間のランニングでは、暗さによる視認性の低さが安全上の大きな課題です。照明が不十分な場所ではドライバーからランナーが見えにくく、交通事故のリスクが高まることが指摘されています[Front Public Health. 2025;13:1559048.]。安全にナイトランを楽しむためには、反射材を身につけることが重要です。

夜間の歩行者の視認性に関する研究では、反射材を手首と足首に装着する方法が、ドライバーから認識される距離を最も大きく伸ばすことが明らかになっています。一方で、反射材付きのベストを着用しただけでは、反射材なしの黒い服と比べて視認性にほとんど差がなかったとも報告されています。これは、腕や脚の振りによって反射材が動くことで、ドライバーが「人がいる」と認識しやすくなるためと考えられています[Perception. 2008;37(8):1276-84.]。

ナイトランでは反射ベストだけでなく、手首や足首にも反射バンドを装着し、明るい色のウェアを選ぶことが安全性を高めるうえで有効です。

ナイトランの水分補給|夜間でも脱水対策は必要

夜間は日中より気温が低いとはいえ、夏場は夜でも高温多湿であることが多く、ランニング中の発汗量は決して少なくありません。暑熱環境下での運動では、体温の上昇と大量の発汗により、脱水やナトリウム(塩分)のバランス異常が起こる可能性が指摘されています[Physiol Rev. 2021;101(4):1873-1979.]。このことから、気温が低い夜間に走る場合でも、適切な水分補給が欠かせないと考えられます。

走る前にコップ1〜2杯の水を飲んでおくこと、30分以上走る場合は途中でも水分をとること、走ったあとは失った水分を補うことを心がけましょう。汗をたくさんかいた場合は、水だけでなく塩分も一緒にとることが望ましいとされています。

ナイトランを安全に楽しむうえで日常生活の工夫として検討が推奨される点

ナイトランを安全に楽しむために日常生活で検討したい3つのコツと理由をまとめた表です。 1つ目は「反射材は手首・足首に装着する」で、反射ベストだけでなく、腕や脚の動きが光る位置に反射バンドをつけることです。理由は、体の動きが反射して見えることで、ドライバーからの視認性が高まる可能性があるためです。 2つ目は「就寝の1時間以上前に走り終える」で、激しい運動は就寝直前を避け、余裕をもって終了することです。理由は、就寝直前の激しい運動は寝つきに影響する可能性があると報告されているためです。 3つ目は「夜間でも水分補給を忘れない」で、走る前・中・後にこまめに水分をとることです。理由は、夜間でも夏場は発汗量が多く、脱水のリスクがあると考えられているためです。

ここだけは伝えたいメッセージ

ナイトランは、暑い夏でも無理なく運動習慣を続けるための選択肢のひとつです。日中の暑さで走れないからといって運動をやめてしまうのではなく、夜の時間帯を活用することで心身の健康を維持しやすくなる可能性があります。

一方で、夜間は視認性が下がるため、反射材の装着や明るいウェアの着用など、安全対策は欠かせません。体調に不安を感じた場合は無理をせず、医療機関への相談をご検討ください。

まとめ:ナイトランのメリットと安全に走るためのポイント

  • 暑熱ストレスの回避: 気温の下がる夜間に走ることで、夏場の暑熱ストレスを軽減できると考えられています
  • 睡眠への影響: 夜の運動は睡眠を妨げず、深い睡眠が増加する傾向が報告されています。ただし就寝の1時間以上前に走り終えることが望ましいとされています
  • 反射材の配置: 反射ベストだけでなく、手首と足首にも反射材を装着することでドライバーからの視認性が高まります
  • 水分補給: 夜間でも夏場は発汗量が多いため、走る前・中・後の水分補給が重要です
  • 健康効果: 習慣的なナイトランで血圧の低下や不安感の軽減が期待できると報告されています

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(参考文献)

Zhang J, Yang X, Peng T. Night running and night cycling: a review of sociological drivers, health benefits, and their interaction with urban green spaces. Front Public Health. 2025;13:1559048.
Stutz J, Eiholzer R, Spengler CM. Effects of Evening Exercise on Sleep in Healthy Participants: A Systematic Review and Meta-Analysis. Sports Med. 2019;49(2):269-287.
Thomas C, Jones H, Sherwin-Turner C, Louis J. High-intensity exercise in the evening does not disrupt sleep in endurance runners. Eur J Appl Physiol. 2020;120(2):359-368.
Balk SA, Tyrrell RA, Brooks JO, Carpenter TL. Highlighting human form and motion information enhances the cospicuity of pedestrians at night. Perception. 2008;37(8):1276-84.
Periard JD, Eijsvogels TMH, Daanen HAM. Exercise under heat stress: thermoregulation, hydration, performance implications, and mitigation strategies. Physiol Rev. 2021;101(4):1873-1979.

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