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水中ウォーキングの健康効果|膝に優しい有酸素運動
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水中ウォーキングの健康効果|膝に優しい有酸素運動

濵﨑 秀崇監修者

はまさき医院 糖尿病・内分泌科

濵﨑 秀崇

水中ウォーキングは、水の浮力で膝への負担を軽減しながら有酸素運動の効果が期待できる運動です。

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水中ウォーキングが膝に優しい理由|浮力による関節への負担軽減

水中ウォーキングの大きな特徴は、水の浮力によって関節にかかる負担が大幅に軽くなることです。水中で荷重をかけた運動を行った場合、膝や股関節にかかる力が陸上と比べて36〜55%減少したという計測結果が報告されています[PLoS One. 2017;12(3):e0171972.]。この知見は、膝や腰に痛みを感じやすい方にとって、水中ウォーキングが関節への負担を抑えた運動の選択肢になりうることを裏付けています。

陸上でのウォーキングやジョギングでは、着地のたびに大きな力が膝にかかります。一方、水中では浮力がその負荷を和らげるため、膝や腰に不安のある方でも取り組みやすい運動といえます。

水中ウォーキングの有酸素運動効果とダイエットへの働き

水中ウォーキングは、膝に優しいだけでなく、有酸素運動としての効果も期待できます。中高年の女性を対象にした研究では、水中でのウォーキングで約5.2METs(メッツ=座って安静にしている時のエネルギー消費量が「1」)の運動強度が得られたと報告されています[J Physiol Anthropol Appl Human Sci. 2000;19(4):195-200.]。5.2METsは、やや速めの陸上ウォーキングに相当する強度です。この結果は、水中ウォーキングが十分な有酸素運動になることを裏付けています。また、同じ研究では心拍数が運動の強さの目安として有効であることも示されており、自分の脈拍を確認しながらペースを調整する方法が参考になります。

高齢者を対象に24週間の水中ウォーキングを行った研究もあります。この研究では、体の中心部にある脂肪の減少と下半身の筋肉量の増加が確認されました[J Sci Med Sport. 2020;23(2):164-170.]。この結果は、水中ウォーキングがダイエットや体組成の改善にも役立つ可能性を示すものと考えられます。ただし、同じ研究で運動をやめると効果が持続しなかったことも報告されており、継続して取り組むことが大切です。

水中ウォーキングの血圧・血管への効果

水中ウォーキングには、血圧や血管の健康にもよい影響が期待されています。高血圧の高齢女性を対象にした研究では、週1回・5週間の水中ウォーキングが行われました。その結果、1週間後から収縮期血圧(いわゆる「上の血圧」)の低下が確認されています[日本温泉気候物理医学会雑誌. 2021;84(2):81-86.]。週1回という無理のない頻度でも血圧の改善がみられた点は、これから運動を始めたい方にとって心強い結果といえます。

また、水中ウォーキング後は陸上ウォーキングと比較して、血管内皮機能(血管がしなやかに広がる力)の低下が抑えられたという報告もあります[Clin Exp Hypertens. 2019;41(5):452-459.]。この知見は、水中での運動が血管の健康を保つうえでも有用である可能性を示唆しています。

水中ウォーキングの始め方|無理なく続けるポイント

水中ウォーキングを始めるにあたって、特別な技術や道具は必要ありません。公共のプールや温水プール、スポーツジムのプールなど、水深が腰から胸あたりまであれば取り組めます。

前述の研究では週1回の水中ウォーキングでも血圧の改善が確認されており[日本温泉気候物理医学会雑誌. 2021;84(2):81-86.]、まずは無理のないペースから始めてみるのもひとつの方法です。水温や体調に合わせて、歩くスピードや時間を少しずつ調整していくとよいでしょう。準備運動で体をほぐしてからプールに入ること、運動の前後にこまめな水分補給を心がけることもポイントです。

水中ウォーキングを始めるうえで日常生活の工夫として検討が推奨される点

水中ウォーキングに取り組むうえで、以下のポイントが参考になります。特に重要とされるのは、無理のないペースで始めて継続することと考えられています。

水中ウォーキングを始めるために日常生活で検討したい3つのコツと理由をまとめた表です。 1つ目は「週1回から始める」で、まずは週1回のペースで無理なくスタートすることです。理由は、週1回でも血圧改善が報告されており、低頻度でも効果が期待できる可能性があるためです。 2つ目は「心拍数を目安にする」で、自分の脈拍を確認しながら歩くペースを調整することです。理由は、心拍数が水中ウォーキングの運動強度の指標として有効であると報告されているためです。 3つ目は「継続して取り組む」で、運動の効果を維持するために、定期的に続けることです。理由は、運動を中止すると体組成改善の効果が持続しなかったと報告されており、継続が重要と考えられているためです。

ここだけは伝えたいメッセージ

水中ウォーキングは、膝や腰への負担を軽減しながら全身を動かせる運動です。「運動したいけれど関節が心配」「激しい運動は続かない」と感じている方にとって、取り組みやすい選択肢のひとつになるかもしれません。まずは近くのプールで、自分のペースで歩くことから始めてみてはいかがでしょうか。

なお、膝や腰に強い痛みがある場合や、持病のある方は、運動を始める前に医療機関への相談をご検討ください。

まとめ:水中ウォーキングの健康効果と始め方のポイント

  • 膝への負担軽減: 水の浮力により、膝や股関節にかかる力が陸上と比べて大幅に軽減されると報告されています
  • 有酸素運動としての効果: 水の抵抗により、やや速めの陸上ウォーキングに相当する運動強度が得られます
  • ダイエット・体組成改善: 継続的な水中ウォーキングで体脂肪の減少や筋肉量の増加が期待できます
  • 血圧・血管への効果: 週1回のペースでも血圧の改善が報告されており、血管の健康にもよい影響が期待されます
  • 始め方: 特別な技術は不要で、まずは週1回から無理のないペースで始めることが推奨されます

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(参考文献)

Ines Kutzner.Does et al.aquatic exercise reduce hip and knee joint loading? In vivo load measurements with instrumented implants.PLoS One. 2017;12(3):e0171972.
T Shono et al.Physiological responses and RPE during underwater treadmill walking in women of middle and advanced age.J Physiol Anthropol Appl Human Sci. 2000;19(4):195-200.
Louise H Naylor et al.Land- versus water-walking interventions in older adults: Effects on body composition.J Sci Med Sport. 2020;23(2):164-170.
河野 洋志ほか.水中ウォーキングが高齢者の血圧に及ぼす効果.日本温泉気候物理医学会雑誌. 2021;84(2):81-86.
Yuto Hashimoto et al.Acute effects of walking in water on vascular endothelial function and heart rate variability in healthy young men.Clin Exp Hypertens. 2019;41(5):452-459.

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