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閉経後に骨密度が急低下…今すぐ始められる「骨の守り方」3ステップを教えてください。
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閉経後に骨密度が急低下…今すぐ始められる「骨の守り方」3ステップを教えてください。

栗原 信吾監修者

北水会記念病院 整形外科

栗原 信吾

カルシウムとビタミンDを意識した食事、骨に刺激を与える運動、そして骨の代謝を助ける成分の活用が、閉経後の骨密度ケアとして報告されています。

閉経後に骨密度が下がる仕組み|エストロゲンと骨の関係

女性ホルモンのひとつであるエストロゲンには、骨を壊す細胞(破骨細胞)の働きを抑え、骨量を保つ役割があります。閉経を迎えるとエストロゲンの分泌が大きく減り、破骨細胞が活性化することで骨量の減少が進むと報告されています[J Clin Invest. 2006;116(5):1186-94.]。この仕組みが、閉経後に骨密度が急速に低下する主な原因と考えられています。

骨密度の低下は自覚症状がほとんどないまま進行するため、閉経後は早めにケアを始めることが大切です。

骨密度ケアのステップ 1|カルシウムとビタミンDを一緒にとる

骨の材料となるカルシウムは、閉経後の女性にとって特に意識して摂取したい栄養素です。厚生労働省の情報では、カルシウムに加えてビタミンDやビタミンKも骨の健康維持に重要な役割を果たすとされています[厚生労働省 e-ヘルスネット「骨粗鬆症の予防のための食生活」]。

さらに、閉経後の女性を対象にした複数の研究を統合した分析では、カルシウムとビタミンDを併用して摂取することで、骨粗鬆症の予防に有効である可能性が示されています[Food Funct. 2020;11(12):10817-10827.]。この結果は、閉経後の骨密度ケアにおいて、カルシウム単独ではなくビタミンDと組み合わせることの重要性を裏付けるものと考えられます。

日常の食事では、牛乳・ヨーグルトなどの乳製品、小魚、小松菜などからカルシウムを、魚類やきのこ類からビタミンDをとることができます。

骨密度ケアのステップ 2|骨に刺激を与える運動を取り入れる

骨は適度な負荷がかかると、その刺激に応じて強くなる性質があります。閉経後の女性を対象にした多数の研究を体系的にまとめた報告では、荷重運動(ウォーキングやジョギングなど体重がかかる運動)、筋力トレーニング、そしてこれらを組み合わせた複合運動のいずれにおいても、骨密度の改善が認められたとされています[Calcif Tissue Int. 2020;107(5):409-439.]。

この知見は、閉経後の骨密度ケアにおいて、特別な運動でなくても、日常的に体を動かす習慣が骨を守る助けになることを示しています。週に数回のウォーキングや、自宅でのスクワットなど、無理のない範囲で始めることが推奨されます。

骨密度ケアのステップ 3|MBP(乳塩基性たんぱく質)の活用

食事や運動に加え、骨の代謝を助ける成分として注目されているのが、MBP(乳塩基性たんぱく質=牛乳に含まれるたんぱく質の一種)です。閉経前後の女性を対象とした研究では、MBPを継続的に摂取したグループで骨密度が1.21%増加したという結果が報告されています[Osteoporos Int. 2005;16(12):2123-2128.]。

この結果は、MBPが閉経後の骨密度維持を助ける可能性を示唆しています。MBPは機能性表示食品などに配合されている場合がありますが、あくまで食事や運動による骨密度ケアの補助として位置づけることが大切です。なお、MBPを含む機能性表示食品は医薬品ではないため、効果を保証するものではなく、効果には個人差があります。

骨密度ケアにおいて日常生活の工夫として検討が推奨される点

特に重要とされるのは、食事・運動・補助成分を組み合わせて継続することと考えられています。

閉経後の骨密度低下を防ぐための3つのコツとその内容、理由をまとめた表です。1つ目は「カルシウム+ビタミンDの併用」で、内容は乳製品・小魚・魚類・きのこ類を毎日の食事に取り入れることです。理由は「カルシウムとビタミンDの併用が骨粗しょう症の予防に有効である可能性が報告されている」からです。2つ目は「骨に負荷をかける運動」で、内容はウォーキングやスクワットなど、体重がかかる運動を週に数回行うことです。理由は「荷重運動・筋力トレーニング・複合運動で骨密度の改善が認められている」からです。3つ目は「MBPの補助的な活用」で、内容は食事・運動を基本としたうえで、MBP配合の食品を検討することです。理由は「MBPの継続摂取で骨密度の増加が報告されているが、あくまで補助としての位置づけ」だからです。

ここだけは伝えたいメッセージ

閉経後の骨密度低下は多くの女性が経験するものですが、日々の食事や運動といった生活習慣の見直しによって、骨の健康を支えることが期待できます。まずは今日の食事にカルシウムとビタミンDを意識して取り入れることから始めてみてはいかがでしょうか。

一方で、骨密度の低下が気になる場合や、すでに骨粗鬆症と診断されている場合は、医療機関への相談をご検討ください。

まとめ:閉経後の骨密度を守る3つのステップ

  • エストロゲンと骨密度の関係: 閉経によりエストロゲンが減少すると破骨細胞が活性化し、骨量の減少が進む
  • カルシウム+ビタミンDの併用: カルシウム単独ではなくビタミンDと一緒に摂取することが、骨粗鬆症の予防に有効である可能性が報告されている
  • 骨に刺激を与える運動: ウォーキングや筋力トレーニングなど、体重がかかる運動で骨密度の改善が認められている
  • MBPの補助的な活用: 食事・運動を基本としたうえで、MBP配合の機能性表示食品を補助的に検討する選択肢がある
  • 早めのケア開始: 骨密度低下は自覚症状がないまま進むため、閉経後は早めに生活習慣を見直すことが大切

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(参考文献)

Weitzmann MN, Pacifici R. Estrogen deficiency and bone loss: an inflammatory tale. J Clin Invest. 2006;116(5):1186-94.
Liu C, et al. Effects of combined calcium and vitamin D supplementation on osteoporosis in postmenopausal women. Food Funct. 2020;11(12):10817-10827.
Kemmler W, et al. Effects of Different Types of Exercise on Bone Mineral Density in Postmenopausal Women. Calcif Tissue Int. 2020;107(5):409-439.
Aoe S, et al. A controlled trial of the effect of milk basic protein (MBP) supplementation on bone metabolism in healthy menopausal women. Osteoporos Int. 2005;16(12):2123-2128.
厚生労働省 e-ヘルスネット「骨粗鬆症の予防のための食生活」

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