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脳トレに効果はありますか?続けるコツを教えてください。
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脳トレに効果はありますか?続けるコツを教えてください。

越智 佳奈監修者

文京小石川クリニック 脳神経内科、 東京女子医科大学附属病院 東洋医学研究所クリニック 脳神経内科

越智 佳奈

脳トレは一部の力を小さく高める可能性が報告されています。無理のない頻度で続けることが役立つと考えられています。

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脳トレに効果はある?期待できることと限界

脳トレ(脳力トレーニング)とは、パズルやコンピューターなどを使って、記憶力や注意力など脳の働きを鍛えるための頭の体操のことです。

複数の研究を統合した分析では、健康な高齢者の認知機能を全体としてわずかに高める可能性が報告されています。特に、言葉を使わない記憶や、情報を処理する速さ、ものの位置や形をとらえる力で小さな改善がみられました。一方で、計画を立てて実行する力や注意力には、はっきりした効果は確認されていません[PLoS Med. 2014;11(11):e1001756.]。

脳トレの効果は、認知機能をわずかに高めると考えられますが、著しい認知機能の向上は見込めません。

脳トレをやれば頭全体がよくなる?効果が及ぶ範囲

脳トレに関心を持つ方の多くは「頭全体がよくなること」を期待します。

しかし、脳トレ系のゲームを使った学習については、鍛えた課題を超えて広く能力が伸びるという証拠は確認されていないと報告されています。また、効果は練習した内容に近い範囲にとどまりやすく、日常生活での頭のよさ全般に広がる働きは乏しいとされています[Psychol Bull. 2018;144(2):111-139.]。

この知見は、脳トレだけに頼るのではなく、目的に合った取り組みを選ぶことの大切さを示しています。

脳トレの効果はどれくらい続く?

脳トレの効果は長持ちするか、継続することでさらに長持ちするのかなども気になる点です。

ある長期間の研究では、10〜14週間の認知トレーニングを受けた高齢者が、10年後も推論する力と情報を処理する速さで訓練した能力を高めに保っていたことが報告されています。日常生活の動作の困難も、トレーニングを受けなかった人たちより少なかったとされています。さらに、期間をおいて復習のセッションを追加すると、効果がより長く続いたことも示されています[J Am Geriatr Soc. 2014;62(1):16-24.]。

この結果は、脳トレを一度きりで終えず、間をあけて繰り返すことが効果の維持に役立つ可能性を示しています。

脳トレを続けるコツと生活習慣

脳トレを無理なく続けるには、頻度と形式が手がかりになります。

ある研究では、週3回を超える頻度は、週3回以下と比べて効果が高いわけではないと報告されています。また、自宅で一人きり・見守りのない形での取り組みでは、効果が確認されなかったとされています[PLoS Med. 2014;11(11):e1001756.]。

仲間や指導のある形式や、体を動かす習慣も認知機能の維持に役立つと考えられます。

運動を取り入れた研究では、健康な人の認知機能が全体的に改善し、高齢者で最も大きな改善がみられたと報告されています。また、有酸素運動は全般的な認知機能に、筋力を使う運動は計画を立てて実行する力に効果を示したとされています(Ageing Res Rev. 2023;92:102116.)。

運動に関するこれらの知見は、脳トレを生活習慣と組み合わせて続けることが、認知機能の維持に役立つ可能性を示しています。

脳トレを続けるうえで日常生活の工夫として検討が推奨される点

脳トレを続けるうえで日常生活の工夫として検討したい4つのコツと理由をまとめた表です。 1つ目は「週3回程度を目安にする」で、頻度を上げすぎず、週3回以下でも取り組むことです。理由は、週3回を超えても効果が高まるとは限らないと報告されているためです。 2つ目は「仲間や指導のある形式を選ぶ」で、一人きりの完全な自己流ではなく、教室や仲間との場を活用することです。理由は、見守りのない自宅だけの取り組みでは効果が確認されなかったと考えられているためです。 3つ目は「間をあけて繰り返す」で、一度で終えず、期間をおいて復習することです。理由は、復習を追加すると効果がより長く続いたと報告されているためです。 4つ目は「体を動かす習慣を組み合わせる」で、有酸素運動や筋力を使う運動を生活に取り入れることです。理由は、運動が認知機能の維持・改善に役立つと考えられているためです。

ここだけは伝えたいメッセージ

脳トレは、期待できる力の範囲を知って無理なく続ければ、認知機能の維持を支える取り組みの一つになり得ます。頭を使う習慣と、運動などの生活習慣を組み合わせることで、より続けやすくなると考えられます。一方で、脳トレの効果は鍛えた力に近い範囲にとどまりやすく、すべての能力が大きく伸びるわけではありません。もの忘れが日常生活に支障をきたすなど気になる変化がある場合は、脳トレだけに頼らず、医療機関への相談をご検討ください。

まとめ:脳トレは「期待できる範囲」を知って続けることが大切

  • 効果の範囲: 脳トレは記憶や情報を処理する速さなど一部の力を小さく高める可能性が報告されている一方、計画を立てて実行する力や注意力へのはっきりした効果は確認されていません
  • 効果の広がり: 効果は練習した内容に近い範囲にとどまりやすく、頭全体に広がる働きは乏しいとされています
  • 続けたとき: 訓練で高めた推論する力や情報を処理する速さは長期間保たれやすく、間をあけた復習でさらに続きやすいと報告されています
  • 続けるコツ: 週3回程度を目安に、仲間や指導のある形式を選ぶことが役立つと考えられています
  • 生活習慣: 運動を組み合わせることが認知機能の維持に役立つと考えられています

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(参考文献)

Lampit A, Hallock H, Valenzuela M. Computerized cognitive training in cognitively healthy older adults: a systematic review and meta-analysis of effect modifiers. PLoS Med. 2014;11(11):e1001756.
Sala G, Tatlidil KS, Gobet F. Video game training does not enhance cognitive ability: A comprehensive meta-analytic investigation. Psychol Bull. 2018;144(2):111-139.
Rebok GW, Ball K, Guey LT, et al. Ten-year effects of the advanced cognitive training for independent and vital elderly cognitive training trial on cognition and everyday functioning in older adults. J Am Geriatr Soc. 2014;62(1):16-24.
Zhang M, Jia J, Yang Y, Zhang L, Wang X. Effects of exercise interventions on cognitive functions in healthy populations: A systematic review and meta-analysis. Ageing Res Rev. 2023;92:102116.

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