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脳の健康サプリのDHA・EPAとイチョウ葉エキスは何が違いますか?選び方を教えてください。
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脳の健康サプリのDHA・EPAとイチョウ葉エキスは何が違いますか?選び方を教えてください。

越智 佳奈監修者

文京小石川クリニック 脳神経内科、 東京女子医科大学附属病院 東洋医学研究所クリニック 脳神経内科

越智 佳奈

DHA・EPAは青魚に多い脳の構成成分、イチョウ葉エキスは植物由来の成分で、研究で調べられてきた内容が異なります。ただし、認知症予防を目的とした使用は推奨されておらず、食生活の補助と考えましょう。

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DHA・EPAとイチョウ葉エキスは成分の性質がどう違いますか?

DHA・EPAとイチョウ葉エキスは、成分の性質が異なります。DHA・EPAは、青魚などに多く含まれるn-3系脂肪酸(体に必要なあぶらの一種)で、脳に豊富に含まれ、脳の働きを保つうえで欠かせない栄養素とされています[日本薬理学雑誌. 2018;151(1):27-33.]。一方のイチョウ葉エキスは、イチョウの葉から取り出される植物由来の成分で、フラボノイドやテルペンラクトンといった成分を含みます[Front Pharmacol. 2020;10:1688.]。この性質の違いが、期待される働きの違いにつながっています。

サプリで認知症は予防できますか?

国際的な指針では、認知機能の低下や認知症のリスクを下げる目的で、n-3系脂肪酸(DHA・EPA)やビタミンB・Eなどのサプリを使うことは推奨されていません[WHO. 2019.]。以下の研究知見も、食生活の補助として取り入れる場合の参考としてお読みください。

DHA・EPAはどんな働きが期待されますか?

DHAは脳の神経細胞の膜をつくる主要な成分のひとつとされています[日本薬理学雑誌. 2018;151(1):27-33.]。認知症ではない中高年を対象に24件の研究(約9,600人)を統合した分析では、物事を計画して実行する力によい変化がみられる可能性が示された一方、全体的な認知機能や記憶、処理の速さ、注意でははっきりした差がみられませんでした[BMC Med. 2024;22:109.]。

記憶については、軽い物忘れの自覚がある高齢の方で改善したとする分析もありますが、DHAを製造・販売する企業の資金提供を受けた研究です[PLoS One. 2015;10(3):e0120391.]。

イチョウ葉エキスにはどんな研究知見がありますか?

結果は摂り方で大きく異なります。複数の臨床試験を整理した総説では、1日240mgを24週間以上続けた場合に軽度の認知症がある高齢の方で変化がみられた一方、12週間未満・1日120mg以下では効果がみられず、健康な人では否定的な結果が多いと報告されています[Front Pharmacol. 2020;10:1688.]。軽度の認知障害やアルツハイマー病のある方を対象にした分析もありますが、研究の質は中程度から低い程度とされています[Curr Top Med Chem. 2016;16(5):520-8.]。いずれも病気のある方が対象で、健康な人の予防や治療を保証するものではありません。

摂り方で知っておきたいことは?

変化が報告された量は成分ごとに異なり、DHA・EPAはn-3系脂肪酸として1日500mgを超える量、イチョウ葉エキスは1日240mgを長い期間続けた場合です。

ただし、たくさん摂るほどよいわけではありません。EPAが1日420mgを超える量や12か月を超える摂取では、かえって好ましくない方向の変化(出血傾向、胃腸障害など)が観察されています。効果はもともとの食事からの摂取量にも左右され、普段から魚をある程度食べている集団で変化がみられました[BMC Med. 2024;22:109.]。

脳の健康を意識してサプリを取り入れるうえで日常生活の工夫として検討が推奨される点

脳の健康を意識してサプリを取り入れるうえで日常生活の工夫として検討したい3つのコツと理由をまとめた表です。 1つ目は「まず食事から考える」で、青魚を食事に取り入れるなど、サプリより先に食生活を見直すことです。理由は、認知症予防を目的としたサプリの使用は国際的な指針で推奨されていないためです。 2つ目は「成分の役割で選ぶ」で、脳の構成成分となる栄養素か、植物由来の成分かで性質が異なることです。理由は、期待される働きの方向性が違うためです。 3つ目は「摂りすぎに注意する」で、長い期間・多い量で、好ましくない変化が観察された報告もあることです。理由は、多く摂るほどよいとは限らないためです。

ここだけは伝えたいメッセージ

まずは青魚を食事に取り入れるなど、身近な工夫から始めてみるのもよいでしょう。これらは医薬品ではなく、国際的な指針でも認知症予防を目的とした使用は推奨されていません。気になる物忘れが続く場合は、サプリだけに頼らず医療機関への相談をご検討ください。

まとめ:DHA・EPAとイチョウ葉エキスの違いと選び方

  • 成分の違い: DHA・EPAは青魚に多いn-3系脂肪酸、イチョウ葉エキスは植物由来の成分です
  • 前提: 認知症のリスクを下げる目的でのサプリの使用は、国際的な指針では推奨されていません
  • 研究知見: DHA・EPAは物事を計画して実行する力への関わりが報告される一方、記憶や注意でははっきりした差はみられていません。イチョウ葉エキスは量と期間で結果が大きく異なります
  • 摂り方: 摂りすぎには注意が必要で、あくまで食生活の補助と位置づけられます

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(参考文献)

World Health Organization. Risk reduction of cognitive decline and dementia: WHO guidelines. Geneva: World Health Organization; 2019.
Suh SW, Lim E, Burm SY, Lee H, Bae JB, Han JW, Kim KW. The influence of n-3 polyunsaturated fatty acids on cognitive function in individuals without dementia: a systematic review and dose-response meta-analysis. BMC Med. 2024;22:109.
Yurko-Mauro K, Alexander DD, Van Elswyk ME. Docosahexaenoic acid and adult memory: a systematic review and meta-analysis. PLoS One. 2015;10(3):e0120391.
橋本道男. 脳・神経機能維持とn-3系脂肪酸. 日本薬理学雑誌. 2018;151(1):27-33.
Liu H, Ye M, Guo H. An Updated Review of Randomized Clinical Trials Testing the Improvement of Cognitive Function of Ginkgo biloba Extract in Healthy People and Alzheimer's Patients. Front Pharmacol. 2020;10:1688.
Yang G, Wang Y, Sun J, Zhang K, Liu J. Ginkgo Biloba for Mild Cognitive Impairment and Alzheimer's Disease: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. Curr Top Med Chem. 2016;16(5):520-8.

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