
腟カンジダ(膣カンジダ)の市販薬はどう選ぶ?【2026年7月】|医師監修
腟カンジダの薬について3分でわかるまとめ
腟カンジダ(「膣カンジダ」とも書きます)は、多くの人が経験する身近な不調です。デリケートな悩みだけに「病院に行かず市販薬で対処したい」と考える人も少なくありません。市販薬は選択肢のひとつですが、「使える人」と「使えない人」がはっきり決まっていて、初めての症状では使えないなどの注意点があります。この記事では、市販薬の種類と選び方・買える場所・病院での治療、そして市販薬を使ってはいけないケースまでを、公的なガイドラインと各製品の添付文書にもとづいて中立的に整理します。
腟カンジダ(膣カンジダ)の薬は市販で買える?
買えます。ただし、過去に医師から腟カンジダと診断・治療を受けたことがある人の「再発」に限られ、初めての症状では使えません。
腟カンジダは、もともと体に住みついている「カンジダ」というカビ(真菌=しんきん)の一種が、体調の変化などで増えすぎて起こります(皮膚真菌症診療ガイドライン2025)。主な症状は、外陰部(がいいんぶ=性器の外側)の強いかゆみと、典型的には酒粕(さけかす)やヨーグルトのような白いおりものです(おりものの見た目には個人差があり、必ずしもこの通りとは限りません)(同ガイドライン)。
市販薬(OTC医薬品=薬局などで買える薬)が使えるのは、以前に同じ症状で医師の診断を受けた人が再発したときだけです。これは市販薬の効能・効果が「腟カンジダの再発(以前に医師から腟カンジダの診断・治療を受けたことのある人に限る)」と定められているためです(各製品の添付文書)。初めての症状は、別の病気の可能性もあります。市販薬ではなく、医療機関への相談をご検討ください。
腟カンジダ(膣カンジダ)の市販薬にはどんな種類がある?
大きく分けて、腟の中に入れる「腟錠(ちつじょう)・腟坐剤(ちつざざい)」と、外陰部に塗る「クリーム」の2種類があります。腟錠には、1回入れるだけの「1回タイプ」と、6日間続けて使う「6日タイプ」があります。
腟の中の症状には腟錠、外側のかゆみにはクリームを使い分けます。おりものなど腟の中の症状があるときは、クリームだけでなく腟錠を使う必要があります(各製品の添付文書)。
主な市販薬(腟錠)を整理すると次のとおりです(効き目の優劣を比べるものではなく、成分・価格・買い方などの事実を並べたものです)。
| 製品名 | 有効成分 | タイプ | 医薬品分類 | 希望小売価格 | 買える場所 |
|---|---|---|---|---|---|
| オキナゾールL600 | オキシコナゾール600mg | 1回 | 要指導医薬品 | 3,080円(税込) | 店頭のみ(2026年7月時点) |
| メンソレータムフレディCC1 | イソコナゾール600mg | 1回 | 第1類医薬品 | 3,300円(税込) | 店頭・ネット |
| エンペシドL 6錠 | クロトリマゾール100mg | 6日 | 第1類医薬品 | 3,080円(税込) | 店頭・ネット |
| メディトリート 6個 | ミコナゾール100mg | 6日 | 第1類医薬品 | 3,123円(税込) | 店頭・ネット |
成分は異なりますが、いずれも「アゾール系」と呼ばれる抗真菌成分(カビをおさえる成分)で、腟カンジダの再発治療に使えます(皮膚真菌症診療ガイドライン2025)。
表の「要指導医薬品」「第1類医薬品」は、市販薬の分類です。要指導医薬品は、市販薬の中でもとくに慎重な扱いが必要な薬で、薬剤師が対面などで説明したうえで販売します。第1類医薬品は、薬剤師から情報提供を受けて買う市販薬で、ネット通販もできます(いずれも購入時に薬剤師が関わる点は共通です)。
この記事では、有効成分が重ならないよう4成分から1製品ずつ、メーカーが偏らないように選んでいます。検索順位や広告の順番では選んでいません(詳しくは記事末尾の「掲載基準」)。
1回タイプと6日タイプ、どちらを選べばいい?
効き目の優劣ではなく、「使う手間」と「価格」の違いで選びます。
- 1回タイプ(オキナゾールL600・フレディCC1):1回入れるだけで済みますが、価格は高めです。
- 6日タイプ(エンペシドL・メディトリート):6日間続ける手間がありますが、価格は抑えやすいです。
治療ガイドラインでも、1回だけ使うタイプと数日間続けて使うタイプの両方が挙げられています(皮膚真菌症診療ガイドライン2025)。どちらを選んでも、決められた期間・回数を守ることが大切です。
市販薬はどこで買える?ネット通販でも買える?
製品によって異なります。医薬品の分類によって買い方のルールが違うためです。
- オキナゾールL600(要指導医薬品):現在は、薬局・薬店の店頭で薬剤師の説明を受けて買う方法のみです(2026年7月時点)。
- 他の3製品(第1類医薬品):薬剤師の情報提供を受けたうえで、店頭でもネット通販でも購入できます。
なお、2026年5月1日に施行された改正薬機法(薬機法=医薬品などのルールを定めた法律)により、要指導医薬品も、薬剤師がビデオ通話などで服薬指導を行うことを条件に、ネット販売が制度上は可能になりました(厚生労働省)。ただし、オキナゾールL600でネット販売が行われているかは確認できていないため、この記事では「2026年7月時点では店頭のみ」としています。制度上できることと、実際に売られているかは分けて確認することをおすすめします。
購入前の準備メモ:薬剤師に何を聞かれる?何を伝える?
腟カンジダの再発治療薬は、購入時に薬剤師の確認があります。その場で慌てないように、次の4つを整理しておくとスムーズです。
□ 1. 前に医師から「腟カンジダ」と診断されたことがあるか
この薬は「再発」のための薬です。以前に医師の診断・治療を受けたことがあるかは、必ず確認されます。いつ頃だったかも思い出しておきましょう。
□ 2. 今回の症状のこと
いつから始まったか、前回と同じ症状か。あわせて、発熱や寒気、下腹部の痛み、いつもと違うにおいのおりもの、不規則な出血など「前と違うこと」があれば必ず伝えてください。別の病気が隠れていないかを見分ける大事な手がかりになります。この半年でどのくらい繰り返しているかも聞かれることがあります。
□ 3. 体の状態・持病
妊娠中または妊娠の可能性、授乳中、糖尿病など。年齢を確認されることもあります。
□ 4. アレルギー・いま使っている薬
薬でアレルギーが出たことがあればその薬の名前を。ほかに治療中の病気や使っている薬があれば、お薬手帳を見せるのが確実です。
この確認は「買わせないための試験」ではなく、この薬で対処してよい状態かを一緒に確かめるためのものです。正直に答えることが、いちばんの安全につながります。使えるかどうかの最終判断は薬剤師が行います。
病院ではどんな治療をする?費用は?
腟カンジダの診断・治療を行う主な診療科は婦人科です。病院では、腟の洗浄と、抗真菌薬の腟錠を入れる治療が基本になります(皮膚真菌症診療ガイドライン2025)。
飲み薬(フルコナゾール)が使われることもあります(同ガイドライン、2015年から保険適用)。
保険が使える診療のため、費用の自己負担は原則3割です(年齢や所得によって異なります)。市販薬より安くなる場合もあります。
再発を何度も繰り返す場合(次の見出しを参照)は、市販薬では対応できず、病院で予防的に薬を続ける「維持療法」の対象になります。気になる症状が続くときは、医療機関への相談をご検討ください。
市販薬を使ってはいけないのはどんなとき?
市販薬は、次のいずれかに当てはまる場合は使えません(各製品の添付文書「してはいけないこと」)。
- 初めて症状が出た人、これまで医師の診断を受けたことがない人
- 妊娠中、または妊娠している可能性がある人
- 15歳未満、または60歳以上の人
- 短期間に再発を繰り返している人(直近2か月以内に1回再発した人、または直近6か月以内に2回以上再発した人)
- 発熱や下腹部の痛み、悪臭のあるおりもの、不規則な出血などがある人
とくに「再発を繰り返している人」は市販薬を使えない点に注意してください。腟カンジダには、年に4回以上繰り返す「再発性外陰腟カンジダ症」という状態があり(皮膚真菌症診療ガイドライン2025)、これは市販薬ではなく病院での治療が必要です。「市販薬は“たまの再発”には使えても、“繰り返す再発”には使えない」と覚えておくとよいでしょう。
また、市販薬を使っても3日たっても症状が改善しない、または6日たっても症状が消えないときは、使用を続けずに医療機関への相談をご検討ください。受診の目安となる日数は製品(1回タイプ・6日タイプなど)によって異なる場合があるため、各製品の添付文書の指示に従ってください。
再発を防ぐにはどうすればいい?
腟カンジダの再発を防ぐうえで、まず大切なのは「症状が出たときに、しっかり治しきること」です。
症状が軽いからといって放置したり、途中で薬をやめたりすると、カンジダ菌が完全に除菌されないまま残り、再発しやすい状態が続いてしまいます。再発したと気づいたら、抗真菌薬(腟錠または外用薬)で適切に治療することが、次の再発を防ぐための第一歩です(皮膚真菌症診療ガイドライン2025)。
また、腟カンジダは、患部を清潔にして乾燥させることが再発予防につながるとされています(皮膚真菌症診療ガイドライン2025)。日常では次のような工夫が挙げられます。
- 通気性のよい下着を選ぶ
- 締めつけの強い衣類や、蒸れやすい状態を長く続けない
- 刺激の強い石けんで洗いすぎない(洗いすぎは体の常在菌のバランスを崩すことがあります)
各製品の詳しい情報
市販薬は、以前に医師から腟カンジダと診断された人の「再発」にのみ使えます。初めての症状・妊娠中・繰り返す再発などでは使えません(上記「使ってはいけないとき」を参照)。使っても症状が改善しないときは、医療機関への相談をご検討ください。
オキナゾールL600
田辺ファーマ
3,080円(税込)
情報に誤りがある場合は、こちらからご連絡をお願いいたします。
メンソレータムフレディCC1
ロート製薬
3,300円(税込)
情報に誤りがある場合は、こちらからご連絡をお願いいたします。
エンペシドL 6錠
佐藤製薬
3,080円(税込)
情報に誤りがある場合は、こちらからご連絡をお願いいたします。
メディトリート 6個
大正製薬
3,123円(税込)
情報に誤りがある場合は、こちらからご連絡をお願いいたします。
いずれの製品も、効能・効果は「腟カンジダの再発(医師の診断歴がある人に限る)」です。外陰部のかゆみなど外側の症状には、同じ成分のクリームが各シリーズで別売されています。腟の中の症状があるときは腟錠を使います(各製品の添付文書)。
掲載している市販薬は記載した効果・効能があることを保証したものではありません。ご購入にあたっては、各商品の公式サイトなどをご確認ください。
掲載基準(この記事の中立性について)
この記事は、特定の商品を勧めたり販売したりするものではありません。市販薬は次の基準で選んで掲載しています。
- 同じ有効成分は1製品まで(重複を避ける)
- 同じメーカーに偏らない
- 検索順位や広告の順番では選ばない
- 有効成分の効能に「腟カンジダの再発」が含まれることを添付文書で確認する
編集・監修基準について
本記事は情報の正確性を担保するため、以下のフローを経て作成・公開されています。
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(参考文献)
- 日本皮膚科学会・日本医真菌学会 皮膚真菌症診療ガイドライン2025
- 各製品の添付文書(KEGG MEDICUS)オキナゾールL600:https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_otc?japic_code=K2211000035
- 各製品の添付文書(KEGG MEDICUS)メンソレータムフレディCC1:https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_otc?japic_code=J1901000191
- 各製品の添付文書(KEGG MEDICUS)エンペシドL:https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_otc?japic_code=J1101000240
- 各製品の添付文書(KEGG MEDICUS)メディトリート:https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_otc?japic_code=J0801000527
- 厚生労働省 2026年5月1日施行の医薬品販売制度の改正
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