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内臓脂肪を減らす市販薬・漢方・病院での治療の比較

内臓脂肪を減らす薬はある?市販薬アライ・漢方・病院の治療(GLP-1)を比較【2026年7月】|医師監修

内臓脂肪の薬について3分でわかるまとめ

「お腹まわりの内臓脂肪を、薬で減らせないか」と考える人は少なくありません。市販薬・漢方薬・病院での治療(GLP-1受容体作動薬など)と選択肢はありますが、それぞれ使える条件や位置づけが大きく異なります。この記事では、内臓脂肪・肥満に関わる薬や治療の選択肢を、公的なガイドライン・学会のステートメント・各製品の添付文書にもとづいて中立的に整理します。あわせて、オンライン診療で広がる「GLP-1ダイエット」の注意点にも触れます。

内臓脂肪を減らす市販薬はある?

回答

あります。2026年7月時点で、内臓脂肪を減らす市販薬として承認されているのは、要指導医薬品「アライ」(有効成分オルリスタット)です。ただし、購入できる人の条件が厳格に決まっています

解説

アライは、食事に含まれる脂肪の吸収を抑えることで、腹部が太めな方の内臓脂肪と腹囲の減少を助ける薬です(アライ添付文書)。「飲めば誰でも痩せる薬」ではなく、あくまで食事・運動などの生活習慣の改善に取り組んでいる人が使う薬という位置づけです。

市販の「痩せる薬」「内臓脂肪の薬」にはどんな種類がある?

回答

市販で手に入るものは、大きく3つに分けられます。

解説
  1. 要指導医薬品「アライ」(オルリスタット)=内臓脂肪・腹囲の減少を助ける
  2. 漢方薬(防風通聖散・大柴胡湯・防已黄耆湯など)=体質に応じて「肥満症」などに用いる
  3. 機能性表示食品(葛の花由来イソフラボンなど)=医薬品ではなく、あくまで食生活改善の補助

このうち「医薬品」はアライと漢方薬です。機能性表示食品は医薬品ではありません(違いは後の見出しで説明します)。

この記事では、市販薬を次の基準で選んで掲載しています(詳しくは末尾の「掲載基準」)。有効成分が重ならないように選び、メーカーが偏らないようにし、検索順位や広告の順番では選んでいません。

防風通聖散などの漢方薬は内臓脂肪に効く?

回答

漢方薬は、承認された効能の範囲で選択肢になります。ただし、体質(漢方でいう「証(しょう)」)に合わせて使い分けるのが前提です。

解説

市販の漢方薬には、効能・効果に「肥満症」を含むものがあります(各製品の添付文書)

  • 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん):体力が充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちな人の「肥満症」などに(添付文書)
  • 大柴胡湯(だいさいことう):体力が充実している人の「肥満症」などに(添付文書)
  • 防已黄耆湯(ぼういおうぎとう):体力中等度以下で、疲れやすく汗をかきやすい人の「肥満症(水ぶとり)」などに(添付文書)

同じ「肥満」でも、体力や体質によって向く漢方が異なります。体質(証)に合わない漢方を使うと、下痢や腹痛、胃の不快感などの副作用が出やすくなることがあります。自分に合うものが分からないときは、薬剤師や登録販売者、医療機関への相談をご検討ください。

アライは誰でも買える?条件と価格は?

回答

買えません。アライには、購入できる人の条件があります。条件のうち、次は添付文書で定められたものです(アライ添付文書)

解説
  • 18歳以上であること
  • 腹囲(へその高さ)が男性85cm以上・女性90cm以上であること
  • 肥満に関連する健康障害の診断を受けていないこと(診断を受けている人・BMI35kg/m²以上の人は使えません)

とくに、高血圧・糖尿病・脂質異常症など、通院・治療中の持病がある人は使えないことがあります。購入前に薬剤師に必ず相談してください。

さらに、販売時のチェック項目として、購入前からの生活習慣改善の取り組みや記録、薬剤師による確認が求められます(製造販売元の適正使用の運用)。つまり「生活習慣の改善に取り組んでいること」が前提の薬です。

希望小売価格は、30日分(90カプセル)で8,800円(税込)、6日分で2,530円(税込)です。

アライはネット通販で買える?

回答

2026年7月時点では、薬剤師のいる薬局・薬店で購入する形になります。アライは要指導医薬品のため、購入時に薬剤師が関わることが必要です。

解説

なお、2026年5月1日に施行された改正薬機法により、要指導医薬品も、薬剤師がビデオ通話などで服薬指導を行うことを条件に、ネット販売が制度上は可能になりました(厚生労働省)。ただし、アライについてオンライン販売が行われているかは確認できていないため、この記事では「店頭での購入」を前提に説明しています。制度上できることと、実際の販売状況は分けて確認することをおすすめします。

買う前に薬剤師・登録販売者に相談したほうがいい?

相談するのがおすすめです。とくにアライは、購入時に薬剤師の確認が必ずあります。漢方薬は確認が必須ではありませんが、体質に合うかどうかで選ぶ薬なので、相談すると選び間違いが減ります。次の4つを整理しておくとスムーズです。

□ 1. アライを考えている場合

腹囲(へその高さで測った数値)、生活習慣の改善にどう取り組んでいるか(食事や運動の記録があれば持参)、健康診断で血圧・血糖・脂質などの指摘を受けたことがあるか。販売時に薬剤師が確認する内容です。

□ 2. 漢方薬を考えている場合

体力に自信があるか、便秘がちか、汗をかきやすく疲れやすいか——といった体質。同じ「肥満症」向けでも、体質によって合う漢方が変わります。

□ 3. 持病・いま飲んでいる薬

糖尿病・高血圧などで通院中か、飲んでいる薬があるか。お薬手帳を見せるのが確実です。市販薬やサプリメントも対象です。

□ 4. 妊娠・授乳中か、薬のアレルギー

当てはまる場合は必ず伝えてください。

この確認は「買わせないための試験」ではなく、その薬が合う状態かを一緒に確かめるためのものです。正直に答えることが、いちばんの安全につながります。アライが使えるかどうかの最終判断は薬剤師が行います。

内臓脂肪サプリ(機能性表示食品)との違いは?

回答

機能性表示食品は「医薬品」ではありません。「内臓脂肪を減らすのを助ける」といった表示はできますが、病気を治す・確実に痩せるといった効果を示すものではなく、あくまで食生活改善の補助です。

解説

過去には、痩身効果を過度に感じさせる表示が問題になった例もあります。2018年1月、消費者庁は、葛の花由来イソフラボンを配合した機能性表示食品を販売した複数の事業者に対し、景品表示法違反(優良誤認)として課徴金納付命令を出しました。「飲むだけで」「運動や食事制限をしなくても」お腹の脂肪が減るといった、摂取するだけで痩身効果が得られるかのような表示が問題とされ、事業者は表示を裏づける合理的な根拠を示せませんでした(消費者庁)。表示だけで痩せられるかのような印象には注意が必要です。

オンラインのGLP-1ダイエットは安全?

回答

美容・痩身・ダイエットを目的としたGLP-1受容体作動薬の使用は、適応外の使用であり、日本糖尿病学会や日本肥満学会が注意を呼びかけています。

解説

GLP-1受容体作動薬などの肥満症治療薬は、「低体重や普通体重など適応外の体重の人に対して、美容・痩身・ダイエット等の目的で用いる薬剤ではない」と明記されています(肥満症治療薬の安全・適正使用ステートメント2025)。日本糖尿病学会も、美容・痩身・ダイエット目的で自由診療での処方を宣伝する医療広告が見られるとして、適正な処方を求める見解を出しています(日本糖尿病学会)

これらの薬で最も多い副作用は、吐き気・下痢などの消化器症状です。そのほか、低血糖(ほかの血糖降下薬との併用時)や、頻度は低いものの重篤なものとして急性膵炎・胆のう炎なども報告されています(同ステートメント)。オンライン診療などで安易に使う前に、リスクと適応をよく確認することが大切です。海外からの個人輸入品は、品質の保証がなく、健康被害が起きても救済制度の対象外になるため、避けてください。

病院で受けられる肥満治療は?保険は?

回答

「肥満症」と診断されれば、保険診療の対象になります。肥満症は、「肥満に起因ないし関連する健康障害を合併するか、その合併が予測される場合で、医学的に減量を必要とする病態」と定義されています(肥満症診療ガイドライン2022)。具体的には、肥満(BMI25kg/m²以上)に加えて、減量で改善が期待できる健康障害(高血圧・脂質異常症・2型糖尿病など、必須11項目のいずれか)を合併するもの、または内臓脂肪型肥満のものが対象です(同ガイドライン/肥満症治療薬の安全・適正使用ステートメント2025)

解説

薬による治療もありますが、条件は厳格です。

  • ウゴービ(セマグルチド)・ゼップバウンド(チルゼパチド):高血圧・脂質異常症・2型糖尿病のいずれかを有し、「BMI27kg/m²以上+健康障害2つ以上」または「BMI35kg/m²以上」の場合に保険適用。学会認定施設・専門医の体制、6か月以上の食事・運動療法の継続などが前提(肥満症治療薬の安全・適正使用ステートメント2025)
  • サノレックス(マジンドール):BMI35kg/m²以上(高度肥満症)などに限られ、食事・運動療法の補助として、投与は3か月を限度とします。向精神薬に指定された薬です(サノレックス添付文書)

いずれも「生活習慣の改善を行っても効果が不十分な場合に、医師の管理のもとで使う」薬です。

結局、何から始めるのがよい?

回答

肥満症の治療は、食事療法・運動療法・行動療法が基本(第一選択)です。薬物療法は、これらを行っても効果が不十分な場合に検討される位置づけで、あくまで補助です(肥満症治療薬の安全・適正使用ステートメント2025)

解説

肥満症では、減量そのものが目的ではなく、健康障害を予防・改善するための「手段」とされています(肥満症診療ガイドライン2022)。減量目標は「3〜6か月で現体重の3%」です(同ガイドライン)。この「3%」という数字は、減量指導で3%以上減った人に、血糖・血圧・脂質・尿酸・肝機能の有意な改善が認められたことにもとづいています(同ガイドライン)。なお、BMI35kg/m²以上の高度肥満症では、5〜10%が目標とされます(同ガイドライン)

極端な食事制限ではなく、主食・主菜・副菜をそろえたバランスのよい食事を基本に、続けられる範囲で取り組むことが大切です(e-ヘルスネット)

受診を考えたほうがよいのはどんなとき?

回答

健康診断で内臓脂肪や血圧・血糖・脂質の異常を指摘された場合や、肥満に関連する健康障害が疑われる場合は、医療機関への相談をご検討ください。また、市販薬を使っても体重や腹囲が改善しない場合や、副作用が疑われる症状が出た場合も、受診をご検討ください。自己判断で市販薬や個人輸入品に頼る前に、まず自分の状態を知ることが安全な第一歩です。

各製品の詳しい情報

アライは、生活習慣の改善に取り組んでいる人が使う要指導医薬品です。18歳以上・腹囲や健康障害の条件を満たす必要があり、誰でも買えるわけではありません(上記「アライは誰でも買える?」を参照)。漢方薬は体質(証)に合わせて選びます。

アライ 18カプセル(6日分)

大正製薬

2,530円(税込)

分類要指導医薬品
有効成分オルリスタット60mg
剤形カプセル
買える場所薬剤師のいる薬局・薬店(2026年7月時点)
効能・効果腹部が太めな方の内臓脂肪および腹囲の減少(ただし生活習慣の改善に取り組んでいる場合に限る)
使えない人18歳未満/BMI35kg/m²以上/BMI25kg/m²以上35kg/m²未満で健康障害の診断を受けている人 など

情報に誤りがある場合は、こちらからご連絡をお願いいたします。

ナイシトールZa 105錠

小林製薬

2,310円(税込)

分類第2類医薬品
有効成分防風通聖散エキス(満量5,000mg)
剤形錠剤
買える場所店頭・ネット通販
効能・効果体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの「肥満症」など

情報に誤りがある場合は、こちらからご連絡をお願いいたします。

ツムラ漢方大柴胡湯エキス顆粒

ツムラ

2,640円(税込)

分類第2類医薬品
有効成分大柴胡湯エキス(1/2量)
剤形顆粒
買える場所店頭・ネット通販
効能・効果体力が充実している人の「肥満症」など

情報に誤りがある場合は、こちらからご連絡をお願いいたします。

コッコアポL錠 60錠

クラシエ

1,100円(税込)

分類第2類医薬品
有効成分防已黄耆湯エキス(満量3,200mg)
剤形錠剤
買える場所店頭・ネット通販
効能・効果体力中等度以下で、疲れやすく汗をかきやすい人の「肥満症(水ぶとり)」など

情報に誤りがある場合は、こちらからご連絡をお願いいたします。

※漢方薬は、同じ処方を複数のメーカーが販売しています。掲載製品は「効能に肥満症を明記」「満量処方(生薬を規定量まで配合)」「メーカーの偏りを避ける」という客観的な基準で選びました。防已黄耆湯は満量処方のコッコアポL錠を、大柴胡湯は市販品がすべて1/2量で横並びのため、メーカー分散と入手性からツムラ製を選んでいます。

掲載している市販薬は記載した効果・効能があることを保証したものではありません。ご購入にあたっては、各商品の公式サイトなどをご確認ください。

掲載基準(この記事の中立性について)

この記事は、特定の商品を勧めたり販売したりするものではありません。市販薬は次の基準で選んで掲載しています。

  • 同じ有効成分は1製品まで(重複を避ける)
  • 同じメーカーに偏らない
  • 検索順位や広告の順番では選ばない
  • 有効成分の効能に、テーマとなる症状(肥満症・内臓脂肪の減少など)が含まれることを添付文書で確認する

なお、ウゴービなどの医療用医薬品(病院で処方される薬)は、市販薬の「掲載候補」ではなく、「病院で受けられる治療」の事実として紹介しています。

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本記事は情報の正確性を担保するため、以下のフローを経て作成・公開されています。

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(参考文献)

  • 日本肥満学会 肥満症診療ガイドライン2022(第5章「治療目標」:減量目標は3〜6か月で現体重の3%、高度肥満症は5〜10%)
  • 日本肥満学会ほか 肥満症治療薬の安全・適正使用に関するステートメント(2025年4月10日改訂)
  • 各製品の添付文書(KEGG MEDICUS)アライ:https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_otc?japic_code=K2403000019
  • 各製品の添付文書(KEGG MEDICUS)防風通聖散(ナイシトールZa/満量5,000mg):https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_otc?japic_code=J2001000063
  • 各製品の添付文書(KEGG MEDICUS)大柴胡湯(ツムラ漢方大柴胡湯エキス顆粒):https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_otc?japic_code=J0601010033
  • 各製品の添付文書(KEGG MEDICUS)防已黄耆湯(コッコアポL錠/クラシエ・満量3,200mg):https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_otc?japic_code=J0601010549
  • 各製品の添付文書(KEGG MEDICUS)サノレックス(医療用):https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00007131
  • 日本糖尿病学会 GLP-1受容体作動薬等の適応外使用に関する見解
  • 厚生労働省 2026年5月1日施行の医薬品販売制度の改正
  • 厚生労働省 e-ヘルスネット(肥満・メタボリックシンドローム予防の食事)
  • 消費者庁 景品表示法にもとづく課徴金納付命令(2018年1月19日、葛の花由来イソフラボン配合の機能性表示食品・複数事業者):https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/fair_labeling_180423_0001.pdf

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