メタボリックシンドロームの腹囲の基準はなんですか？

メタボリックシンドロームの診断において、腹囲（ウエスト周囲径）は、その根幹である内臓脂肪の蓄積を評価するための非常に重要な指標です。

日本の診断基準では、腹囲が以下の基準値以上であることが、メタボリックシンドロームと診断されるための必須項目と定められています。

• 男性：85cm 以上
• 女性：90cm 以上

この基準値は、日本人の体格データを基に、内臓脂肪の面積が100㎠以上に相当する腹囲として設定されました。内臓脂肪面積100㎠は、高血圧や高血糖、脂質異常といった代謝異常の合併リスクが急増する境目と考えられています。測定方法は、立った状態で軽く息を吐き、おへその高さで水平にメジャーを巻いて測ります。

なぜ女性のほうが基準値が大きいのか、疑問に思われるかもしれませんが、これは男性と女性で脂肪のつき方が異なるためです。女性は皮下脂肪がつきやすく、同じ腹囲でも男性に比べて内臓脂肪の量は少ない傾向にあります。そのため、男性と同じレベルの内臓脂肪蓄積リスクを示す腹囲の数値が、女性の方が大きくなっています。

健康診断などでこの腹囲の基準値を超えていると指摘された場合は、他のリスク項目（血圧・血糖・脂質）と合わせて、メタボリックシンドロームに該当するかどうかを確認する必要があります。