「メタボリックシンドローム」とはどのような病気ですか?
内臓脂肪型肥満に加え、高血圧、高血糖、脂質異常のうち2つ以上を合併した状態です。動脈硬化を進行させ、心筋梗梗塞や脳卒中のリスクを高めます。
メタボリックシンドロームは、単一の病気ではなく、内臓脂肪型肥満を土台として、高血圧、高血糖、脂質異常といった生活習慣病のリスク因子が複数重なった状態のことを指します。これらは個々でも健康によくありませんが、複数が重なることで相乗的に動脈硬化を進行させ、将来的に心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる病気を引き起こす危険性が飛躍的に高まります。
日本の診断基準では、まず必須項目として内臓脂肪の蓄積(ウエスト周囲径が男性85cm以上、女性90cm以上)があり、それに加えて、以下の3項目のうち2つ以上が当てはまるとメタボリックシンドロームと診断されます。
- 高血圧:収縮期(上)血圧130mmHg以上、または拡張期(下)血圧85mmHg以上
- 高血糖:空腹時血糖値110mg/dL以上
- 脂質異常:中性脂肪150mg/dL以上、またはHDL(善玉)コレステロール40mg/dL未満
メタボリックシンドロームは、まだ本格的な病気を発症していない「予備軍」の段階であり、生活習慣を見直すことで改善が可能です。そのため、健康診断などで指摘された場合は、将来の重篤な病気を予防するための重要な警告サインと捉え、食事や運動などの生活習慣改善に早期に取り組むことが非常に重要です。
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(参考文献)
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福岡ハートネット病院、井林眼科・内科クリニック 糖尿病・内分泌科 福岡ハートネット病院 糖尿病内科部長
井林 雄太 監修
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