
内臓脂肪を効率よく減らす食事の対処法を教えてください。まず何から変えればよいですか?
はまさき医院 糖尿病・内分泌科
内臓脂肪を減らすには、食物繊維を毎食摂ること、赤肉・加工肉を控えて魚や大豆製品に置き換えること、夕食の時間を早めることが基本とされています。
内臓脂肪と食事の関係|食事改善が内臓脂肪に影響しやすい理由
内臓脂肪はエネルギーの一時的な貯蔵庫としてはたらくため、食事からの過剰なエネルギー摂取に反応してつきやすく、逆に食事の改善によって比較的落としやすいとされています。内臓脂肪はBMIとは独立したメタボリックシンドロームのリスク因子であり、内臓脂肪面積の変化が代謝リスクの変化と直接関連することが大規模研究で報告されています[JACC Cardiovasc Imaging. 2014;7(12):1221-1235.]。つまり、体重の大幅な減少がなくても、内臓脂肪が減ることで健康指標が改善する可能性があります。
内臓脂肪を減らすために変えるべき3つの食習慣
18か月間のRCTでは、緑茶・クルミなどのポリフェノールを多く含む食品と植物性タンパク質を強化した食事パターンが、標準的な健康食と比べて内臓脂肪を約2倍多く減少させたと報告されています(−14.1% vs −6.0%)。内臓脂肪の減少は赤肉の摂取量の削減および食物繊維の摂取量の増加と関連していました[BMC Med. 2022;20:327.]。
この研究結果を日常に取り入れやすい形にすると、以下の3つの習慣変更が検討できます。
1つ目は、食物繊維を毎食摂ることです。野菜・海藻・きのこ・豆類・全粒穀物などを毎食1品は取り入れることが推奨されます。食物繊維は食後の血糖値の急上昇を抑えるほか、腸内細菌のエサとなって短鎖脂肪酸の産生を促す可能性があり[Nutrition. 2016;32(2):217-221.]、内臓脂肪の蓄積を抑える方向にはたらくと考えられています。
2つ目は、赤肉・加工肉を控え、魚・大豆製品に置き換えることです。赤肉(牛・豚の脂身の多い部位)やハム・ソーセージなどの加工肉を週の半分以上は魚や豆腐・納豆に置き換えることで、飽和脂肪酸の摂取を減らしつつ良質なタンパク質を確保できます。
3つ目は、夕食の時間を就寝2~3時間前までを目安にすることです。遅い時間の食事は脂肪の蓄積につながりやすいとされています[J Clin Endocrinol Metab. 2020;105(8):2789-2802. ]。夕食が遅くなる場合は、分食(早い時間に軽く食べ、帰宅後に補う)も一つの方法です。
極端なカロリー制限は逆効果になる可能性
内臓脂肪を早く落としたいと思い、極端に食事量を減らす人がいますが、これはかえって逆効果になる可能性があります。エネルギー摂取が極端に少なくなると体が省エネモードに入り、基礎代謝が低下します。また、筋肉量も減りやすくなるため[Nutrients. 2024;16(19):3328.]、リバウンドしやすい体になってしまう可能性があります。1日あたり200〜300kcal程度のゆるやかなエネルギー制限を続けるほうが、内臓脂肪を持続的に減らすうえで現実的と考えられています[Nutr J. 2018;17(1):28. ]。
内臓脂肪を減らす食事改善のうえで日常生活の工夫として検討が推奨される点

特に重要とされるのは、極端なカロリー制限ではなく、食事の「質」を変えることと考えられています。
ここだけは伝えたいメッセージ
内臓脂肪を減らすのに大がかりな食事制限は必要ありません。毎食に野菜を1品足す、週に数回は肉を魚に替えるなど、小さな習慣の積み重ねが大切です。完璧を目指さず、続けられることから始めてみましょう。
ただし、健診でウエスト周囲径(男性85cm・女性90cm以上)を指摘されたうえで、血圧・血糖・脂質のうち2項目以上に異常がある場合は、メタボリックシンドロームの可能性があります。このような場合は、医療機関への受診をご検討ください。
まとめ:内臓脂肪を減らす食事のポイント
- 食物繊維を毎食摂る:野菜・海藻・きのこ・豆類を意識的に食事に加えることが推奨されます
- 赤肉・加工肉を控える:週の半分以上を魚や大豆製品に置き換えることが検討されます
- 夕食は早めに済ませる:就寝3時間前までに食べ終えることが望ましいとされています
- 極端な制限は避ける:1日200〜300kcal程度のゆるやかなエネルギー制限が現実的と考えられています
- 受診の目安:メタボリックシンドロームの診断基準に該当する場合は、医療機関への受診をご検討ください
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