カンジダ(腟カンジダ)
「カンジダ症」とは、ストレスなどによって皮膚や粘膜に常在するカンジダ菌が異常に増殖する病気です。高齢者の口腔内や女性の生殖器で見られやすく、腟内で異常に増殖した状態を「腟カンジダ」と呼びます。「腟カンジダ」では性器のかゆみや、酒かすのようなおりものがみられます。薬を使って1週間程度で治療することができます。症状がある場合には婦人科を受診しましょう。
松本レディースIVFクリニック/成育医療研究センター 産婦人科 共同研究員
藤井 達也 監修
病気について
カンジダとは真菌(カビ)の一種です。無症状のことも多いですが、口腔内や腟内などで異常に増殖すると白色や赤色の斑点を伴い、「カンジダ症」と言われる病気となります。
症状を伴うカンジダ症の場合には、自然治癒を期待せずに治療を行うのがよいでしょう。
カンジダ症は一般的には人から人へと感染する性病とは考えられていません。
症状がおさまるまで性交渉は控えましょう。治療期間は通常1〜2週間です。
綿棒で拭っても治療効果は期待できません。出血などのリスクもあるためあまり推奨できません。
頻繁に繰り返すこともありますが、治療の種類や投与期間を変更することで治療できることが多いです。
はい。カンジダ菌という菌(真菌)による感染症です。
カンジダによる生理周期等への影響はないと言われています。生理中の薬の使用は、医師等にご相談ください。
お風呂での感染は一般的ではありませんが、注意は必要です。
比較的若い世代に多い病気であり、10代や20代の若年層も腟カンジダになるリスクはあります。
通常のカンジダであっても、薬への反応が悪く治りづらいこともあります。
医師の指示に従い、適切な治療を受けることが重要です。放置すると赤ちゃんに影響する可能性があります。
原因となる病原体や症状、治療法が異なります。
抗真菌薬の投与期間の延長などが考慮されます。
刺激の少ないせっけんを使って、優しく丁寧に洗いましょう。
併発する可能性はあります。
現時点では、特定の食品を摂取することでカンジダが早く治るというデータはありません。
はい、糖尿病では発症しやすい傾向があります。
症状について
免疫力の低下や抗菌薬の使用、妊娠などがカンジダ症の主な原因とされています。痒みやヒリヒリした不快感を感じることが多いです。
性器の痒みや白っぽいおりものが見られることが多いです。
性器の痒みがおさまる、おりものが通常の状態に戻るなどがサインです。
腟カンジダでは、白く粘度の高い特徴的なおりものが見られます。
亀頭のかゆみなどの原因となることがあります。
通常治療開始後、1週間以内に改善します。
病気がカンジダではない場合や、うまく薬を入れられていない場合があります。病院を受診しましょう。
かゆみは皮膚カンジダ症や腟カンジダ症の典型的な症状ですが、かゆみがないこともあります。
はい、白いねばねばしたおりものがみられることがあります。
カンジダで黄緑色のおりものがみられることは一般的ではありません。
はい、カンジダの可能性は否定できません。
はい、カンジダの可能性はあります。
恥垢は新陳代謝による老廃物で、カンジダは感染症の症状として特徴的なおりものになります。
はい、排尿痛がみられることがあります。
症状としては、一般的ではありません。
はい、痛みを感じる可能性はあります。
カンジダが体内の血液などの深部に広がった場合には発熱しますが、外陰部や口腔内のカンジダではまれです。
受診について
症状がある場合には、産婦人科を受診しましょう。
オンライン診療に対応している医療機関であれば可能だと思いますが、婦人科診察をすることができないため正確な診断は難しいでしょう。
オンラインで購入可能ですが、処方箋が必要な場合は、購入にあたって医師の診察が必要です。
生理中でも病院の受診は可能です。
治療について
検査について
一般的に、症状がある部分から採取した検体を使い、カンジダ菌の分離・同定を行う検査を行います。
カンジダの検査は婦人科でできます。
あります。顕微鏡による検査で直接菌の有無を確認する検査です。
検査方法によって異なります。
「カンジダ陽性」と結果が出た場合は、カンジダ菌に感染しています。
個人差がありますが、一般的に強い痛みを伴うものはありません。
症状があって医師の指示があれば、基本的に健康保険が適用されます。
検査の種類や健康保険適用の有無、保険の負担割合によって異なります。
男性の場合、尿道炎の症状があれば、尿検査でカンジダの有無を調べることがあります。
速やかに医療機関を受診しましょう。
検査自体は可能ですが、検査結果が不正確になる可能性があります。
説明書の通りに検体を採取し、検査機関に郵送しましょう。
取り扱いがある薬局であれば購入可能です。
症状がなく生活に支障がなければ、特別な治療や制限をする必要はないでしょう。
一般的なカンジダ感染症を正確に診断するのは、難しい場合が多いです。
カンジダの存在がわかることもあります。
腟から分泌物を採取して培地に移し、カンジダが増殖するかどうかを数日間観察する検査です。
主に感染が疑われる陰部などからの検体を採取し、その中にカンジダ菌が存在するかどうかを直接観察します。
「検査した施設の基準では多量のカンジダ菌が存在する」という状態です。
「検査した施設の基準では中程度の量のカンジダ菌が存在する」という状態です。
「カンジダ菌は存在するものの、検査した施設の基準では少量である」という状態です。
薬について
過去に腟カンジダと診断され、同様の症状がある場合には薬局で市販薬を購入できます。
製剤によっても異なりますが、一般的には数時間以内に溶けると考えられています。
心配は不要です。薬が溶けてカンジダ菌に作用した後に出てきています。
症状が進行する(改善しない)、副作用が起こるなどの可能性があります。
クリームなどの外用剤は白癬(水虫など)や癜風などにも使用されます。
腟カンジダ症や口腔カンジダ症などは、抗菌薬が原因で起こることがあります。
一般的に効果がありません。むしろ免疫力が低下して悪化する可能性があります。
(参考文献)
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