顎の下にしこりができました。がんの可能性はありますか?

顎の下にしこりが出来た場合、まれにがんであることもあります。

解説

顎の下にしこりができる原因はいくつかあります。

リンパ節炎

リンパ節炎は、感染症などによりリンパ節が炎症を起こし、腫れる状態で、顎の下のしこりとしては最も一般的な原因です。腫れたリンパ節は痛みを伴うことが多く、炎症が治まるとしこりとともに痛みも消失します。

唾石

唾石は、唾液腺から出る管の中に小さな石ができる病気です。主に顎下腺に発生し、唾液の流れを妨げるため、顎の下の腫れや痛みを引き起こします。食事中に腫れや痛みが強くなることが特徴です。

顎下腺炎

顎下腺炎は、唾液腺のひとつである顎下腺が感染や唾石、自己免疫疾患によって炎症を起こす病気です。腫れや痛みが顎の下に現れます。急性の場合、痛みが強く、腫れが急速に進行することがあります。

顎下腺腫瘍

顎下腺に発生する腫瘍には、良性と悪性のものがあります。初期症状として顎の下に無痛のしこりが現れることが多いですが、悪性腫瘍の場合は、腫瘍が大きくなるにつれて痛みや顔面神経麻痺が生じることがあります。

正中頸嚢胞

正中頸嚢胞は、胎児期に喉の中央部にできる嚢胞が残存し、顎の下や首の中央部にしこりとして現れる先天性の病変です。通常は無痛ですが、感染すると腫れたり、痛みを伴うことがあります。

悪性腫瘍のリンパ節転移

悪性腫瘍(がん)が他の部位からリンパ節に転移することが原因で、顎の下にしこりができることがあります。進行がんの一部としてみられることがあり、口腔がん喉頭がん、甲状腺がんなどのがんからの転移が疑われる場合があります。

以上のように顎の下にしこりができる原因の多くは良性の病気ですが、まれにがんであることもあります。
しこりが2週間以上続いたり、急に大きくなったりする場合には医療機関を受診することが必要です。

公開日

最終更新日

真生会富山病院 耳鼻咽喉科

阿河 光治 監修

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