急性前立腺炎の場合、主にどのような治療をしますか?
抗菌薬の投与が中心です。軽症は飲み薬、重症は入院して点滴で投与し、適宜解熱鎮痛薬なども併用します。
急性前立腺炎の治療の基本
急性前立腺炎は、主に細菌の感染によって前立腺に炎症が起こる病気です。治療では、原因となる細菌を排除するための抗菌薬(こうきんやく)が中心となります(JAID/JSC感染症治療ガイド2023)。症状の程度に応じて、飲み薬による外来治療で治療可能な場合と入院での点滴治療が必要な場合など対応が異なります。
急性前立腺炎の原因となる細菌
急性前立腺炎の原因として最も多いのは、大腸菌(だいちょうきん)をはじめとする腸内の細菌です。全体の約65〜87%を大腸菌が占めるとされています(Matsumoto et al. 2021)。これらの細菌が尿道から前立腺に侵入し、急激な炎症を引き起こします。
急性前立腺炎で使われる抗菌薬
急性前立腺炎の治療では、前立腺の組織に届きやすい種類の抗菌薬が選ばれます。軽症の場合は飲み薬の抗菌薬が処方され、外来で治療を行うことが可能です(JAID/JSC感染症治療ガイド2023)。重症の場合や、高熱や強い全身症状がある場合は、入院のうえ点滴による抗菌薬の投与が必要になることがあります。耐性菌の状況が地域によって異なるため、選ばれる薬も地域によって異なります。
急性前立腺炎が重症化した場合の治療
高熱が続く場合や、血液中に細菌が入り込む菌血症、さらに他の臓器にも影響のある敗血症(はいけつしょう)が疑われる場合は、入院して点滴による強力な抗菌薬治療が行われます。また、まれに前立腺の中に膿(うみ)がたまる前立腺膿瘍(ぜんりつせんのうよう)を同時に起こすことがあり、その場合は抗菌薬をさらに長めに使用し、必要時には膿を排出する処置が必要になることもあります(Matsumoto et al. 2021)。つらい痛みや発熱に対しては、症状をやわらげる治療(対症療法)として解熱鎮痛薬なども併せて行われます。
急性前立腺炎の治療期間と注意点
急性前立腺炎の抗菌薬による治療期間は、一般的に2週間、重症な場合は4週間治療することもあります。途中で症状が改善しても、細菌を十分に排除するために、医師の指示どおりに最後まで薬を飲みきることが大切です。発熱や排尿時の痛み、下腹部の痛みなどの症状がある場合は、早めに泌尿器科への受診をご検討ください。
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(参考文献)
Masahiro Matsumoto et al. AAUS guideline for acute bacterial prostatitis 2021. J Infect Chemother. 2021, 27, p.1277-1283.
JAID/JSC感染症治療ガイド・ガイドライン作成委員会.JAID/JSC感染症治療ガイド2023. ライフサイエンス出版株式会社.
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編集・監修基準について
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東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科
秋元 隆宏 監修
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