メルケル細胞癌の各ステージまたは再発がんでは、それぞれどのような治療法がありますか?

リンパ節転移や遠隔転移の有無に応じて治療を選択します。手術、放射線治療、化学療法の組み合わせが一般的です。

解説

メルケル細胞癌の各ステージ別の治療方法は以下の通りです。

ステージ1・ステージ2(リンパ節転移がない)

  • 腫瘍の摘出手術:腫瘍の部位だけでなく、必要に応じてがんの周りの広い範囲を切除する手術(広範囲局所切除術)と一緒に、近くのリンパ節も取り除く手術(リンパ節郭清術)を行うことがあります
  • 手術後の放射線療法:高エネルギーの放射線を利用してがん細胞を殺傷して、腫瘍を小さくする治療方法です

ステージ3(リンパ節転移がある)

  • 腫瘍の摘出手術:ステージ1、ステージ2と同様
  • 放射線療法:ステージ1、ステージ2と同様
  • 免疫療法:手術で切除できない腫瘍に対しては、がん細胞を攻撃する免疫細胞の力を強める薬(ペムブロリズマブ)を使用した治療方法があります
  • 化学療法:薬を使用してがん細胞の殺傷または増殖を抑える治療方法です

ステージ4(遠隔転移がある)

  • 緩和療法:症状を和らげ生活の質(QOL)を高める緩和療法として放射線療法や化学療法、手術が行われることがあります
  • 免疫療法:ステージ3で使用されるペムブロリズマブの他にも、最近ではアベルマブ(免疫療法の一種である免疫チェックポイント阻害薬)という薬が効果を示すという報告があります

再発がんの治療

  • 手術:以前の手術で切除した範囲よりも多くの組織を切除する広範囲局所切除術に加えてリンパ節郭清術も行われることがあります
  • 手術後の放射線療法:ステージ1、ステージ2と同様
  • 化学療法:ステージ3と同様
  • 緩和療法:ステージ4同様に症状を和らげQOLを高める緩和療法として放射線療法や手術が行われることがあります

国内の症例報告では、多くが腫瘍を取り除く手術が最初の治療方法です。もし手術ができない場合でも、放射線治療でがんを効果的に抑えられることがよくあります。海外の文献によると、手術のみよりも手術に加えて補助的な放射線治療を行なった方が長期間生存する割合が高いという報告もされています。

公開日

最終更新日

東日本橋内科クリニック 循環器内科 院長

白石 達也 監修

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(参考文献)

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