アフリベルセプト ベータ(遺伝子組換え)(ザルトラップⓇ)の作用機序について教えてください。
炎症や血管新生に関わるVEGFなどの物質に結合し、腫瘍の増殖を抑制します。
アフリベルセプト ベータ(遺伝子組換え)(ザルトラップⓇ)は、体内で血管の成長や炎症を引き起こす特定の物質の働きを阻害することで、抗腫瘍作用を発揮します。
このお薬の作用機序
- 標的物質への結合: 薬の成分が、血管の成長を促す「VEGF-A(血管内皮増殖因子)」、VEGF-B、および「PlGF(胎盤増殖因子)」という物質に高い親和性(結合力)で結合します。
- 信号の遮断: これらの物質が、がん細胞の血管にある本来の受け皿(VEGFR)に結合するのを邪魔します。
- 腫瘍増殖の抑制: 信号が遮断されると、腫瘍に栄養を運ぶ新しい血管が作られること(血管新生)や、血管から水分が漏れ出る現象が抑えられます。その結果、腫瘍の増殖が抑制されます。
このお薬は、VEGFの受け皿(VEGFR1とVEGFR2)の一部と、ヒトの抗体(IgG1)の構造を組み合わせて作られた「融合糖タンパク質」です。
無所属 薬剤師
齊藤 由佳 監修
(参考文献)
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