カルフィルゾミブ(カイプロリスⓇ)には、どのような効果がありますか?
がん化した形質細胞(骨髄腫細胞)の増殖を抑える効果が期待できます。
カルフィルゾミブ(カイプロリスⓇ)は、多発性骨髄腫の治療に用いられるプロテアソーム阻害薬という種類の注射剤で、骨髄腫細胞(血液細胞の一種ががん化したもの)の増殖を抑制して、病気の進行を遅らせる効果があります。
多発性骨髄腫は、骨髄で作られる「形質細胞」という血液細胞の一種ががん化することによって起こる病気です。本来、形質細胞は、体の中にウイルスや細菌などの異物を見つけると、抗体を作って攻撃する働きがありますが、これががん化することによって、抵抗力が落ちたり、がん化した形質細胞(骨髄腫細胞)が増えて骨や臓器を障害し、骨折、貧血、息切れ、だるさ、腰痛などの症状を引き起こします。
これに対してこの薬は、骨髄腫細胞が増殖する過程で必要なプロテアソームという酵素の働きを阻害することにより、骨髄腫細胞の増殖を抑制して病気の進行を遅らせ、症状を改善する効果があります。
通常この薬は、治療経験のある患者さんで「再発または難治性の多発性骨髄腫」に用いられます。
山田記念病院 整形外科 整形外科部長
濱畑 智弘 監修
(参考文献)
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