周囲に不審感を抱きやすい
監修医師原瀬 翔平亀田総合病院 脳神経内科
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2022/05/24
概要
周囲に不信感を持ちやすい場合、妄想性パーソナリティ障害や統合失調症、認知症の周辺症状が原因として考えられます。被害妄想が日常生活に影響を及ぼすこともあるとされています。対人関係に支障がある場合は、医療機関への相談を検討してもよいでしょう。
人間不信の原因
人間不信の原因や考えられる病気には何がありますか?
人間不信の原因として、PTSDやパーソナリティや発達の特性が影響することがあります。
人間不信の原因や、人間不信に関連する病気には、いくつかあります。
心的外傷後ストレス障害(PTSD)
自分または近しい人が心的外傷的出来事にさらされることで、出来事に関連する苦痛な記憶や感情を呼び起こす人を避けたり、他者に対して否定的な信念を持ったり、人に対してイライラしたり怒ったり、過剰に警戒したりすることがあります。
発達障害
コミュニケーションに苦手さをもつことがあり、他者との関係の取り方がうまくいかなかったり、いじめにあったりした経験から、人間不信になりやすい傾向を持つ方がいらっしゃいます。
猜疑性パーソナリティ障害
他人の動機を悪意あるものと解釈するといった、広い範囲の不振と疑い深さが特徴です。十分な根拠もないのに、他人が自分を利用する、危害を耐える、またはだますという疑いを持ったり、友人または仲間の誠実さや信頼を不当に疑ったり、情報が自分に不利に用いられるという根拠のない恐れのために、他人に秘密を打ち明けたがらなかったりすることがあります。
回避性パーソナリティ障害
好かれていると確信できなければ人と関係をもちたがらなかったり、批判や拒絶を恐れて対人関係を積極的に築けなかったりします。
検査・診断
人間不信の症状のセルフチェックはできますか?
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
セルフチェックだけで人間不信の有無を判定することは困難ですが、人間不信の傾向があるかどうか、病院に行く必要があるかについては、以下の質問が役に立つかもしれません。
- 対人関係をうまく築くことができない
- 他人から嫌がらせを受けているような気がする
- 自分は他人から利用されているのではないかと思う
- 友人や仲間を信頼できない
- 他人と親密な関係を持ちたいと思わない
- 好かれていると確信できなければ、人と関係を持てない
- 人に拒絶されることに恐怖を感じる
- 自分は他人に迷惑をかけていると思う
- 他人からの評価を必要以上におそれる
- 他人に対してイライラしやすかったり、怒りっぽかったりする
また、症状検索エンジン「ユビー」で質問に沿って回答を進めるだけで、人間不信の可能性をセルフチェックすることができます。ぜひご活用ください。
人間不信はどのように診断されますか?
生活歴や何をきっかけに人間不信になったのか、他の症状の有無などにより、PTSDなどの診断がつく場合もあります。
”人間不信”というのは、診断名でも病気の症状でもないため、直接診断されることはないでしょう。
ただ、人間不信の状態になっている場合、それが病気や特性から来るものかどうかについて評価することで、解決法が見つかることはあります。
人間不信という状態を引き起こしうる、心的外傷後ストレス障害や発達特性、パーソナリティ特性については、DSM-5やICDという診断基準に基づいて診断されます。そのほかにも、PTSDについてはIES-R、パーソナリティ障害についてはPID-5などの心理尺度が用いられることもあります。
人間不信の治療
人間不信の治療や予防方法には何がありますか?
人間不信の治療のためには診断がつけば標準的な治療を受け、困りごとを減らすための配慮を申し出てみましょう。
人間不信の治療としては、適切に診断を受けること、標準的な治療をうけることが重要と考えられます。
薬物療法がすぐに効くことはあまり期待できないかもしれませんが、時間をかけて治療に取り組むことで困難さが軽くなることはあります。また、特定の場面で苦痛が強い場合には、薬物療法の力を借りて苦痛を和らげることもあります。
予防方法としては、人間不信を引き起こすような心的外傷的出来事を予防することや、困難な人間関係を予測して回避することがありますが、必ずうまくいくとは限りません。
発達特性やパーソナリティ特性のために、なかなか他人が信頼できない、特定のシチュエーションが苦手である、という場合には、学校や会社において配慮を申し出ることができます。
例えば、発達特性でコミュニケーションがうまくいかず他人を信じられない場合には、営業などの対人業務ではなく、他人との関わりが少ない業務に異動することで困りごとが解消することもあります。
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この記事の監修医師
原瀬 翔平
亀田総合病院 脳神経内科・内科
University of Washington (理学部、分子細胞生物学) 卒業後、アップルジャパン株式会社勤務を経て、琉球大学医学部に入学。沖縄県立中部病院での初期臨床研修(2016, 2017年度最優秀研修医賞受賞)修了後、2018年4月に亀田総合病院に入職。同院脳神経内科ベスト指導医(2019, 2020)を受賞。2018年から亀田総合病院卒後研修センター長補佐も兼任しており、臨床だけでなく研修病院における医学教育にも力を入れている。2021年には国立循環器病研究センター脳血管内科で超急性期脳卒中診療を行う。 総合内科の視野を持ちながらの脳神経内科領域、特に脳卒中を専門とする。急性期だけでなく予防、慢性期脳卒中による症候性てんかん、高次脳機能評価、リハビリ、等にも精通。頭痛、しびれ、物忘れ等の主訴にも柔軟に対応できる。 日本語、英語(ネイティブ)、中国語(日常会話)での対応も可能。
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2022/05/24