

はまさき医院 糖尿病・内分泌科
ピラティスは体幹の安定を重視する運動です。お腹まわりを鍛えたいならピラティス、柔軟性やバランスを整えたいならヨガを目安に選んでみましょう。
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ヨガとピラティスの違い|重視するポイントと種類
ピラティスは、体幹の安定や筋力、柔軟性、姿勢、呼吸などに重点を置いた、心と体を一緒に使う運動と定義されています[Complement Ther Med. 2012;20(4):253-62.]。体幹とは、お腹や背中など胴体まわりのことです。床にマットを敷いて行う方法と、専用の器具を使う方法の2種類があります[Complement Ther Med. 2012;20(4):253-62.]。
一方でヨガには、ハタ、ヴィンヤサ、アシュタンガ、アイアンガー、ビクラムなど、さまざまな流派があります[Osteoporos Int. 2025;36(2):193-224.]。ここからは、それぞれの効果を調べた研究をもとに、目的別の違いを整理します。
ピラティスの効果|腹筋の持久力を高めたい人に
健康な成人を対象とした複数の研究を統合した分析では、運動をしない場合と比べ、ピラティスを週2〜3回、5〜12週続けると腹筋の持久力が高まったと報告されています[J Sports Med Phys Fitness. 2016;56(7-8):864-73.]。1分間の上体起こしの回数は、平均で約10回増えていました[J Sports Med Phys Fitness. 2016;56(7-8):864-73.]。
一方、同じ分析では柔軟性にははっきりした差がみられませんでした[J Sports Med Phys Fitness. 2016;56(7-8):864-73.]。バランスや生活の質の改善は、一部の研究で報告されている段階です[J Sports Med Phys Fitness. 2016;56(7-8):864-73.]。こうした結果から、ピラティスはお腹まわりの筋肉を鍛え、体幹を安定させたい人に合いやすい運動と考えられます。
ヨガの効果|柔軟性・バランスと心の健康を幅広く
特定の病気のない60歳以上の方を対象とした複数の研究を統合した分析では、運動をしない場合と比べ、ヨガでバランス、下半身の柔軟性、脚の筋力が改善しました[Int J Behav Nutr Phys Act. 2019;16(1):33.]。気分の落ち込み、睡眠の質、活力にもよい変化がみられています[Int J Behav Nutr Phys Act. 2019;16(1):33.]。ウォーキングなどの運動と比べても、脚の筋力と下半身の柔軟性で上回り、気分の落ち込みもより軽くなっていました[Int J Behav Nutr Phys Act. 2019;16(1):33.]。
健康な人を対象とした分析でも、ヨガでバランスが改善したと報告されていますが、根拠の確かさは低いとされています[Osteoporos Int. 2025;36(2):193-224.]。また健康な成人では、何もしない場合と比べてヨガで心の健康(心の満足感や充実感)が高まったと報告されています[J Altern Complement Med. 2017;23(7):505-517.]。ただし、ほかの運動と比べると差はなく、根拠はまだ弱いとされています[J Altern Complement Med. 2017;23(7):505-517.]。
ヨガとピラティスの選び方|目的と運動習慣に合わせて
お腹まわりの筋肉を鍛えたい人はピラティス、柔軟性やバランスを幅広く整えたい人はヨガが、それぞれ選択肢になります。上で紹介した研究で改善が報告された項目が、選ぶときの目安になります。
厚生労働省の指針では、成人には筋力トレーニングを週2〜3日行うことがすすめられています[厚生労働省. 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023.]。高齢の方には、有酸素運動、筋力トレーニング、バランス運動、柔軟運動などを組み合わせた運動を週3日以上とることがすすめられています[同上]。あわせて、体力の個人差をふまえ、強さや量を調整しながらできることから取り組む姿勢が示されています[同上]。ヨガやピラティスも、この目安を参考に週の運動習慣の中に組み込んでみてください。
ヨガとピラティスを選ぶうえで日常生活の工夫として検討が推奨される点

特に重要とされるのは、ヨガとピラティスで報告されている効果が異なることを踏まえ、自分の目的に合わせて選ぶことだと考えられています。
ここだけは伝えたいメッセージ
ヨガもピラティスも、目的に合わせて選ぶことで、自分に合った運動習慣づくりのきっかけになります。効果には個人差があります。体を動かしたときに痛みや強い違和感がある場合は、無理をせず医療機関への相談をご検討ください。
まとめ:ヨガとピラティスは目的で選ぶ
- ピラティスの特徴: 体幹の安定・姿勢・呼吸を重視し、マットと器具の2種類がある
- ピラティスの効果: 週2〜3回・5〜12週で腹筋の持久力が高まったと報告されている。柔軟性でははっきりした差がみられていない
- ヨガの効果: 60歳以上の方でバランス・下半身の柔軟性・脚の筋力・気分の落ち込みなどの改善が報告されている。健康な成人の心の健康への効果は、ほかの運動と比べると根拠がまだ弱い
- 選び方: お腹まわりを鍛えたいならピラティス、柔軟性やバランスを幅広く整えたいならヨガが選択肢になる
- 運動習慣: 公的な指針の目安(成人は筋力トレーニング週2〜3日、高齢の方は組み合わせた運動を週3日以上)を参考にする
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(参考文献)
Wells C, Kolt GS, Bialocerkowski A. Defining Pilates exercise: a systematic review. Complement Ther Med. 2012;20(4):253-62.
Campos RR, Dias JM, Pereira LM, et al. Effect of the Pilates method on physical conditioning of healthy subjects: a systematic review and meta-analysis. J Sports Med Phys Fitness. 2016;56(7-8):864-73.
Sivaramakrishnan D, Fitzsimons C, Kelly P, et al. The effects of yoga compared to active and inactive controls on physical function and health related quality of life in older adults- systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials. Int J Behav Nutr Phys Act. 2019;16(1):33.
Hendriks T, de Jong J, Cramer H. The Effects of Yoga on Positive Mental Health Among Healthy Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis. J Altern Complement Med. 2017;23(7):505-517.
Bajaj P, Nagendra L, Bajaj A, Samuel M, Chandran M. Effect of yoga on balance, falls, and bone metabolism: a systematic review of randomized controlled trials in healthy individuals. Osteoporos Int. 2025;36(2):193-224.
厚生労働省. 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023(概要).https://www.mhlw.go.jp/content/001194020.pdf.(参照 2026-10-29).







