

はまさき医院 糖尿病・内分泌科
運動選手向けの目安では、しっかりした食事は運動の4〜6時間前ごろ、直前なら30〜60分前に軽食程度です。脂質や食物繊維は控えめがよいとされます。
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運動前の食事のタイミング|食事は数時間前、軽食は30〜60分前が目安
運動前の食事のタイミングは、運動選手向けにスポーツ栄養の専門団体が示した推奨が目安になります。しっかりした食事は運動の約4〜6時間前にとり、30〜60分前には糖質とたんぱく質を含む軽食をとることがすすめられています[J Int Soc Sports Nutr. 2018;15(1):38.]。軽食の量の例としては、糖質50g・たんぱく質5〜10g程度が示されています[同上]。
一方で、運動の直前にたくさん食べると胃腸に負担がかかり、運動中の腹痛や不快感につながるおそれがあるとされています[J Int Soc Sports Nutr. 2017;14:33.]。運動までの時間が短い日は、しっかりした食事ではなく軽食にとどめると、この2つの推奨に沿いやすくなります。なお、これらの目安は運動選手を対象としたもので、散歩のような軽い運動にそのまま当てはまるとは限りません。
運動前の食事の内容|糖質を中心に、脂質・食物繊維は控えめに
強度が高く90分を超えるような運動の前は、数時間前に糖質の多い食事をとることが一般的にすすめられています[J Int Soc Sports Nutr. 2017;14:33.]。米国スポーツ医学会などの共同声明では、運動の数時間前にとる食事は、脂質や食物繊維が少なく、たんぱく質は少なめ〜中程度のものが好ましいとされています。胃腸のトラブルを起こしにくく、食べ物が胃から腸へ送られやすいためです[Med Sci Sports Exerc. 2016;48(3):543-568.]。
男性トライアスロン選手55人の調査では、レース前の食事で食物繊維が多いことが腹部の差し込み(急な腹痛)と、脂質やたんぱく質が多いことが嘔吐と関連していたという報告があります[Int J Sport Nutr. 1992;2(1):48-59.]。ただし因果関係まではわかっていません。一方、運動前の食事を低GI(血糖値が上がりにくい食品)にした場合を調べた分析もあります。持久運動のパフォーマンス(記録や持久力などの運動の成績)がはっきりよくなる利点は認められませんでした[Sports Med. 2017;47(6):1087-1101.]。
運動前の食事は必要?運動の長さによる違い
複数の研究を統合した分析では、運動前に食事をとっておくと、長時間の有酸素運動のパフォーマンスが高まりました。一方、短時間の有酸素運動では、食事をとった場合ととらない場合で差がみられませんでした[Scand J Med Sci Sports. 2018;28(5):1476-1493.]。
この結果から、ジョギングやサイクリングなどを長めに行う日は運動前に食事をとっておくほうが、パフォーマンスを保ちやすいと考えられます。反対に、短い運動であれば、食事をとらずに行っても大きな差は出にくいといえます。
運動前の食事をとるうえで日常生活の工夫として検討が推奨される点
特に重要とされるのは、食べるタイミングと量を運動の予定に合わせることと考えられています。

ここだけは伝えたいメッセージ
運動前の食事は、食べるタイミングと量を少し意識するところから始められます。ご自身の運動の長さや体調に合わせて、無理のない方法を見つけてみてください。運動中に強い腹痛や吐き気がくり返し起こる場合や、持病があって食事と運動の組み合わせに不安がある場合は、医師への相談をご検討ください。
まとめ:運動前の食事は「タイミング」と「量」を意識して
- 食事のタイミング: しっかりした食事は運動の約4〜6時間前、直前なら30〜60分前に軽食が目安
- 直前の食べすぎに注意: 運動の直前にたくさん食べると、腹痛や不快感につながるおそれがある
- 食事の内容: 糖質を中心にし、脂質や食物繊維は控えめにするのが好ましいとされる
- 食品選び: 低GIの食事にしても、持久運動のパフォーマンスがはっきりよくなる利点は認められていない
- 運動の長さで調整: 長めの有酸素運動の前は、食事をとっておくほうがパフォーマンスを保ちやすい
- 目安の対象: 時間や量の目安は運動選手向けで、軽い運動にはそのまま当てはまらないこともある
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(参考文献)
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Kerksick CM, Arent S, Schoenfeld BJ, et al. International society of sports nutrition position stand: nutrient timing. J Int Soc Sports Nutr. 2017;14:33.
Aird TP, Davies RW, Carson BP. Effects of fasted vs fed-state exercise on performance and post-exercise metabolism: A systematic review and meta-analysis. Scand J Med Sci Sports. 2018;28(5):1476-1493.
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Thomas DT, Erdman KA, Burke LM. American College of Sports Medicine Joint Position Statement. Nutrition and Athletic Performance. Med Sci Sports Exerc. 2016;48(3):543-568.
Rehrer NJ, van Kemenade M, Meester W, Brouns F, Saris WH. Gastrointestinal complaints in relation to dietary intake in triathletes. Int J Sport Nutr. 1992;2(1):48-59.







