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夏のお弁当を傷ませない10のルール|保冷・食材・詰め方
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夏のお弁当を傷ませない10のルール|保冷・食材・詰め方

本間 雄貴監修者

富士在宅診療所 一般内科

本間 雄貴

夏のお弁当は「しっかり加熱」「素早く冷ます」「保冷剤で低温を保つ」の3つを徹底することで、食中毒のリスクを減らせます。

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夏のお弁当が傷みやすい理由|細菌が増える温度帯とは

食中毒の原因となる細菌の多くは、常温に近い温度帯で増殖しやすくなります。たとえば腸管出血性大腸菌(O157)は、室温で15〜20分ごとに2倍に増えると報告されています[厚生労働省「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」]。

夏場は気温が高いため、お弁当が長時間この温度帯にさらされやすく、食中毒のリスクが高まります。食中毒の発生要因を調べた大規模な調査では、温度管理の不備が全体の30〜40%に関わっていたとされています[MMWR Surveill Summ. 2025;74(1):1-12.]。この結果は、お弁当作りにおいても温度管理が最も重要なポイントであることを裏付けています。

お弁当の食中毒を防ぐ加熱と冷却のポイント

お弁当のおかずは、中心部の温度が75℃以上の状態を1分間以上保つように加熱することが推奨されています。ノロウイルスが心配される場合は、85〜90℃で90秒以上の加熱が目安です[農林水産省「お弁当づくりによる食中毒を予防するために」]。

加熱後は、できるだけ素早く冷ますことが大切です。ご飯やおかずを熱いまま弁当箱に詰めると、蒸気がこもって水滴になり、細菌の増殖を助けてしまいます[農林水産省「お弁当づくりによる食中毒を予防するために」]。

特に炊いたご飯は注意が必要です。セレウス菌という細菌は、芽胞(がほう)という熱に強い構造物を有し、炊飯の加熱だけでは死滅しません。室温に放置すると30〜37℃が最も増殖しやすい至適温度帯であることも報告されています[J Hyg (Lond). 1974;73(3):433-444.]。

さらに、冷却に時間がかかるほどセレウス菌は増殖しやすくなります。冷却に長時間かかると、菌の数が大幅に増加するという報告もあります[J Food Prot. 2018;81(3):430-436.]。こうした知見は、お弁当のご飯を素早く冷ましてから詰めることの重要性を裏付けています。

夏のお弁当に向く食材・避けたい食材の選び方

水分が多い食材は細菌が増殖しやすいため、夏のお弁当には水分の少ないおかずを選ぶことがポイントです。煮物やおひたしを入れる場合は、汁気をしっかり切ってから詰めることが推奨されています[農林水産省「お弁当づくりによる食中毒を予防するために」]。

生野菜や果物は別の容器に入れると、ほかのおかずへの水分移りを防ぐことができます。また、ハムやかまぼこなどの加工食品も、できるだけ加熱してから詰めることがすすめられています[農林水産省「お弁当づくりによる食中毒を予防するために」]。

お弁当の保冷方法と詰め方の工夫

お弁当を持ち運ぶ際は、保冷剤と保冷バッグを組み合わせて低温を保つことが大切です。細菌の多くは10℃以下で増殖が大幅に遅くなり、-15℃以下ではほぼ増殖が止まるとされています[厚生労働省「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」]。

保冷剤はフタの上に置くと、冷気が下に降りて効率よくお弁当全体を冷やせます。職場や学校で冷蔵庫が使える場合は、到着後すぐに冷蔵庫に入れておくとより安心です。

食中毒予防の基本は「付けない・増やさない・やっつける」の三原則とされています[厚生労働省「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」]。調理前の手洗いやまな板の消毒で菌を「付けない」、保冷で菌を「増やさない」、しっかり加熱で菌を「やっつける」。この3つを意識するだけでも、お弁当の安全性は大きく高まります。

夏のお弁当を安全に保つうえで日常生活の工夫として検討が推奨される点

夏のお弁当を安全に保つために日常生活で検討したい3つのコツと理由をまとめた表です。 1つ目は「しっかり加熱する」で、おかずは中心部75°C以上で1分間以上の加熱を心がけることです。理由は、食中毒の原因菌の多くは十分な加熱で死滅する可能性があるためです。 2つ目は「素早く冷ましてから詰める」で、ご飯やおかずは冷ましてからフタを閉めることです。理由は、温かいまま詰めると蒸気が水滴になり、菌が増殖しやすくなると考えられているためです。 3つ目は「保冷剤と保冷バッグを使う」で、保冷バッグに入れ、フタの上に保冷剤を置くことです。理由は、10°C以下を保つことで菌の増殖速度が大幅に遅くなるとされているためです。

特に重要とされるのは、おかずを「しっかり加熱してから素早く冷ます」という流れを守ることだと考えられています。

ここだけは伝えたいメッセージ

夏のお弁当作りは少しの工夫で食中毒のリスクを減らすことができます。「加熱」「冷却」「保冷」の3つを意識するだけで、家族のお弁当をより安全に保てます。

においや見た目だけでは菌の量を判断できないため、少しでも不安を感じた場合は、食べずに処分することも大切な選択です。体調に異変を感じた場合は、医療機関への相談をご検討ください。

まとめ:夏のお弁当を安全に保つポイント

  • しっかり加熱: おかずは中心部75℃以上で1分間以上加熱し、食中毒の原因菌を死滅させる
  • 素早く冷ます: ご飯やおかずは冷ましてから弁当箱に詰め、蒸気による水分を防ぐ
  • 汁気を切る: 煮物やおひたしは汁気をしっかり切り、生野菜や果物は別容器に入れる
  • 保冷を徹底する: 保冷剤と保冷バッグを組み合わせ、10℃以下を保つ
  • 三原則を意識する: 「付けない・増やさない・やっつける」の食中毒予防三原則を日々のお弁当作りに取り入れる

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(参考文献)

農林水産省「お弁当づくりによる食中毒を予防するために」https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/lunchbox.html,(参照 2026-08-27).
厚生労働省「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/01_00006.html,(参照 2026-08-27).
Gilbert RJ, Stringer MF, Peace TC. The survival and growth of Bacillus cereus in boiled and fried rice in relation to outbreaks of food poisoning. J Hyg (Lond). 1974;73(3):433-444.
Juneja VK, Mohr TB, Silverman M, Snyder OP. Influence of Cooling Rate on Growth of Bacillus cereus from Spore Inocula in Cooked Rice, Beans, Pasta, and Combination Products Containing Meat or Poultry. J Food Prot. 2018;81(3):430-436.
Holst MM, Wittry BC, Crisp C, Torres J, Irving DJ, Nicholas D. Contributing Factors of Foodborne Illness Outbreaks - National Outbreak Reporting System, United States, 2014-2022. MMWR Surveill Summ. 2025;74(1):1-12.

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