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BCAAとプロテインの違いは何ですか?運動するときの選び方を教えてください。
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BCAAとプロテインの違いは何ですか?運動するときの選び方を教えてください。

濵﨑 秀崇監修者

はまさき医院 糖尿病・内分泌科

濵﨑 秀崇

BCAAは必須アミノ酸9種のうち3種だけ、プロテインは全種を含みます。筋肉づくりにはプロテイン、筋肉痛が気になるときはBCAAも選択肢です。

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BCAAとプロテインの違い|必須アミノ酸3種か、全種か

BCAA(分岐鎖アミノ酸)は、バリン・ロイシン・イソロイシンという3つのアミノ酸をまとめた呼び名です。どれも体内でつくれない「必須アミノ酸」ですが、必須アミノ酸は全部で9種あり、BCAAはそのうち3種にあたります。一方、プロテインはたんぱく質を手軽にとるための食品で、たんぱく質には必須アミノ酸が全種含まれています[J Int Soc Sports Nutr. 2017;14:30.]。

筋肉をつくる働き(筋たんぱく質の合成)には、必須アミノ酸が全種必要です。BCAAだけをとると、残りの必須アミノ酸は筋肉の分解でまかなうことになります。そのため、筋肉をつくる働きの高まりには限りがあると考えられています[同上]。これが、BCAAとプロテインのいちばん大きな違いです。

筋肉をつけたいならプロテイン|たんぱく質の目安量

筋トレをしている健康な成人を対象に、複数の研究を統合した分析があります。6週間以上の筋トレ中にたんぱく質を補うと、筋力と除脂肪量(体脂肪を除いた体の重さ)が増えたと報告されています[Br J Sports Med. 2018;52(6):376-84.]。ただし、1日のたんぱく質摂取量が体重1kgあたり約1.6gを超えると、除脂肪量の上乗せは見られませんでした[同上]。たくさんとるほどよい、というわけではないようです。

運動する人の多くでは、1日のたんぱく質は体重1kgあたり1.4〜2.0gで十分とされています。1食あたりは20〜40gが目安です[J Int Soc Sports Nutr. 2017;14:20.]。1食分には、ロイシンに加えて必須アミノ酸がバランスよく含まれることが望ましいとされています[同上]。

BCAAの効果|筋肉痛をやわらげる可能性

筋トレ経験のある若い男性10人の小規模な研究では、筋トレ後にBCAA 5.6gを飲むと筋肉をつくる働きが高まりました。有効成分を含まない飲み物と比べて22%高かったと報告されています[Front Physiol. 2017;8:390.]。BCAAだけでも一定の働きはあります。ただし、必須アミノ酸が全種揃うたんぱく質には及ばないとみられています[J Int Soc Sports Nutr. 2017;14:30.]。

BCAAの効果として注目されているのは、運動の翌日以降に出る筋肉痛です。複数の研究を統合した分析があります。BCAAを補給すると、筋肉に負担の大きい運動のあとの筋肉痛が軽くなったと報告されています。筋肉の傷つき具合を示す血液中の値(クレアチンキナーゼ)も下がっていました[Sports Med Open. 2024;10(1):42.]。複数の研究を統合した別の分析でも、筋肉痛の軽減が示されました。ただし、効果が確認されたのは主にトレーニング経験者で、研究ごとの結果のばらつきも大きいとされています[Amino Acids. 2021;53(11):1663-78.]。

運動するときのBCAAとプロテインの選び方

筋肉をつけたい場合は、まず食事で1日のたんぱく質量を確保します。そのうえで、足りない分をプロテインで補う方法が考えられます。サプリメントは、食事で足りない量と質を補う実用的な手段とされています[J Int Soc Sports Nutr. 2017;14:20.]。

筋肉痛が気になる場合は、BCAAも選択肢のひとつです。ただし、報告されている効果は主にトレーニング経験者でのものです[Amino Acids. 2021;53(11):1663-78.]。また、BCAAは筋肉をつくる材料としてはプロテインの代わりにはならないと考えられています[J Int Soc Sports Nutr. 2017;14:30.]。なお、効果には個人差があります。

BCAAとプロテインを選ぶうえで日常生活の工夫として検討が推奨される点

BCAAとプロテインを選ぶうえで日常生活の工夫として検討したい3つのコツと理由をまとめた表です。 1つ目は「目的で選ぶ」で、筋肉をつけたいならプロテイン、筋肉痛が気になるならBCAAを検討することです。理由は、BCAAとプロテインでは期待される働きが異なると考えられているためです。 2つ目は「たんぱく質は食事を基本にする」で、1日体重1kgあたり1.4〜2.0g、1食20〜40gを目安に、足りない分をプロテインで補うことです。理由は、サプリメントは食事で足りない分を補う実用的な手段とされているためです。 3つ目は「とりすぎない」で、1日体重1kgあたり約1.6gを超えて増やしすぎないことです。理由は、それ以上とっても除脂肪量の上乗せが見られなかったと報告されているためです。

特に重要とされるのは、目的に合わせて選び、食事を基本にすることと考えられています。

ここだけは伝えたいメッセージ

BCAAとプロテインは、違いを知って目的に合わせて選ぶことで、無理なく取り入れやすくなります。どちらも食事の代わりではなく、あくまで補助として活用しましょう。持病がある方や通院中の方、食事制限を受けている方は、取り入れる前にかかりつけ医へ相談することをご検討ください。

まとめ:BCAAとプロテインは目的で選ぶ

  • BCAAとプロテインの違い: BCAAは必須アミノ酸9種のうち3種、プロテインは必須アミノ酸を全種含むたんぱく質をとる食品
  • 筋肉をつけたい場合: 筋肉をつくる働きには必須アミノ酸が全種必要とされ、プロテインで補う方法が考えられる
  • たんぱく質の目安: 1日体重1kgあたり1.4〜2.0g、1食20〜40gが目安。約1.6gを超えても除脂肪量の上乗せは見られなかった
  • BCAAの効果: 筋肉痛をやわらげる可能性が報告されているが、主にトレーニング経験者での結果
  • 基本は食事: サプリメントは食事で足りない分を補う手段

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(参考文献)

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Morton RW, Murphy KT, McKellar SR, et al. A systematic review, meta-analysis and meta-regression of the effect of protein supplementation on resistance training-induced gains in muscle mass and strength in healthy adults. Br J Sports Med. 2018;52(6):376-384.
Jackman SR, Witard OC, Philp A, Wallis GA, Baar K, Tipton KD. Branched-Chain Amino Acid Ingestion Stimulates Muscle Myofibrillar Protein Synthesis following Resistance Exercise in Humans. Front Physiol. 2017;8:390.
Wolfe RR. Branched-chain amino acids and muscle protein synthesis in humans: myth or reality? J Int Soc Sports Nutr. 2017;14:30.
Salem A, Ben Maaoui K, Jahrami H, et al. Attenuating Muscle Damage Biomarkers and Muscle Soreness After an Exercise-Induced Muscle Damage with Branched-Chain Amino Acid (BCAA) Supplementation: A Systematic Review and Meta-analysis with Meta-regression. Sports Med Open. 2024;10(1):42.
Weber MG, Dias SS, de Angelis TR, et al. The use of BCAA to decrease delayed-onset muscle soreness after a single bout of exercise: a systematic review and meta-analysis. Amino Acids. 2021;53(11):1663-1678.

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