

監修者無所属 薬剤師
まず日ごろの食事の量を公的な基準と比べて、足りない成分に見当をつけます。そのうえで、成分の量や問い合わせ先が表示された製品を選ぶのがひとつの目安です。
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マルチビタミンで自分に足りない成分はどう見分ける?
まず、日ごろ食べているものからどれくらいの量をとれているかを確かめることが出発点になります。食品の栄養成分表示などから普段の摂取量を把握し、公的な推奨量や目安量と比べて、不足していそうな量を見積もる手順が示されています[消費者庁 食品に関するリスクコミュニケーション 2017.]。
比べるときの物差しになるのが、国が年齢・性別ごとに定める「日本人の食事摂取基準」で、栄養素ごとに推奨量や目安量などが示されています[厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」]。
マルチビタミンの表示で確認したいポイントは?
製品を選ぶときは、パッケージに原材料名、栄養成分および熱量、摂取方法、摂取するうえでの注意事項、問い合わせ先が書かれているかを確認することがすすめられています[消費者庁 食品に関するリスクコミュニケーション 2017.]。成分の量が分かれば、食事で足りない分をどれくらい補えるかを判断できます。
マルチビタミンで気をつけたい摂りすぎや成分は?
食事摂取基準には、健康を害さないための上限として「耐容上限量(摂りすぎの上限)」が定められている栄養素があり[厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」]、サプリメントでとる量がこれを超えないように意識することが大切です。
複数の製品を同時に使うときにも注意が必要です。健康食品どうしの相互作用についてはほとんどわかっておらず、いくつも同時に使っていると体調不良が起きたときにどの製品が原因かわからなくなるため、種類を増やすときは一種類ずつ増やして体調をよく観察することがすすめられています[消費者庁 食品に関するリスクコミュニケーション 2017.]。
成分によっては注意が必要なものもあります。健常な人を対象に多数の研究をまとめた報告では、1日20〜50mgといった高用量のβカロテンは、喫煙者やアスベストに曝露した人など、もともと肺がんのリスクが高い集団で肺がんのリスクや心血管疾患による死亡を増やす傾向が見られたとしています[JAMA. 2022;327(23):2334-2347.]。
マルチビタミンは病気予防に効果がある?食事とのバランスは?
マルチビタミンは、不足しがちな成分を補う手助けにはなりますが、病気を防ぐ万能薬ではありません。健常な成人を対象に多数の研究をまとめた報告では、ビタミンやミネラルの補給は、がんや心血管の病気、死亡を防ぐ効果がほとんど、またはまったく認められませんでした。マルチビタミンについてのみ、がんにかかる人がわずかに少ない可能性が示されていますが、研究の数が少なく、得られている情報は十分ではありません[JAMA. 2022;327(23):2334-2347.]。
健康を保つ基本は、栄養バランスのとれた食事・適度な運動・十分な休養であり、これに代わる健康食品はないとされています[消費者庁 食品に関するリスクコミュニケーション 2017.]。
マルチビタミンを選ぶうえで日常生活の工夫として検討が推奨される点

ここだけは伝えたいメッセージ
マルチビタミンは、日ごろの食事で足りない成分を補う心強い味方になり得ます。まずは今の食事を見直し、足りていそうな成分に見当をつけることから始めてみましょう。一方で、病気の治療や予防のための医薬品ではなく、食事の代わりになるものでもありません。気になる症状がある場合や、持病があり薬を飲んでいる場合は、自己判断で成分を増やす前に医師や薬剤師にご相談ください。
まとめ:マルチビタミンは食事の補助として上手に選ぶ
- 足りない成分の見分け方: 今の食事の量を把握し、食事摂取基準の推奨量と比べます
- 選び方の目安: 成分の量や問い合わせ先が明記された製品を選びます
- 摂りすぎに注意: 耐容上限量を超えないようにし、複数の製品を使うときは一種類ずつ試します
- 位置づけ: 病気の万能薬ではなく、食事・運動・休養を基本としたうえでの補助と考えます
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(参考文献)
梅垣敬三.【基調講演】健康食品を利用する際の注意すべきポイント. 消費者庁「食品に関するリスクコミュニケーション(健康食品に関する最近の話題-健康食品との付き合い方を考える-)」. https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/food_safety/risk_commu_2017_005/pdf/risk_commu_2017_0005_171226_0001.pdf .(参照 2026-10-17).
厚生労働省.「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書. 2024. https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html .(参照 2026-10-17).
O'Connor EA, Evans CV, Ivlev I, et al. Vitamin and Mineral Supplements for the Primary Prevention of Cardiovascular Disease and Cancer: Updated Evidence Report and Systematic Review for the US Preventive Services Task Force. JAMA. 2022;327(23):2334-2347.







