

監修者医療法人財団コンフォート コンフォート豊平クリニック 内科 消化器科
γ-GTPが高い場合、飲酒習慣の見直しや飲み薬、サプリメントの見直しが数値の改善につながる可能性があります。
γ-GTPとは?数値が高くなる主な原因
γ-GTP(ガンマ・ジーティーピー)は、肝臓や胆管に多く含まれる酵素のひとつです。血液検査でγ-GTPの数値が高い場合、肝臓や胆管になんらかの負担がかかっている可能性があります。
γ-GTPが上昇する主な原因としては、大量の飲酒、脂肪肝などの肝臓の病気、胆管結石、一部の薬の影響などが知られています[Crit Rev Clin Lab Sci. 2001;38(4):263-355.]。特に飲酒は代表的な原因のひとつであり、日常的にお酒を多く飲む方はγ-GTPが高くなりやすい傾向があります。この知見は、γ-GTPが高いと指摘された方が、まず飲酒量を振り返ることの重要性を裏付けるものといえます。
γ-GTPを下げるための禁酒・節酒の効果
飲酒習慣がγ-GTP上昇の原因となっている場合、禁酒によって数値が改善することが報告されています。日頃から適度にお酒を飲む方を対象とした研究では、1か月間の禁酒でγ-GTPの値が低下したことが確認されています。ただし、飲酒を再開すると数値は元の水準に戻ったことも報告されています[Alcohol Alcohol. 2018;53(4):435-438.]。この結果は、γ-GTPの数値を安定的に保つには、一時的な禁酒だけでなく、日常的な飲酒量のコントロールを続けることが大切であることを示しています。日常的な飲酒は徐々に肝機能を低下させるため、継続的な飲酒量のコントロールは、肝臓の健康にとって重要です。
まずは飲酒量を減らす、あるいは休肝日を設けるといった取り組みから始めてみることが推奨されます。
飲んでいる薬やサプリメントを確認する
γ-GTPの上昇は飲酒だけが原因ではありません。お酒をほとんど飲まないのにγ-GTPが高い場合、飲んでいる薬やサプリメントについて確認することをおすすめします。飲み薬の多くは肝臓で代謝され、γ-GTPの数値に影響を与えることがあります。抗てんかん薬をはじめ、複数の薬剤で数値が上がることが知られています。
このようなγ-GTPの上昇は、必ずしも肝臓の障害を示しているとは限らず、薬の影響で酵素が作られやすくなっている状態を反映しているにすぎない場合もあります。飲み薬だけではなく、市販のサプリメントや健康食品の影響でこうした変化がみられることもあります。
こうした場合に重要なのは、自己判断で薬をやめないことです。持病の治療に必要な薬である可能性もあるため、かかりつけの医師に、服用中の薬とγ-GTPの関係について確認してもらいましょう。新しく始めたサプリメントがあれば、そうした情報も併せて伝えることが大切です。
運動で肝臓の脂肪を減らす|体重が変わらなくても効果が期待できる理由
運動もγ-GTPの改善に役立つと考えられています。複数の研究を統合した分析では、運動を継続することで体重が減少しなくても肝臓の脂肪が減少することが示されています[J Hepatol. 2012;57(1):157-66.]。この知見は、「体重が思うように減らない」という方にとっても、運動を続けること自体に肝臓へのよい影響が期待できることを意味しています。
ガイドラインでは、1回30~60分の有酸素運動(ウォーキングやジョギングなど)を週3~4回行うことが推奨されています[J Gastroenterol. 2021;56(11):951-963.]。いきなりハードな運動をする必要はなく、まずは日常の中で歩く時間を増やすなど、無理のない範囲で体を動かす習慣をつけることが大切です。
γ-GTPの数値を下げるうえで日常生活の工夫として検討が推奨される点

ここだけは伝えたいメッセージ
γ-GTPの数値が高いと指摘されると不安に感じるかもしれませんが、飲酒量の見直しや食事・運動の工夫で改善が期待できるケースは少なくありません。毎日の小さな積み重ねが、肝臓の健康を守ることにつながります。
一方で、禁酒や生活習慣の見直しを続けてもγ-GTPの数値が下がらない場合や、数値が極端に高い場合は、肝臓や胆管の病気が隠れている可能性もあります。そのような場合は、早めに医療機関への受診をご検討ください。
まとめ:γ-GTPが高い時に取り組みたい生活習慣の見直し
- 飲酒習慣の見直し: 禁酒によりγ-GTPの数値が低下したという報告があり、休肝日を設けるなど飲酒量の管理が推奨されます
- 薬やサプリメントの確認: 薬剤性のγ-GTP上昇もあり得ます。中止するかは主治医と相談しましょう
- 数値が改善しない場合: 生活習慣を見直しても数値が下がらない場合は、医療機関への受診をご検討ください
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(参考文献)
J B Whitfield.Gamma glutamyl transferase.Crit Rev Clin Lab Sci. 2001;38(4):263-355.
Katsutoshi Tokushige et al.Evidence-based clinical practice guidelines for nonalcoholic fatty liver disease/nonalcoholic steatohepatitis 2020.J Gastroenterol. 2021;56(11):951-963.
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I D Munsterman et al.Biochemical Effects on the Liver of 1 Month of Alcohol Abstinence in Moderate Alcohol Consumers.Alcohol Alcohol. 2018;53(4):435-438.
Shelley E Keating et al.Exercise and non-alcoholic fatty liver disease: a systematic review and meta-analysis.J Hepatol. 2012;57(1):157-66.
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