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シカ(センテラアジアチカ)はなぜ肌荒れケアの成分として選ばれてきたのですか?
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シカ(センテラアジアチカ)はなぜ肌荒れケアの成分として選ばれてきたのですか?

髙岡 真梨子監修者

平塚市民病院 皮膚科

髙岡 真梨子

シカは、肌の保湿と肌をすこやかに保つ働きが期待され、選ばれてきたとされています。

食事や市販のケアで届かないと感じたときは、医師に相談して処方を受けるという選択肢もあります。

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シカ(センテラアジアチカ)とは?肌荒れケアで注目される理由

シカは、センテラアジアチカという植物の抽出成分を指す呼び方です。アジアの一部地域では、古くから肌のお手入れに使われてきた植物としても知られています。近年は、この植物由来の成分が、肌のうるおいを保つ働きや、肌をすこやかな状態に導く働きを持つとされています。そのため、化粧品分野で長く注目されてきました。中でも、アジアチコシドやマデカッソシドという成分が、シカの働きを支える代表的な成分です。

保湿と肌荒れ予防に役立つとされる働き

シカが肌荒れケアの成分として選ばれてきた大きな理由のひとつが、保湿と炎症を抑える働きです。健康な成人ボランティアを対象にした研究では、シカ抽出物を配合した化粧品を4週間にわたって腕に塗り続けてもらいました。その結果、5%の濃度で配合した製品が、もっともよい結果を示したことが報告されています[Indian J Pharm Sci. 2016;78(1):27-33.]。具体的には、肌の水分量を増やす働き、経表皮水分蒸散量(肌から水分が逃げていく量)を減らす働き、炎症を抑える働きの3つです。この結果は、肌荒れが気になるときには保湿と肌を落ち着かせるケアの両方が大切だと考えられていることと重なります。そのため、シカが肌荒れケア向けの成分として選ばれてきた理由を裏付けるものといえます。

うるおい成分を増やすメカニズムがあるとされる理由

シカ由来の成分であるマデカッソシドについても、興味深い働きが報告されています。細胞を使った実験で、肌の表面に近い部分の細胞では、保湿因子(うるおいを保つ成分)を増やす働きが確認されました。さらに、肌の弾力を支える細胞では、うるおい成分であるヒアルロン酸の分泌を促す働きも確認されたと報告されています[Biosci Biotechnol Biochem. 2019;83(3):561-568.]。こうした働きは、シカが単に肌の表面をおおって保湿するだけでなく、肌自体がうるおいを保つ力に働きかける成分として位置づけられてきた背景のひとつと考えられます。

肌のハリや紫外線ダメージへのケアとしての注目

肌のハリを支えるコラーゲンとの関わりも、シカが選ばれてきた理由のひとつです。線維芽細胞(コラーゲンを作る肌の細胞)を使った実験で、シカから抽出された成分がコラーゲンの合成を促す働きを示したことが報告されています。しかも、量を増やすほどその働きが強まる傾向も確認されています[Connect Tissue Res. 1990;24(2):107-120.]。また別の実験では、紫外線にさらされた肌の細胞を使って、シカの抽出物の働きが確かめられました。その結果、コラーゲンを作る働きに関わる遺伝子や、肌のバリア機能に関わる遺伝子の働きが高まったことが報告されています。合わせて、抗酸化に関わる遺伝子の働きも高まったとされています[J Microbiol Biotechnol. 2025;35(3):e2504036.]。これらの知見は、シカが肌のうるおいだけでなく、ハリや紫外線ダメージへのケアに関わる成分としても研究が重ねられてきたことを示しています。

実際に使われてきた製品での報告

シカを配合したスキンケア製品を実際に使用した報告も、この成分が支持されてきた理由のひとつです。敏感肌の女性を対象にした観察研究で、シカの葉から抽出した成分などを配合したクリームを4週間使い続けてもらいました。その結果、肌の敏感さを示すスコアが、2週間と4週間の時点で大きく下がったことが報告されています[J Cosmet Dermatol. 2025;24(7):e70324.]。ただし、この研究で使われたクリームは、シカ以外の保湿成分も組み合わせた製品であるため、この結果をシカ単体の働きと言い切ることはできない点には注意が必要です。それでも、シカを含むスキンケアの使用感が実際に確かめられてきたことは、この成分が選ばれ続けてきた背景のひとつといえるでしょう。

シカを取り入れるうえで日常のスキンケアの工夫として検討が推奨される点

シカを取り入れるためのスキンケアの3つのコツと理由をまとめた表です。 1つ目は「配合濃度を目安のひとつにする」で、保湿や肌荒れケアを目的とする場合、配合濃度が明記された製品を選ぶことです。理由は、一定の濃度で配合された製品で、保湿や炎症を抑える働きについて良好な結果が報告されているためです。 2つ目は「数週間単位で継続して使う」で、すぐに変化を求めず、数週間単位で使い続けることを前提に取り入れることです。理由は、4週間の使用によって肌の変化が確認された報告があるためです。 3つ目は「ほかの保湿成分との組み合わせも意識する」で、シカ単体にこだわらず、ほかの保湿成分を組み合わせた製品を選ぶことです。理由は、複数の保湿成分を組み合わせた製品でも、肌の状態の変化が報告されているためです。

ここだけは伝えたいメッセージ

シカは、保湿や肌をすこやかに保つ働きが期待される成分として、長年にわたり多くの化粧品に取り入れられてきました。肌荒れが気になるときの選択肢のひとつとして取り入れてみるのもよいでしょう。なお、シカ配合製品の効果には個人差があります。肌の赤みやかゆみが続く場合や、症状が強い場合には、自己判断でケアを続けるのではなく、皮膚科など医療機関への相談をご検討ください。

まとめ:シカが肌荒れケアの成分として選ばれてきた理由

  • 保湿と肌荒れ予防: シカ抽出物を配合した化粧品で、肌の水分量アップ・経表皮水分蒸散量の減少・炎症を抑える働きについて良好な結果が報告されています
  • うるおい成分を増やす働き: シカ由来のマデカッソシドが、保湿因子やヒアルロン酸の分泌を促すメカニズムを持つことが報告されています
  • ハリを支えるコラーゲンとの関わり: シカ由来の成分がコラーゲンの合成を促す働きや、紫外線を受けた肌でコラーゲン・バリア機能・抗酸化に関わる遺伝子の働きを高める働きが報告されています
  • 実際の使用報告: シカを含むクリームを4週間使用した観察研究で、敏感肌の方の肌の敏感さのスコアが低下したことが報告されています。ただし、この製品は複数の保湿成分を組み合わせたものです

なお、これらのシカ配合製品は化粧品であり、医薬品のように治療効果を保証するものではありません。効果には個人差があるため、肌の状態に合わせて取り入れることが大切です。

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(参考文献)

Maquart FX, Bellon G, Gillery P, Wegrowski Y, Borel JP. Stimulation of collagen synthesis in fibroblast cultures by a triterpene extracted from Centella asiatica. Connect Tissue Res. 1990;24(2):107-120.
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Ko K, Cheon GY, Ha YJ, Ko YR, Kim JH, Seo D, Park SY, Lee B, Hong KB. Enhanced Skin-Protective Effects of a Novel Centella asiatica Variety. J Microbiol Biotechnol. 2025;35(3):e2504036.
Su Z, Zheng Y, Yi J, Lai W, Ye C. The Effectiveness and Safety of a Skin Care Product With Centella asiatica Leaf Extract, Ceramide NP, and Panthenol in Subjects With Sensitive Skin. J Cosmet Dermatol. 2025;24(7):e70324.

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