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ぐっすり眠るための快眠のコツを教えてください。
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ぐっすり眠るための快眠のコツを教えてください。

日下 慶子監修者

精神科・心療内科

日下 慶子

運動や食事などの生活習慣、寝室の室温、カフェインとの付き合い方を整えることが、快眠につながると考えられています。

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快眠のコツの土台となる睡眠時間と生活習慣

ぐっすり眠るためには、まず睡眠時間の目安を知ることが出発点になります。成人では個人差があるものの、6時間以上の睡眠時間をとることがすすめられています。また、良質な睡眠には、光・温度・音といった寝室の環境、食事や運動などの生活習慣、カフェインなどの嗜好品との付き合い方を整えることが大切とされています[厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」]。これらの要素は、この記事で紹介する快眠のコツの土台になります。

快眠につながる運動の習慣

薬に頼らずに睡眠の質を高める方法として、運動が注目されています。多数の研究をまとめて比較した分析では、筋力トレーニング(筋トレ)が睡眠の質の改善に最も効果的で、体を動かす活動や栄養面の工夫、その組み合わせも役立つと報告されています[PLoS One. 2024;19(6):e0301616.]。さらに、複数の研究を統合した分析では、2か月以上続ける定期的な運動が大人の睡眠の質を改善したことが示されています。ウォーキングなどの有酸素運動と、ヨガのように体と心を整える運動は、どちらも同じくらい役立つと考えられています[Front Psychiatry. 2021;12:664499.]。これらの知見は、日々の運動習慣が快眠につながることを裏付けるものと考えられます。

快眠を助ける食事・食品の選び方

食事の内容も睡眠に関わることがわかってきています。研究を概観した報告では、炭水化物を多く含む食事や、トリプトファン(睡眠に関わる物質のもとになる栄養素)・メラトニン・植物由来の栄養素を含む食品(たとえばチェリーなど)が、睡眠の質の改善と関連していたとされています[Nutrients. 2020;12(4):936.]。これらは、睡眠に関わるセロトニンやメラトニンといった体内の物質の働きに影響することが理由と考えられています。この知見は、日々の食事の工夫が快眠を支えるひとつの手がかりになることを示しています。

快眠のための寝室の温度の整え方

寝室の温度も、眠りの深さに関わります。特に温度変化に敏感な高齢者においては、20〜25℃が最適であったという報告もあり、室温が25℃から30℃に上がると睡眠の効率が5〜10%ほど低下したことが示されています[Sci Total Environ. 2023;899:165623.]。この知見は、暑すぎない快適な室温に整えることの重要性を示唆しています。適温は年齢や季節、寝具・パジャマの素材によっても変わるため、自分が最も快適に感じる温度を探すことが大切です。

カフェインとの付き合い方

コーヒーなどに含まれるカフェインは、飲むタイミングによって睡眠に影響します。複数の研究を統合した分析では、カフェインをとると総睡眠時間が約45分、睡眠効率が約7%減り、寝つくまでの時間や夜中に目が覚める回数が増えたことが報告されています。睡眠への影響を避けるには、コーヒーは就寝の約8.8時間前までにとることがすすめられています[Sleep Med Rev. 2023;69:101764.]。この知見は、就寝前のカフェインを控えることが快眠のコツになることを示しています。

快眠のうえで日常生活の工夫として検討が推奨される点

快眠のための4つのコツと理由をまとめた表です。 1つ目は「定期的に運動する」で、有酸素運動や筋トレ、ヨガなどを2か月以上続けることです。理由は、睡眠の質が改善したと報告されているためです。 2つ目は「睡眠を助ける食品を取り入れる」で、トリプトファンなどを含む食品を食事に加えることです。理由は、睡眠に関わる体内の物質の働きを助ける可能性があるためです。 3つ目は「寝室の室温を整える」で、20〜25℃を目安に調整することです。理由は、睡眠の効率が高まりやすいと考えられているためです。 4つ目は「カフェインは早めの時間に」で、コーヒーは就寝の8〜9時間前までを目安にすることです。理由は、就寝前だと睡眠時間や質が下がる可能性があるためです。

ここだけは伝えたいメッセージ

快眠は、特別な道具がなくても、日々の生活習慣の積み重ねで近づけるものです。まずは取り入れやすいものから、ひとつずつ試してみてください。なお、効果には個人差があります。生活習慣を工夫しても眠りの悩みが長く続く場合や、日中の強い眠気などが気になる場合は、医療機関への相談をご検討ください。

まとめ:今日から始める快眠のコツ

  • 睡眠時間: 成人は6時間以上を目安に、生活習慣・寝室環境・嗜好品との付き合い方を整える
  • 運動: 有酸素運動・筋トレ・ヨガなどを2か月以上続けると睡眠の質が改善しやすい
  • 食事: トリプトファンなどを含む食品が、睡眠に関わる体内の物質の働きを助ける可能性がある
  • 寝室環境: 室温は20〜25℃が睡眠効率の目安
  • カフェイン: コーヒーは就寝の8〜9時間前までを目安にする

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(参考文献)

厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(令和6年一部修正). https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/suimin/index.html.(参照 2026-09-15).
Hirohama K, Imura T, Hori T, Deguchi N, Mitsutake T, Tanaka R. The effects of nonpharmacological sleep hygiene on sleep quality in nonelderly individuals: A systematic review and network meta-analysis of randomized controlled trials. PLoS One. 2024;19(6):e0301616.
Xie Y, Liu S, Chen XJ, Yu HH, Yang Y, Wang W. Effects of Exercise on Sleep Quality and Insomnia in Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. Front Psychiatry. 2021;12:664499.
Gardiner C, Weakley J, Burke LM, Roach GD, Sargent C, Maniar N, Townshend A, Halson SL. The effect of caffeine on subsequent sleep: A systematic review and meta-analysis. Sleep Med Rev. 2023;69:101764.
Binks H, Vincent GE, Gupta C, Irwin C, Khalesi S. Effects of Diet on Sleep: A Narrative Review. Nutrients. 2020;12(4):936.
Baniassadi A, Manor B, Yu W, Travison T, Lipsitz L. Nighttime ambient temperature and sleep in community-dwelling older adults. Sci Total Environ. 2023;899:165623.

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