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メラトニンとは?睡眠との関わりを教えてください。
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メラトニンとは?睡眠との関わりを教えてください。

日下 慶子監修者

精神科・心療内科

日下 慶子

メラトニンは脳から分泌されるホルモンで、夜になると増えて眠気を促し、体内時計を整えるはたらきに関わるとされています。

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メラトニンとは?睡眠を促すホルモンの基礎知識

メラトニンは、脳の中央にある「松果体(しょうかたい)」という小さな器官で合成されるホルモンです。メラトニンは、体内時計の司令塔とされる脳の部分に作用し、概日リズム(およそ24時間周期の体内時計)を調整します[Curr Top Med Chem. 2002;2(2):199-209.]。メラトニンは光の影響を受けやすく、強い光を浴びると分泌が抑えられ、暗くなると増えることが知られています[Curr Top Med Chem. 2002;2(2):199-209.]。この性質があるため、メラトニンは眠るタイミングを決めるうえで大切な役割を担っていると考えられています。

メラトニンが睡眠と体内時計を整えるしくみ

メラトニンは、私たちの体にもともと備わっている「眠りを促す物質」としてはたらくとされています。具体的には、

  1. 日中の活動だけでは眠気が十分にたまっていないときに入眠を助ける
  2. 体内時計から出る「起きていよう」という信号をやわらげる
  3. 体内時計のリズムのタイミングを調整する

という3つのはたらきを通じて、睡眠と体のリズムを整えることに関わっていると報告されています[J Neuroendocrinol. 2003;15(4):432-437.]。夜になるとメラトニンが増えて自然と眠りに入りやすくなるのは、こうしたしくみによるものと考えられます。

光がメラトニン分泌に与える影響 — 朝の光と夜のブルーライト

メラトニンの分泌は光に大きく左右されます。朝起きた時に日光をしっかり浴びることで体内時計がリセットされ、夜の適切なタイミングにメラトニンが分泌され始め、眠りに入りやすくなる一方、就寝前にスマートフォンなどの強い光(ブルーライト)を浴びると分泌が抑えられ、体内時計が乱れて寝つきが悪くなることが指摘されています[健康づくりのための睡眠ガイド2023]。この知見は、寝る前の光の浴び方が眠りの質に関わることを裏付けるものと考えられます。

メラトニンのはたらきを支える光環境の整え方

健康な成人が睡眠リズムを支えるうえでは、「昼は明るく、夜は暗く」という光の浴び方が役立ちます。朝起きた時に光を浴び、日中は目に入る明るさをしっかり確保し、就寝前は照明を暗めにして、眠るときはできるだけ暗くすることが推奨されています[PLoS Biol. 2022;20(3):e3001571.]。また、寝室はできるだけ暗く保つことがすすめられています[健康づくりのための睡眠ガイド2023]。こうした光環境の工夫は、メラトニンの自然な分泌を妨げず、体内時計を整えることにつながると考えられます。

メラトニンのはたらきを活かすうえで日常生活の工夫として検討が推奨される点

メラトニンのはたらきを活かすための3つのコツと理由をまとめた表です。 1つ目は「朝・日中に光を浴びる」で、起きたら日光を浴び、日中も明るい環境で過ごすことです。理由は、日中の光が夜間のメラトニン分泌を促し、入眠を助ける可能性があると考えられているためです。 2つ目は「夜は強い光を控える」で、就寝前はスマートフォンなどのブルーライトや強い照明を避けることです。理由は、夜の光、特に青色成分の多い光がメラトニンの分泌を抑え、寝つきを妨げる可能性があるとされているためです。 3つ目は「寝室を暗く保つ」で、眠るときはできるだけ部屋を暗くすることです。理由は、暗い環境がメラトニンの分泌を妨げにくいと考えられているためです。

ここだけは伝えたいメッセージ

メラトニンは、私たちの体にもともと備わっている「眠りのリズム」を支えてくれる心強い味方です。朝は光を浴び、夜は光を控えるという毎日のちょっとした心がけで、その自然なはたらきを活かしやすくなります。まずはできることから取り入れてみましょう。

なお、なかなか眠れない状態が続いたり、日中の生活に支障が出たりする場合は、生活習慣の工夫だけで抱え込まず、医療機関への相談をご検討ください。

まとめ:メラトニンと睡眠リズムのポイント

  • メラトニンとは: 脳の松果体で合成、体内時計に合わせて夜に増えるホルモン
  • 睡眠との関わり: 入眠を助け、体内時計のリズムを整えるはたらきに関わるとされる
  • 光の影響: 日中の光は夜の分泌を促し、夜の強い光(ブルーライト)は分泌を抑える
  • 生活習慣のポイント: 朝・日中は光を浴び、夜は光を控え、寝室を暗く保つ

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(参考文献)

厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(令和6年一部修正). https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/suimin/index.html.(参照 2026-09-15).
Kennaway DJ, Wright H. Melatonin and circadian rhythms. Curr Top Med Chem. 2002;2(2):199-209.
Cajochen C, Kräuchi K, Wirz-Justice A. Role of melatonin in the regulation of human circadian rhythms and sleep. J Neuroendocrinol. 2003;15(4):432-437.
Brown TM, Brainard GC, Cajochen C, et al. Recommendations for daytime, evening, and nighttime indoor light exposure to best support physiology, sleep, and wakefulness in healthy adults. PLoS Biol. 2022;20(3):e3001571.

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