
監修者医療法人財団コンフォート コンフォート豊平クリニック 内科 消化器科
食中毒の原因となる菌は5℃~60℃の温度帯で増えやすいため、冷蔵庫は5℃以下・冷凍庫は−18℃以下・加熱料理は中心部まで十分に熱する、といった温度の管理が食中毒予防の基本とされています。
食中毒が起こる原因|細菌が増える温度帯とは
食中毒は食品に付着した細菌やウイルスが増殖し、それを口にすることで起きます。食中毒の病原菌には増殖しやすい温度、しにくい温度があります。食品安全の専門家を対象にした調査では、「食品を安全な温度に保つこと」が主要な食中毒を予防するうえで重要な行動のひとつとされています[J Food Prot. 2003;66(10):1893-9.]。
冷蔵庫の温度管理|家庭の冷蔵庫の多くが基準超え
冷蔵庫は5℃以下に保つことが推奨されていますが、家庭向け冷蔵庫を対象にした調査では、合計59%の冷蔵庫が推奨温度(5℃以下)を上回る温度で稼働していることが報告されています[J Food Prot. 2005;68(7):1421-30.]。冷蔵庫の庫内温度設定を改めて確認することが、食中毒予防の第一歩になります。
食べ残しの保存と再加熱|梅雨から夏に注意すべきこと
加熱した料理を常温(室温)に長時間放置することで、残存した細菌が再び増えることがあります。特に梅雨から夏にかけては室温が細菌の増殖しやすい温度帯(5℃~60℃)に入りやすく、時間がたつとリスクが高まるため、食べ残しは速やかに冷蔵・冷凍することが推奨されています。
日常生活の工夫として検討・推奨される点
▶特に重要とされるのは「余った料理は速やかに冷蔵する」ことが食中毒リスクを下げるうえで最も基本的な対策のひとつと考えられています。

伝えたいメッセージ
食中毒の多くは、家庭での小さな油断(冷ます前に長時間放置した、冷蔵庫の設定温度が高すぎるなど)が原因で起きます。特別なことではなく、日々の習慣を小さく見直すことが大切です。
食中毒の症状(下痢・嘔吐・腹痛・発熱など)が出た場合は、自宅で安静にしながら十分な量の水分をとりつつ、状態が悪化するようなら医療機関への受診をご検討ください。
まとめ:食品保存の温度と時間の目安
- 温度管理が最重要: 食品を安全な温度(5℃以下または60℃以上)に保つことが食中毒予防の最も基本的な行動とされている
- 冷蔵庫の現実: 多くの家庭用冷蔵庫が推奨温度を超えて稼働していることが報告されている
- 夏のリスク: 梅雨~夏は室温が細菌の増殖しやすい温度帯に入りやすく、食べ残しの短時間の放置でもリスクが高まる
- 基本の3原則: 冷やす/分ける/加熱する(中心部まで)を意識する
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(参考文献)
Hillers VN, Medeiros L, Kendall P, et al. Consumer food-handling behaviors associated with prevention of 13 foodborne illnesses. J Food Prot. 2003;66(10):1893-9.
Kennedy J, Jackson V, Blair IS, et al. Food safety knowledge of consumers and the microbiological and temperature status of their refrigerators. J Food Prot. 2005;68(7):1421-30.