
WBGT(暑さ指数)とは?何度で「運動中止」なのか行動判断の目安を教えてください。
監修者おだかクリニック 循環器内科 副院長
WBGTは暑さを総合的に数値化した指標で、31℃以上は「危険」、運動は原則中止とされています。
夏の暑さ対策では「気温」だけでなく「WBGT(ダブリュービージーティー)」を確認することが推奨されています。WBGTは気温・湿度・日差しの強さを組み合わせて算出される指標で、体が感じる「暑さのきつさ」をより正確に表すことができます。環境省の「熱中症予防情報サイト」やスマートフォンアプリで誰でも確認できます。
WBGTとは|気温だけではわからない「本当の暑さ」
WBGTは「湿球黒球温度(Wet Bulb Globe Temperature)」の略で、1950年代にアメリカ軍の訓練中の熱中症を減らすために開発された指標です。気温が同じでも湿度が高い日は汗が蒸発しにくく体温が下がりにくいため、熱中症リスクが高まります。WBGTはこの「湿度の影響」を大きく反映した設計になっており、気温よりも実際のリスクに近い判断ができるとされています。
WBGT別の行動判断の目安|いつ運動中止?いつ厳重警戒?
環境省と日本スポーツ協会が定める目安は以下のとおりです。
- WBGT 21℃未満(ほぼ安全): 通常の活動が可能。こまめな水分補給を心がける
- WBGT 21〜25℃(注意): 積極的に水分補給を行う。激しい運動では休憩をこまめに
- WBGT 25〜28℃(警戒): 積極的な休憩と水分・ミネラルの補給。激しい運動は30分ごとに休憩
- WBGT 28〜31℃(厳重警戒): 激しい運動は中止。外出時は炎天下を避ける
- WBGT 31℃以上(危険): すべての運動は原則中止。不要不急の外出を避ける
職場の労働環境でも同様にWBGTに基づく休憩ルールの策定が推奨されています[Wilderness Environ Med. 2024;35(1_suppl):112S-127S.]。
WBGTの確認方法|スマホひとつでチェックできる
WBGTは以下の方法で確認できます。
- 環境省「熱中症予防情報サイト」: 地域別のWBGT予測値を毎日公開(4月〜10月)
- スマートフォンアプリ: 「熱中症アラート」などで現在地のWBGT概算を表示
- 携帯型WBGT計: 屋外の作業現場やスポーツの練習場所で、その場の値を正確に計測できる機器
特に部活動の指導者や屋外作業の管理者は、携帯型WBGT計の導入が推奨されています。「体感」ではなく「数値」で判断することが、リスクの見落としを防ぐ鍵です。
WBGT計や飲料の活用|あくまで補助的な手段として
携帯型WBGT計は「暑さの見える化」を実現する補助的なツールです。数値をもとに休憩のタイミングや運動中止の判断ができるため、個人の体感に頼らない対策が可能になります。
WBGT値が高い日はスポーツドリンクや経口補水液でこまめにミネラルを補給し、塩分チャージタブレットを携帯しておくと手軽です。ただし、WBGT値が「危険」の場合は運動や屋外作業自体を中止することが最も重要であり、飲料や機器はあくまで補助的な手段です。なお、効果には個人差があります。
WBGT活用のうえで日常生活の工夫として検討が推奨される点
特に重要とされるのは、「毎朝WBGTを確認する習慣をつけること」と考えられています。

ここだけは伝えたいメッセージ
WBGTは「暑さのきつさ」を数値で見える化してくれる便利な指標です。毎朝の確認を習慣にするだけで、「今日はいつもより気をつけよう」「今日は運動を控えよう」という具体的な判断につなげることが期待できます。
WBGT 28℃以上の日に屋外で頭痛やめまいを感じた場合は、熱中症が進行している可能性があります。すぐに涼しい場所に移動し、経口補水液で水分・ミネラルを補給してください。30分以上改善しない場合や意識がもうろうとする場合は、速やかに医療機関への受診をご検討ください。
まとめ:WBGTで「数値で判断」する暑さ対策を

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