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紫外線が髪や頭皮にダメージを与えると聞きました。夏の頭皮UVケアの対処法を教えてください。
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紫外線が髪や頭皮にダメージを与えると聞きました。夏の頭皮UVケアの対処法を教えてください。

髙岡 真梨子監修者

平塚市民病院 皮膚科

髙岡 真梨子

紫外線は頭皮や毛髪にダメージを与え、夏場は抜け毛が増える傾向が報告されています。帽子や日傘などの物理的な遮光と、生活習慣の見直しによるケアが推奨されます。

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紫外線が頭皮や毛髪に与えるダメージとは

紫外線は肌だけでなく、頭皮や髪の毛にもダメージを与えることがわかっています。頭皮に紫外線が当たると、毛根を包んでいる組織(毛包)の中で酸化によるDNAの傷や細胞死が増えることが確認されています[Int J Cosmet Sci. 2019;41(2):164-182.]。これは、紫外線が毛根の細胞を直接傷つけるメカニズムを示しており、頭皮が日焼けすると髪の成長にも悪影響が及ぶ可能性を裏付けています。

また、紫外線は毛髪の老化を早める外的要因のひとつとされています。紫外線や喫煙などの外部刺激が、毛髪の老化を促進する主な要因として報告されています[Curr Probl Dermatol. 2015;47:107-120.]。さらに、紫外線による酸化ストレス(体内の活性酸素が増えすぎた状態)が毛髪にダメージを与える主要因子のひとつであることも示されています[Int J Cosmet Sci. 2015;37(Suppl 2):25-30.]。こうした知見から、日常的に頭皮を紫外線から守ることが毛髪の健康維持に重要と考えられます。

夏に抜け毛が増える原因と紫外線の関係

夏の時期には抜け毛が増えやすいことが研究で示されています。女性823名を対象とした調査では、成長を休んでいる状態の毛髪(休止期毛)の割合が夏に最も高くなることが報告されています[Dermatology. 2009;219(2):105-110.]。この結果は、夏に髪の毛が抜けやすくなるという季節性の変化を裏付けるものです。

紫外線がこの季節性の抜け毛に関係している可能性も示唆されています。動物実験(マウスモデル)では、紫外線A波(UVA)を照射すると、毛の太さや毛根の深さが減少し、毛根にある幹細胞やメラノサイト(髪の色をつくる細胞)が減少することが確認されています[Clin Cosmet Investig Dermatol. 2021;14:527-539.]。この研究はマウスを対象としたものであるため、そのまま人に当てはまるとは限りませんが、紫外線が毛根の老化を促進するメカニズムの一端を示す知見と考えられます。

夏の頭皮UVケアの具体的な対処法

紫外線から頭皮を守るためには、物理的に紫外線を遮ることが基本です。環境省の「紫外線環境保健マニュアル2020」では、帽子の着用や長袖の着用、外出する時間帯の調整が推奨されています[環境省. 紫外線環境保健マニュアル2020. 2020年3月改訂版.]。

帽子は頭皮を直射日光から守る手軽な方法です。つばの広い帽子を選ぶと、顔や首の後ろまでカバーでき、より効果的と考えられます。日傘の併用も有効な対策のひとつです。

外出する時間帯を調整することも重要です。紫外線が強い時間帯(一般的に午前10時から午後2時ごろ)の外出をなるべく避けることで、頭皮への紫外線の影響を減らすことが期待されます。やむを得ず外出する場合は、帽子や日傘でしっかりと頭皮を覆うことが推奨されます。

頭皮の紫外線ダメージを防ぐ生活習慣のポイント

紫外線による酸化ストレスが毛髪にダメージを与えることが報告されているため[Int J Cosmet Sci. 2015;37(Suppl 2):25-30.]、日常的な生活習慣を整えることも頭皮ケアの一環として重要です。

紫外線を浴びたあとは頭皮が乾燥しやすくなるため、洗髪時にゴシゴシこすりすぎないよう注意し、頭皮をいたわる洗い方を心がけることが望ましいと考えられます。また、十分な睡眠やバランスのよい食事を心がけることで、体全体の回復力を保つことも頭皮の健康維持に役立つと考えられます。

紫外線と喫煙がともに毛髪の外因性老化を促進することが報告されていることからも[Curr Probl Dermatol. 2015;47:107-120.]、喫煙習慣がある場合はその見直しを検討することも、頭皮の紫外線ダメージを軽減するうえで意味があると考えられます。

夏の頭皮UVケアで日常生活の工夫として検討が推奨される点

夏の頭皮UVケアについて3つのコツと理由をまとめた表です。1つ目は「帽子・日傘の活用」で、外出時につばの広い帽子や日傘を使い、頭皮への直射日光を遮ることです。理由は紫外線を物理的に遮ることで、頭皮や毛根へのダメージを軽減できる可能性があるためです。2つ目は「外出時間帯の調整」で、紫外線の強い時間帯(午前10時〜午後2時ごろ)の外出をなるべく避けることです。理由は紫外線量が多い時間帯を避けることで、頭皮への紫外線の影響を減らせると考えられているためです。3つ目は「頭皮をいたわる洗髪」で、紫外線を浴びた後の頭皮はやさしく洗い、ゴシゴシこすらないことです。理由は紫外線を浴びた頭皮は刺激に敏感になりやすいと考えられるため、やさしいケアが望ましいためです。

特に重要とされるのは、帽子や日傘による物理的な遮光を毎日の習慣にすることと考えられています。

ここだけは伝えたいメッセージ

夏の頭皮UVケアは、帽子をかぶる、外出時間帯を工夫するなど、日常のちょっとした心がけから始められます。今日からできることをひとつずつ取り入れて、頭皮と髪の毛を紫外線から守っていきましょう。

なお、抜け毛が急に増えた場合や頭皮に強い炎症が見られる場合は、紫外線以外の原因が隠れている可能性もあります。気になる症状がある場合は、医療機関への相談をご検討ください。

まとめ:夏の頭皮UVケアで押さえたいポイント

  • 紫外線と毛根ダメージ:紫外線は頭皮の毛根組織に酸化ダメージを与え、細胞死を増加させることが確認されている
  • 夏は抜け毛が増える季節:休止期毛の割合が夏に最大となることが報告されており、季節性の抜け毛には紫外線が関与している可能性がある
  • 紫外線は毛髪老化の外的要因:紫外線や喫煙が毛髪の外因性老化を促進する主要因子として報告されている
  • 物理的な遮光が基本:帽子や日傘の活用、外出時間帯の調整が環境省のマニュアルでも推奨されている
  • 生活習慣の見直しも重要:やさしい洗髪、十分な睡眠、バランスのよい食事など、日常的なケアも頭皮の健康維持に役立つと考えられる

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(参考文献)

Gherardini J et al. Modelling the effect of UV light on human mature hair follicles. Int J Cosmet Sci. 2019;41(2):164-182.
Kunz M et al. Seasonality of hair shedding in healthy women complaining of hair loss. Dermatology. 2009;219(2):105-110.
Zhai X et al. UVA-induced damage to hair follicles and its potential mechanism. Clin Cosmet Investig Dermatol. 2021;14:527-539.
Trueb RM. Effect of ultraviolet radiation, smoking and nutrition on hair. Curr Probl Dermatol. 2015;47:107-120.
Trueb RM. The impact of oxidative stress on hair. Int J Cosmet Sci. 2015;37(Suppl 2):25-30.
環境省. 紫外線環境保健マニュアル2020. 2020年3月改訂版.

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