なぜ夏バテすると口内炎や肌荒れが増えるの?ビタミンB群不足のサインと食事での対策を教えてください。
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なぜ夏バテすると口内炎や肌荒れが増えるの?ビタミンB群不足のサインと食事での対策を教えてください。

本間 雄貴監修者

富士在宅診療所 一般内科

本間 雄貴

夏バテで食事量が減るとビタミンB2やB6が不足しやすくなり、皮膚や粘膜のターンオーバーが乱れて口内炎や肌荒れが起きやすくなると考えられています。

夏バテでビタミンB群が不足しやすい理由

夏バテで食欲が落ちると、ビタミンB群を多く含む食品(肉・魚・卵・レバー・納豆等)の摂取量が減りがちになってしまいます。ビタミンB1はエネルギー代謝に不可欠な補酵素で、不足すると倦怠感・食欲低下・胃腸の不快感が初期症状として現れることが報告されています[Nutrients. 2025;17(13):2206.]。

さらに、夏は発汗量が増えるため、水溶性ビタミンであるB群は汗とともに失われやすく、需要と供給のバランスが崩れやすい季節です。

ビタミンB群不足が引き起こす口腔・皮膚の症状

夏バテのたびに口内炎や肌荒れに悩まされる方は、ビタミンB群の不足が一因になっている可能性があります。

ビタミンB群は皮膚や粘膜の細胞のターンオーバー(新陳代謝)を支える栄養素です。不足すると、口や皮膚に症状として現れます。

ビタミンB群の補充で口内炎は改善するのか

再発性口内炎の患者さん60名を対象とした研究では、約28%にビタミンB1・B2・B6のいずれかひとつ以上の不足が認められ、不足していた患者にビタミンB群を補充したところ、3か月間にわたり口内炎の持続的な改善が確認されています[J Oral Pathol Med. 1991;20(8):389-91.]。

この結果は、ビタミンB群の不足が口内炎の要因のひとつとなり得ることを示唆しており、夏バテによる食事の偏りなどが口内炎の引き金になっている可能性を示しています。ただし、すべての口内炎がビタミン不足によるものではなく、個人差があります。

ビタミンB群を効率よく摂るための食事の工夫

ビタミンB群は複数のビタミンが協力して働くため、偏りなく摂ることが大切です。B1は豚肉・枝豆・玄米に、B2はレバー・卵・納豆・乳製品に、B6は鶏ささみ・バナナ・まぐろ赤身に多く含まれます。

無理のない範囲で、これらの食品を組み合わせた食事を摂取することで、口内炎などを予防できる可能性があります。

夏バテによる口内炎・肌荒れへの対策として日常生活で検討が推奨される工夫

夏バテによる口内炎・肌荒れへの対策として日常生活の工夫について、3つのコツと内容、理由をまとめた表です。1つ目は「卵と納豆を毎日1回ずつ摂る」で、内容は「朝食に卵かけごはん+納豆など簡単なメニューで」摂ることです。理由は「B1・B2・B6を幅広くカバーでき、調理の手間も少ないと考えられています」からです。2つ目は「ヨーグルト+バナナを間食にする」で、内容は「食欲がないときのビタミンB+たんぱく質補給に」することです。理由は「B2(ヨーグルト)とB6(バナナ)を同時に摂れ、腸内環境もサポートできる可能性があります」からです。3つ目は「豚肉を週2〜3回取り入れる」で、内容は「冷しゃぶなど夏でも食べやすい調理法で」摂ることです。理由は「豚もも肉100gにはB1が約0.96mg含まれ、1日の推奨量の大部分をカバーできる」からです。

特に重要とされるのは、口内炎や肌荒れが繰り返される場合は「体が出しているサイン」と捉えることです。食事内容を見直すきっかけなどにするとよいでしょう。

ここだけは伝えたいメッセージ

口内炎や肌荒れは、体の中の栄養バランスが崩れていることを知らせてくれるサインです。夏バテで食事が偏っているときこそ、卵・納豆・ヨーグルトなどビタミンB群を含む食品を意識的に取り入れてみてください。

ただし、口内炎が2週間以上治らない、口の中に白い斑点やしこりがある、皮膚の発疹が広がっている場合は、口腔がんベーチェット病、皮膚疾患など別の原因が考えられます。ビタミン補充だけで対処しようとせず、医療機関への受診をご検討ください。

まとめ:口内炎・肌荒れは夏バテの「見えるサイン」。ビタミンB群で体の内側からケア

  • なぜ増える: 夏バテによる食事の偏り+発汗でビタミンB群が不足し、皮膚・粘膜のターンオーバーが乱れる
  • B2不足のサイン: 口角炎(唇の端の荒れ)、再発性口内炎
  • B6不足のサイン: 口角炎に加え、鼻や唇周囲のかさつき・皮膚炎
  • 食事の工夫: 卵+納豆(B1・B2)、ヨーグルト+バナナ(B2・B6)、冷しゃぶ(B1)で手軽に補う
  • 注意: 2週間以上治らない口内炎、白い斑点、広がる皮膚症状は、医療機関への受診をご検討ください

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(参考文献)

Bačun B, Galić D, Pul L, et al. Manifestations and Treatment of Hypovitaminosis in Oral Diseases: A Systematic Review. Dent J (Basel). 2024;12(6):152.

Nolan A, McIntosh WB, Allam BF, Lamey PJ. Recurrent aphthous ulceration: vitamin B1, B2 and B6 status and response to replacement therapy. J Oral Pathol Med. 1991;20(8):389-91.

Kaźmierczak-Barańska J, Halczuk K, Karwowski BT. Thiamine (Vitamin B1)—An Essential Health Regulator. Nutrients. 2025;17(13):2206.

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