
夏バテの正体は自律神経の疲れなのか、冷房疲れや内臓冷えへの対処法と食事での工夫を教えてください。
監修者おだかクリニック 循環器内科 副院長
夏バテの多くは暑さと冷房による寒暖差が自律神経に負担をかけることで起こると考えられています。
夏バテとは|自律神経の疲れが引き起こす不調の正体
「体がだるい」「食欲がない」「やる気が出ない」——夏に現れるこうした不調はまとめて「夏バテ」と呼ばれますが、その正体は自律神経(じりつしんけい=内臓や血管のはたらきを無意識に調整する神経)の疲れであると考えられています。暑い屋外と冷房の効いた室内を行き来するたびに、体温調節を担う自律神経に大きな負担がかかります。暴熱環境が自律神経に与える影響として、心拍変動(しんぱくへんどう=心拍のリズムの揺れ)の変化や尿中カテコラミンの変動が報告されています[J Occup Health. 2007;49(3):199-204.]。
冷房疲れ・内臓冷えの原因|寒暖差が自律神経に与える影響
冷房が効きすぎた環境に長時間いると、体の表面だけでなく内臓も冷えてしまうことがあります。これが「冷房疲れ」や「内臓冷え」と呼ばれる状態です。内臓が冷えると消化機能が低下し、食欲不振や胃腸の不調につながる場合があります。さらに、屋外の暑さと室内の冷房による急激な温度差は、自律神経の交感神経と副交感神経のバランスを崩しやすく、慢性的な疲労感の原因になると考えられています。
夏バテ・冷房疲れへの対策|生活習慣と食事の工夫
夏バテ対策の基本は、寒暖差を減らし自律神経への負担を軽減することです。冷房の設定温度は外気温との差を5〜7℃程度に抑えることが推奨されます。また、冷たい飲み物や食べ物ばかり摂ると内臓が冷えやすくなるため、温かい汁物やスープを食事に取り入れることが有用です。疲労感の軽減には、コエンザイムQ10(体内のエネルギー産生に関わる補酵素)の摂取が寄与する可能性が複数の研究で報告されています[Front Pharmacol. 2022;13:883251.]。
ヘスペリジンやコエンザイムQ10を含む機能性表示食品の活用
日常の食事に加え、冷え対策や疲労軽減を目的とした機能性表示食品を補助的に活用する方法もあります。糖転移ヘスペリジン(とうてんいへすぺりじん=柑橘類に含まれるポリフェノールの一種を改良したもの)は、末梢の体温や自律神経への影響が報告されています[Biosci Biotechnol Biochem. 2010;74(4):707-15.]。また、コエンザイムQ10のサプリメントは疲労感の軽減に寄与する可能性が示されています[Front Pharmacol. 2022;13:883251.]。ただし、これらはあくまで日常の生活習慣を整えたうえでの補助的な位置づけです。なお、効果には個人差があります。
夏バテ・冷房疲れ対策を考えるうえで日常生活の工夫として検討が推奨される点

特に重要とされるのは、冷房の設定温度を見直し、屋内外の寒暖差を減らすことであると考えられています。
ここだけは伝えたいメッセージ
夏バテは「暑さに弱いから」ではなく、暑さと冷房による寒暖差が自律神経に負担をかけている状態です。冷房の温度調整や温かい食事、入浴の工夫を取り入れることで、体のバランスを整えていきましょう。
ただし、だるさや食欲不振が2週間以上続く場合や、体重の急激な減少がみられる場合は、早めに医療機関への相談をご検討ください。
まとめ:夏バテの正体と冷房疲れ・内臓冷えへの対策

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